【元プランタン広報が教えるPR戦略】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4772661514
本日ご紹介する一冊は、「OLのためのデパート」と言われ、一斉を風靡した「プランタン銀座」の元広報が、売れる広報の仕掛け方を指南した一冊。
著者は、コンセプト福袋やデパ地下スイーツ、ふんどし再ブーム、ユザワヤプチデコなどの仕掛け人ですが、本書には、それらの事例も交えながら、広報が知っておくべき基本と、「仕掛け方」が書かれています。
メディアが話題にしたくなる商品作りや情報発信のコツが書かれており、広報に限らず、マーケティングや商品開発、営業など、仕掛ける立場にある、すべての人が読んでおくべき内容だと思います。
一社だけの情報では単に企業PRで終わってしまうので、関連性のあるネタを3つ合わせて売る「3の法則」や、主役以外に目を向ける方法、ナンバーワン/オンリーワン戦略など、広報の切り口づくりはじつに勉?になります。
また、広報マンの生命である人脈づくり、信頼構築、情報収集のノウハウも、広報という役割を超えて、勉強になる考え方だと思いました。
現在、著者は自治体の地方創生や農業女子プロジェクト、その他食材や企業のブランディングなどに関わっているので、地域をPRしたい方にとっても、役立つ内容だと思います。
現在、土井もボランティアながら長崎のPRを手伝っているので、参考になるところがいくつかありました。
さっそく本文のなかから、気になったところを赤ペンチェックして行きましょう。
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当時の社員の仕事は、次のとおりでした。
(1)「売場担当者」は、女性が欲しい商品を常に探し、買い付ける
(2)「サービス担当者」は、女性が喜ぶようなサービスを考える
(3)「販促担当者」は、女性を動員できるような斬新なイベントを行う
(4)「装飾担当者」は、女性が目を留めてくれるようなレイアウトや飾りをする
スイーツでは珍しい食材もテーマにして、時代の半歩先をいく商品を販売し、好評を博しました。成功のポイントは、広報・宣伝チームと現場との「情報共有」ができており、各店舗も交えた面白いものを発信していこうという「提案力」があり、メディアの方へ売り込む「タイミング」も、どこよりも早かったからだと思っています
一般的に、老舗百貨店の食品売上は、贈答品の比率が高いのですが、そこでの勝負ではなく「おもたせ」「自分用のスイーツ」を意識した差別化を図りました。だからこそ有名ブランドにこだわらず、百貨店初出店や東京初出店といった、他にはない目新しい店舗をあえて多く誘致していたのです
「プラ地下に行けば、毎月おいしくてバリエーション豊かなスイーツが買える」という「物語」を成立させるために、バイヤーも店舗も広報も必死にアイデアを出しました
メディアには、「一社の情報だけでは単に企業PRになるので避けたい」「市場や世間の動向を客観的に報じたい」という考えがあります。つまり、自社の情報一つだけではなく、関連性のあるネタを3つ合わせることができれば、ニュースとして取り上げられる確率はグンと上がります
お客様アンケートでメディアが好む生きたデータを発信する
「物語」は他社と共存してでも拡散する方向を選ぶほうがベター
(プレスリリースに)内容の裏付けと分析を入れる
(プレスリリースに)なぜ今このネタなのかの理由を入れる
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若干事例が古く、コロナ禍の今、もっと最新の事例が欲しいという気持ちはありますが、それでも役立つ内容に違いありません。
なかでも、一斉を風靡したプランタン銀座の事例は、もはや広報を超えて、経営者の目線で見て役立つ内容だと思います。
自社商品やサービスを売りたい経営者、広報マンに、ぜひ読んでいただきたい一冊です。
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『仕掛ける力 売れる広報の鉄則』
三井智子・著 合同フォレスト
<Amazon.co.jpで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4772661514
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◆目次◆
プロローグ マニュアルのない生きた広報
第1章 ニュースを生む仕掛けづくりは、現場第一主義から始まる
第2章 仕掛ける広報のための人脈・仲間づくり
第3章 ストーリー性のある企画広報戦略で仕掛けをつくる
第4章 メディアの特性に合わせて情報発信を仕掛ける
エピローグ プランタン銀座の幕引き、新しい時代の広報
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