2021年4月28日

『運気を引き寄せるリーダー七つの心得』 田坂広志・著 vol.5746

【自分もチームも強運になる考え方】
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昨日は、沖縄にある聖地を巡り、心が浄化されました。サンゴ礁の上に載った土地にいると、いかにわれわれが自然の恵みを受けているか、実感しますね。

打って変わって今日は、ビーチでアメリカ人の女性2人が、人間関係の不満を大声で語っているところに遭遇しました。

彼女たちの話の中には、旦那さんへの不満や病気の話、暮らしぶりへの不満などがてんこ盛りです。

自分たちが幸せじゃないことを嘆いているのですが、これだけネガティブな言葉を発していたら、そりゃあ、運も悪くなるでしょうよ、と言いたくなりました(笑)。

本日は、この「運」について、「まさかこの人が」と驚く大人物が書いた本をご紹介します。

本日ご紹介する一冊は、日本総合研究所の設立に参画し、その後、多摩大学大学院教授、シンクタンク・ソフィアバンク代表、ダボス会議のGlobal Agenda Councilメンバー、ブダペスト・クラブ日本代表、内閣官房参与などを歴任した田坂広志氏が、「運気」を引き寄せるリーダーの心得を語った一冊。

これまでにも運に関する本はたくさん紹介してきましたが、これほど体系立った本は珍しい。

リーダーの立場にある人が、どうやって運気を引き寄せるのか、そのためにどんな心構え、行動を取る必要があるのか、具体的に書かれています。

かなり精神的な内容ですが、どうすれば自分やチームがポジティブなムードになれるのか、良いヒントが得られる内容です。

さっそく、本文の中から気になった部分を赤ペンチェックして行きましょう。

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「すべてを、自分に原因があるとして受け入れる」ことを、心理学の用語では「引き受け」と呼ぶが、不思議なことに、この「引き受け」の姿勢を持つ人間は、運気を「引き寄せる」のである

大人の経営者やリーダーが、その「無邪気さ」を持つためには、素朴に「子供に戻る」ということではなく、自分の持つ様々な「人格」の中に、明確に「無邪気な人格」を持ち続けることである

経営者は、社員を導く立場であり、リーダーは、メンバーを導く立場の人間である。そうした「人を導く」という立場にある人間が、自分自身は誰からも「導かれる」ことが無いという意識は、危うい。そこには、必ず、密やかな傲慢さが忍び込む

人生において、危機や逆境が与えられたとき、その混迷のなかで、どちらに進むべきか、どのように処すべきかを迷ったときは、身の回りで起こる、この「不思議な偶然」、「コインシデンス」や「シンクロニシティ」に注意すべき

◆「究極のポジティブな人生観」を体得していく技法(五つの覚悟)
第一の覚悟 自分の人生は「大いなる何か」に導かれていると、信じる
第二の覚悟 人生で起こること、すべて、深い意味があると、考える
第三の覚悟 人生における問題、すべて、自分に原因があると、引き受ける
第四の覚悟 「大いなる何か」が、自分を育てようとしていると、受け止める
第五の覚悟 逆境を越える叡智は、すべて、与えられると、思い定める

「願望の祈り」ではなく、「全託の祈り」を行う

ちなみに、この「全託」ということに関連して、禅の世界では、「掴んでいるものを、放せ!」との言葉が語られる。これは、何かに拘り、固執し、掴んでいるかぎり、逆に、大切なものを得られないことを教えている警句であるが、「願望の祈り」とは、ある意味で、まだ、「こうして欲しい」「ああして欲しい」という「エゴ」の欲求によって、物事を「掴んでいる」状態に他ならない

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「導きたまえ」と唱える「全託の祈り」や、「死」を直視する方法、無邪気さを失わない方法など、人生をポジティブに転換する考え方が書かれており、じつに勉強になりました。

自分の経験上、思いますが、率いるリーダーの精神が不安定だと、チームはエネルギーを失ってしまいます。

本書は、そうならないための考え方と心構えを説いた本です。

人の上に立つ人は、ぜひ読んでみてください。

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『運気を引き寄せるリーダー七つの心得』
田坂広志・著 光文社

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◆目次◆

第1章 「老い」とは何か
第2章 「老い」と向き合う
第3章 畑仕事の喜び・老年の名誉
第4章 死は恐れるべきものではない

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