【自分で考える子どもを育てるには】
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「子どもの自立心を育てるにはどうすればいいのか?」
最近、教育の場で話題になっているテーマですよね。
実業界の要請もあり、自立心、起業家精神あふれる子どもの育成は、いまやこの国の未来を考える上で、最重要課題と言ってもいいでしょう。
本日ご紹介する一冊は、その子どもたちの自立心を育てる上で欠かせない、「問う力」を育てるための一冊。
マサチューセッツ工科大学(MIT)リーダーシップセンター所長で、クレイトン・クリステンセン氏、ジェフリー・ダイアー氏との共著『イノベーションのDNA』でも有名になったハル・グレガーセン氏が、成功した起業家たちの「問う力」を紹介しつつ、どうすれば良い「問い」を生み出せるのか、次世代の「問い手」を育成できるのか、持論を展開した興味深い一冊です。
序文をピクサーの前社長、エド・キャットマルが書いており、本文中にもイーロン・マスクやマイケル・デル、パタゴニアのイヴォン・シュイナードが起業するきっかけとなった「問い」が紹介されています。
本書によると、<あらゆるブレークスルーの背後にはよい問いがある>し、<革新的なリーダーは一般の人に比べてはるかに問いの数が多い(とりわけ現状に異を唱える問いの数が多い)>。
であれば、「問いを発する人間になるにはどうすればいいか?」「どうすれば問いを育むことができるのか?」に関心が集まるのは、当然のこと。
本書には、人が問いを発するための条件や環境作り、メソッドについて、著者の研究成果がびっしりと書かれています。
さっそく、本文の中から気になった部分を赤ペンチェックして行きましょう。
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問いを変えなければ、いつまでも同じ道を進み続けるだけで、飛躍は望めない
第一原理思考では、まず、まちがった前提が徹底的に取り払われる。そして疑う余地がまったくない真実の層に達したら、そこからアイデアが練り始められる。マスクはそのわかりやすい例として、テスラが参入した自動車業界の話をしてくれた。現行では軽量アルミホイールを取りつけると、一個につき五〇〇ドルかかるが、素直にそんな額を払うべきなのか。マスクは疑問を持った。「変だと思いませんか。だって、アルミの値段は一ポンド[約四五〇グラム]当たり二ドルぐらいなものです。そうするとホイールの重さは二五ポンドですから、五〇ドルにしかなりません。加工の費用もかかるっていうなら、倍にしましょう。それでも一〇〇ドルです。五〇〇ドルっていう値段はありえません」
どんな分野でも、最初に基礎知識──疑問の余地がないことがはっきりしている土台となる知識──を身につけてからでないと、自分で探求や洞察を深めることはできない
「権力格差」が小さい文化と大きい文化では、生活のさまざまな面に明らかなちがいが見られるという。例えば、不平等が大きくない文化では、「部下の意見も考慮される」のに対し、不平等が大きい文化では、「部下はいわれたとおりにするべき」と考えられている。これが現状を変えようとする問いが出てくるかどうかに影響を及ぼすことは明白だろう
問題を新しい角度から眺めて、画期的な解決策を見出したいのなら、自分の有能さを示したいという衝動は抑えなくてはいけない。正しい問いがひらめくためには、もっと長い時間、自分はまちがっているという思いを持ち続ける必要がある
慣れていないことをするときほど、わたしたちは積極的に情報を得ようとする
その歴史は、物質主義の世界に背を向けたサーファーでロッククライマーだったイヴォン・シュイナードが、思いがけず実業家になったときに始まる。実業家となった彼の胸に浮かんだのは次の問いだった。魂を売り渡さずに生計を立てるにはどうすればいいか
誰もが自分の人生の指針になる要の問いを持っている
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子どもの好奇心の芽を摘まないためにも、ぜひ読んでおきたい内容。
大人であれば、起業につながる問いや、人生の指針が見つかる良いきっかけになると思います。
問いが生まれるロジックを学ぶことで、これまでの日本の学校教育、ビジネス教育に欠けていた視点が見えてくると思います。
ぜひ読んでみてください。
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『問いこそが答えだ!』ハル・グレガーセン・著
黒輪篤嗣・訳 光文社
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◆目次◆
序文 エド・キャットマル
プロローグ なぜわたしはこの本を書いたか?
第1章 新しい答えを見つけるよりむずかしいことは何か?
第2章 なぜもっと問わないのか?
第3章 問いのブレインストーミングをしてみたらどうか?
第4章 まちがうことを楽しんでいるのは誰か?
第5章 なぜ不快さを求めるのか?
第6章 静かにしてくれませんか?
第7章 どのようにエネルギーを振り向けるか?
第8章 次の世代の問い手を育てられるか?
第9章 大きな問いをめざすのはなぜか?
エピローグ 自分に何を問うか?
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