【一流ゴルフプレイヤーたちの、成長戦略】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4788915006
本日ご紹介する一冊は、世界No.1ゴルフコーチの誉れ高いデビッド・レッドベター氏の日本のパートナーであり、2019年に、ヤン・フー・クォン教授とともに、『ゴルフダイジェスト』の「レッスン・オブ・ザ・イヤー」を受賞した吉田洋一郎氏による、注目の新刊。
過酷な競争を勝ち抜き、メジャーやPGAツアーで優勝を勝ち取る一流トッププロの、知られざるティーチングの世界を紹介した、興味深い読み物です。
パワーよりも技術や経験重視だったゴルフ界の常識を破壊し、「パワーゲーム」への扉を開いたタイガー・ウッズ、50歳を過ぎて科学の力で飛距離を伸ばし、メジャーを制したフィル・ミケルソン、2020年に27歳にして全米オープンを初制覇した「ゴルフ科学者」ブライソン・デシャンボー、完全なるプロチームで4大大会に照準を合わせ、勝利を続けるブルックス・ケプカ…。
ゴルフ界に革命を起こす一流プレイヤーたちとそれを支えるコーチたちの戦略・理論が読めて、じつにワクワクする一冊です。
以前、『アメリカン・ベースボール革命』という本を紹介し、現在のベースボールがいかに科学的なアプローチを取っているか紹介しましたが、本書はいわばそのゴルフ版です。
※参考:『アメリカン・ベースボール革命』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4759820671/
読めば、一流たちがいかに古い考え方に固執せず、合理的な成長戦略を採用するか、成長段階に応じて適切なコーチを選んでいるか、よくわかります。
プレイヤーに焦点を当てた本は数多くありますが、コーチや指導理論に焦点を当て、一般的な成長戦略を語った本は、珍しいと思います。
さっそく本文のなかから、気になったところを赤ペンチェックして行きましょう。
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それまで、ゴルフはパワーよりも技術や経験が生きるスポーツだと言われ、選手たちは真っすぐ飛ばすためのスイング技術を磨き、小技の精度を高めることに取り組んできました。ところが、タイガーは300ヤードを超えるドライバーショットを武器に、そうしたゴルフ界の常識を破壊し、パワーゲームの扉を開いたのです
タイガーはスイング構築において「飛距離」「正確性」「再現性」「超越性」の4つの段階を経てきました
タイガーの復活がバイオメカニクスの認知度向上に大きく貢献したわけですが、それ以前にクォン教授とコモが共同でPGAツアーの選手100人余のデータを検証し、学術的なエビデンスを導き出したことが大きい
スランプには2つの種類があります。1つは「どこに問題があるのかはわかっているが、直し方がわからない」という状態。もう1つは「自分が今、どういう状態なのかわからない」という状態です。そして、多くの場合、現状認識で躓いている
覚えたことを実戦の場で使おうと思ったら、実際に使えるようになるピークを設定し、そこに向けて習熟させていくことが大事
NASA出身のコーチがミケルソンをチャンピオンにした
50歳近くにもなれば、筋力や柔軟性が落ち飛距離が落ちるものです。それがミケルソンの場合、2017年は293.5ヤード(89位)だったドライビング・ディスタンスが、2021年には301.8ヤード(54位)と、8.3ヤードも飛距離を伸ばしています。この裏には、フィジカルトレーニングやバイオメカニクスの導入による身体の使い方の変化がありました
よく「ドライバー・イズ・ショー、パット・イズ・マネー」などと、パッティングの重要性が強調されますが、2004年から2012年のPGAツアーでの優勝へのパッティングの貢献度は平均35%、一方でグリーン上以外のショット貢献度は65%でした。さらに、PGAツアー上位40人のデータを調べると、スコアに貢献している分野の割合は、アプローチ・ザ・グリーン40%、ティーショット28%、ショートゲーム17%、パッティングは15%でした
指導とは結果から逆算してプログラムを考えること
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一流のトッププロが、どんな考え方で大会に臨んでいるのか、自分の成長戦略をどう描いているのか、そのためにどんな指導法・コーチを選んでいるのか、じつに勉強になりました。
ビジネスとゴルフ。ジャンルは違えど、成果を出すため、成長するための考え方が書かれた、読み応えある一冊です。
ぜひ、読んでみてください。
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『超一流たちのティーチング革命』
吉田洋一郎・著 実務教育出版
<Amazon.co.jpで購入する>
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◆目次◆
第1章 一流になるための原則
第2章 チームマネジメントの原則
第3章 成功の原則
第4章 コーチングの原則
第5章 指導の原則
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