【10歳で英検2級合格?】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4864108498
本日ご紹介する一冊は、70冊以上の洋書を翻訳してきた翻訳家であり、わが子を10歳で英検2級に合格させたという鹿田昌美さんの、初の著書。
『フランスの子どもは夜泣きをしない』『デンマークの親は子どもを褒めない』『最高の子育てベスト55』などの子育て本の翻訳を数多く手掛け、自身、「育児本」のマニアでもあるという著者が書いただけに、育児のエッセンスも入った英語教育本に仕上がっています。
何より驚いたのは、この「鹿田メソッド」とも呼べる、独自の英語学習法の斬新さ。
読んでみて、日本の英語教育の何が間違っているのか、よくわかった気がします。
著者が主張するのは、子どもが日本語を覚えていく過程同様に、英語も学ぶべきだということ。
つまり、日本語も英語も、「聞く」「話す」「読む」「書く」の順番で学ぶべきなのです。
たくさん聞くことで、話せるようになる。
話せるようになると、読めるようになる。
読めるようになると、書けるようになる。
この基本が、日本の英語教育ではないがしろにされているのです。
驚いたのは、著者が自分の息子の英語教育の詳細を、(教材を含む)はっきり覚えているということ。
どんな教材をどう使ったのか、他にどんなおすすめ教材があるのか、なぜそれがおすすめなのかも書かれていて、本当に勉強になりました。
お子さんをグローバル人材に育てたい親は、必読の内容です。
ビジネスパーソンにとっては、本書は使える英語を習得するためのヒントに満ち溢れた一冊。
自身の英語学習の何が悪いのか、見直す上でも読んでおくといいでしょう。
さっそく本文のなかから、気になったところを赤ペンチェックしてみます。
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実は私は子どもに英語を教えていません。一番の理由は「時間の余裕がない」こと。代わりに私がしていたのは、主に2つの動作を見守ることだけ。それは、「英語のCDを聞かせる」と「英語の本をなぞって読ませる」ことです
リスニングをせずに、文章を読むことから始めてしまうと、うっかり「最後の文章から前に戻って読む」という「英文和訳」スタイルになってしまい、英語の語順で理解するという大切な訓練ができなくなります
「appleはリンゴだよ」と翻訳しない!英語オンリーを徹底する(中略)appleを「りんご」と翻訳できる能力よりも、形や味を想像できたり、好きか嫌いかを言えるほうが大切です。単語を自分に関連づけて理解することから始めるのです
「ものの名前」と「物語」にたくさん触れさせる
聞こえてきた文章を指でなぞる、という作業は、リスニング力をリーディング力につなげるのに役立ちます
ローマ字は「自分の名前」以外教えない
なぜカタカナが書いてあるとよくないかというと、「先にカタカナを読んでしまうから」です。リンゴの絵の隣に“APPLE”の単語が書いてあり、「アップル」とカタカナがふってあると、リンゴの絵→「アップル」→“APPLE”の順番に認識します
『Longman Children’s Picture Dictionary』(青い表紙)トピック数が50、単語数が800ワード、CDが2枚ついています。このCDがすぐれもので、単語を読み上げるだけではなく、単語をつなげてリズム感のある歌にしてくれているので、楽しく聞くことができます
普段なじみのない単語を覚えるコツは、「例文を音読すること」です。“impress=(受身形で)感心する”と単語単位で覚えるのではなく、“be impressed with his essay(彼の論文に感心する)”と、例文を音読して、言葉の使い方を頭に入れていくのです
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昔から、日本人の親が無理に英語を話して教えていることに違和感を感じていましたが、本書では、英語が苦手な親、忙しい親でもできるメソッドを紹介しており、好感が持てました。
日本人が苦手な英語での自己表現についても、得意になるための学習法(覚えた単語を自分ごとにする方法)が書かれており、これは使える一冊だと思います。
すべての英語教師、親、英語学習者に読んで欲しい、珠玉の英語学習本です。
ぜひ読んでみてください。
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『「自宅だけ」でここまでできる!子ども英語超自習法』
鹿田昌美・著 飛鳥新社
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◆目次◆
Chapter1 自宅で英語を始めるべきこれだけの理由
Chapter2 一生役立つ! 子ども英語の「基本」
Chapter3 何をどう使う? おうち英語の「ツール」
Chapter4 小学校英語とうまくつなげる方法
Chapter5 スキルを確実に伸ばすヒント
Chapter6 英語を将来につなげるルール
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