【デザインセンス革命?】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4797367075
本日の一冊は、広告代理店および制作会社にて、三菱電機や日清食品、服部セイコーなど、大手企業のクリエイティブを担当してきたアートディレクターが、『デザインセンスを身につける』ための考え方とプロのデザインルールをまとめた新書。
土井はこの著者のウジトモコさんと知り合いなのですが(知人だからといってえこひいきはしません、念のため)、先日お会いした時に、面と向かってこんなことを言われました。
「土井さんは今のままで満足なんですか? もっともっとご自分のビジネスをたくさんの人に広げていける可能性があるのに、どうしてデザインを疎かにするんですか?」
…疎かにしているのではなく、「まったくわからないから」というのが本音なのですが、確かにそうなんです。
アップルのスティーブ・ジョブズの例を出すまでもなく、優れたCEOはデザインの持つ戦略性を知っているし、それを生かしてもいる。
ただ、土井のようにまったく基礎を学んでいない人間にとっては、何がまずいのかさえ、見えていない。見えていないから、改善の必要性が感じられない。
これが、多くの中小企業がデザインに取り組むことができない、本当のところではないでしょうか。
本日ご紹介する一冊は、あなたの会社(個人の場合、あなた個人)のデザインの何が悪いのか、知識ゼロでもわかる一冊。
おまけに、どうすれば良くなるのかといった処方箋、さらには優れたデザインをするためのプロのルールや技も提示されています。
海外展開で苦戦する日本メーカーと成功しているグローバルブランドの広告のカメラアングルの違い、K-POPが魅力的に見える理由、プロが教える色選び、フォント選びのコツなど、うんちくとしても興味深い。
これで新書価格=たったの760円(+税)となると、これはひさびさに「買い」の一冊と言っていいでしょう。
ツイッター、フェイスブック、ブログ、HP、いずれか一つでもやっている人は、ぜひ本書を読んで自社の表現、デザインをチェックしてみてください。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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広告の世界では「王道」とされているコミュニケーション手法の一つに「ワンキャッチワンビジュアル」というものがあります。一つの決めゼリフには、何枚もの絵をくっつけるよりも一枚の絵で勝負するという意味です
大きく近づいた顔を見せれば(これをフェイス率を上げるといいます)、対象との位置関係は近くなり、「いい放つ感じ」は強くなっていきます。悪くいえば「押し」が強まる感じです。この同じ写真をぐんと引いて、全体像を見せるようにしていくと、控えめでおだやかな物言いをしているように感じたり、もともと考え深い人であるような印象になっていきます
ツイッターのタイムラインは、上から下に流れていく設計になっていますが、上杉さんのアイコンは構造の流れに常に逆らって、斜め上に向いているのです。この動きは、とても目を引きます
グローバル展開で躍進を続けるほぼすべてのブランドは、「ローアングル」「アドバタイジング(広告向け)カット」のアングルを採用し、ブランドの価値と、デザインからの主張、「ね、ウチの製品って本当にクールでしょ? 格好いいですよね?」というような「見せ場づくり」と感情的価値の共有に集中しています
最近の例でいえば、K-POPのすらりと足の長い女性アイドルグループが出演しているプロモーションビデオなどで見かける
1.低い目線から狙うカメラ(ローアングル化)
2.V字になって整列(強い構図)
3.2の形になることによって、V字のトップすなわちセンターに
どうしても視点が集まる(1点フォーカス)などは、まさに、視覚伝達の「教科書通り」の演出
「色を選ぶこと」それ自体になりたいものに近づく強い影響力がある
トーン・アンド・マナーの中心ともなる考え方は、クラスとタイプという2軸のマトリックス
「クラス感」のあるデザインの基本は、デザインの目的にあったフォントを正しく選び、使うこと
気の利いた地図というのは、人の「誘導の技術」そのものでもあり、最終的な入場動員数と大きく関わってくることがあります
失敗するプレゼンシートに見られる問題点は、大まかにいって「期待感の欠如」「情報デザインの失敗」「インパクトへの過剰依存」「情報過多」の四つにまとめられます
「冒頭演出の技術」として、期待感のデザインはとても重要
キャラクターをつくる前に、まずはしっかり「アイデンティティ」を磨いておいた方がいい
人間の目が二つあるのは「たくさんのものを同時に見るためではない」
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『デザインセンスを身につける』ウジトモコ・著 ソフトバンククリエイティブ
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4797367075
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◆目次◆
はじめに
第一章 センスとは何か
第二章 なりたい自分をデザインする技術
第三章 プレゼンはデザインで勝負
第四章 デザインでブランドが育つ
第五章 デザインがわかると未来が見える
おわりに
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