【リーダーへ「素直」のすすめ】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4569511740
先日、愛知県にあるグローバル企業、MARUWAさんを訪れるために立ち寄った藤が丘駅で、気になる本屋さんを発見しました。
白樺書房という名前で、建物は古く、一見地方のひなびた本屋さんなのですが、品揃えがすごい。
限られたスペースのなかで、ガモフの『トムキンスの冒険』を紹介していたり、D・A・ノーマンの本を紹介していたり、またビジネス書も押さえるべきタイトルをきちんと押さえていました。
※参考:『トムキンスの冒険』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4826910517/
そんな白樺書房西店さんで見つけたのが、本日ご紹介する一冊。
松下幸之助による名著で、1976年の初版以来、何と通算143刷を重ねているという、驚異のロングセラーです。
ビジネスをする上で、変化に対応することは大切なことですが、そのためには、現実をありのままにとらえるという素直な気持ちが必要になってきます。
しかしながら、会社には経営者のこだわりや過去の成功体験、従業員が慣れ親しんだ仕事のやり方など、さまざまな要因があり、容易には変わることができません。
自分たちが「こうあってほしい」という願望やよこしまな気持ちが邪魔をして、なかなか現実をありのままに見られないのです。
だからこそ、リーダーは「素直な」気持ちを身につけたい。
そのために役立つのがこの『素直な心になるために』という本です。
歴史上の偉人たちのエピソードや、たとえ話を用いながら、松下幸之助が「素直」の効用と、実践のための知恵を授けた一冊。
これからの時代を素直な目で読むために、リーダーにこそ読んでいただきたい一冊です。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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素直な心とは、私心なくくもりのない心というか、一つのことにとらわれずに、物事をありのままに見ようとする心
商売をする場合でも、私心にとらわれて商売をしたならば、他に損害を与えても自分だけ儲けたらいいなどといった姿に陥り、世間に大きな迷惑を与えかねません。そしてそれはやがて自分自身の信用を傷つけ、みずから墓穴を掘ることにもなりかねないでしょう
素直な心になれば謙虚さが生まれ、その謙虚な態度のなかから衆知というものもおのずから集まってくる
お互い人間一人ひとりは、それぞれに個性というか持ち味を異にしていますが、そのどれもが尊く、また共同生活の向上のために有用なものではないか
盗みは貧よりおこります。わずかに千両の金が増えるからといって、世の風俗を乱してはなりません
冷静さを失ってあわてたり、あせったり、また平常心を失って興奮したりするということは、とりもなおさず、心が何かにとらわれていることを示している
自分の意見なり主張にとらわれてしまえば、それをムリをしても通そうとして他との間に争いを生じることもあるでしょう。これも闘争心とか憎しみで愛の心をおおいかくしているわけです
大切なことは、なすべきことは私心をはなれて断固として行なう、ということです。ときには自分の命をかけてでもやりとげるということです。
いま仮に世の中が不況でお客さんが減ってしまったうどん屋さんがあったとします。このうどん屋さんとしては、いわば商売上の危機を迎えたわけです。しかし、このうどん屋さんに素直な心が働いていたならば、お客が少なくなったからといって、少しもあわてないだろうと思います(中略)そのうどん屋さんは、従来の自分の商売のやり方とか考え方を、私心なく、第三者の立場に立ってみつめ、考え直すと思います。今までのやり方を徹底的に反省してみるわけです
悩みなり絶望というものは、物事の一面のみを見てそれにとらわれてしまう、というようなところから生じてくる場合も少なくない
素直な心がない場合には、ムダな時間や費用が多くかかり、またいらざることに心を労し、頭を使うなどして、生産性が非常に低下する
悪というものに対する対処のしかたというものは、基本的にいって悪の存在をあるがままにみとめた上で、これを適切に処遇しつつ共同生活の中に包容するというか、ゆるしいれておく、というようなところにあるのではないかと思うのです
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『素直な心になるために』松下幸之助・著 PHP研究所
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◆目次◆
序 章 素直な心の意義について
第一章 素直な心の内容十カ条
第二章 素直な心の効用十カ条
第三章 素直な心のない場合の弊害十カ条
第四章 素直な心を養うための実践十カ条
終 章 素直な心になることを願いつつ
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