【大谷翔平の考え方】
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本日ご紹介する一冊は、高校野球でアマチュア野球史上初となる160km/hを記録し、その後日本ハムファイターズでは、まさかのピッチャー/バッターの「二刀流」に挑戦、現在はロサンゼルス・エンゼルスに所属する大谷翔平選手の生い立ちとこれまでの軌跡を追った一冊。
著者の佐々木亨さんは、大谷翔平選手を花巻東高校時代の15歳から追っているスポーツライターです。
大谷翔平選手本人や、大谷翔平、菊池雄星の2人を育てた花巻東高校の佐々木洋監督、日本ハムファイターズの栗山英樹監督、そして家族への綿密な取材により、大谷翔平選手がどうやって成長してきたのか、どんな価値観・思考を持っているのかがよくわかります。
前人未到の領域を開拓したいと思う人は、読んでみて損のない本だと思います。
あくまでスポーツライターが書いているので、スポーツに興味のない人にとっては不要な部分も多いのですが、自己啓発書として読んでみても面白い本だと思います。
さっそく、本書の中から気になったポイントを赤ペンチェックして行きましょう。
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成功するとか失敗するとか、僕には関係ないんです。それをやってみることのほうが大事なんです(大谷)
父と息子。その関係は、ミニサイズのキャンパスノートでもつながっていた。表紙に「野球ノート」と書き込まれたノートは、父と息子の野球における交換日記のようなものだった。徹さんがその日の評価やアドバイスを書き、翔平は試合での反省や今後の課題を記した
私たち親の『いつまでも見ているよ』『大事にしているよ』ということが伝われば、子供も家族のことを大事に思ってくれると信じてきました(母・加代子さん)
先入観は可能を不可能にする
実際に成功した人の足跡をたどる以外に、確実に成功する方法はない
それまでの指導を振り返り、変化を求めた佐々木監督は、大学時代に出会い、考え方や生き方を教えてくれた恩師をグラウンドに招いて「変わる」きっかけを見つけようとした。「そのとき、恩師に言われたんです。野球のことばかりを考えているからダメなんだ、と」(佐々木監督)
本人の思考の在り方として、『雄星さんのようになりたい』という考えは持たないようにと大谷に言いました。『誰かみたいになりたい』という考えでは、その人を上回ることはできない。『超えたい』と思わなければダメなんだということを言い続けました(佐々木監督)
「具体的な数値を与えることで人は目指すべきものが明確になります。大谷にとっては、160キロという数値が大きな目標になったと思いますし、その目標自体が大谷を引っ張ってくれたと思います。鮮やかに具体的に、数値を与えてあげることは大事なことです」(佐々木監督)
「あるとき、盆栽の先生に言われたことがあります。手塩にかけて育てた盆栽に絡まっている針金が、今は成長を邪魔している、と。針金があるばかりに、縛りつけられている枝が成長を止められている、と。ある程度のタイミングで、矯正していた針金を外してあげないといけない。指導もそうだなと、私はつくづく思いました」(佐々木監督)
自分よりも高いレベルの人たちと常に付き合っていくことが、成長するための大事な要素だと思います。足が速くなりたいと思えば、早い人の傍にいけばいい。勉強ができるようになりたいと思えば、勉強のできる人の近くへいけばいい(佐々木監督)
「たとえば、ピアノの練習で苦手なフレーズがあれば、そこを何度も何度も練習しながら自分のものにして全体のリズムに戻していくと思うんですけど、野球における体力トレーニングでも、動作のなかで苦手な部分、投球動作や打者の動きのなかで苦手な部分を、特定の運動で切り出して、調和する一つの形にまた戻すということをやります(以下略)」(トレーニングコーチ中垣征一郎)
「野球に関しては、それがとてつもなく楽しかったので、今まで続いているんでしょうね。算数が好きで得意だったら、数学者になればいいんです。僕の場合は、たまたま野球だったんです」(大谷)
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成功したい人が読むのもいいですが、特におすすめなのは、教師や親。
どうすれば子どもがのびのび育つのか、どうすればやる気を削がずに伸ばしてあげられるのか、ヒントがびっしり詰まった一冊です。
なかでも、花巻東高校・佐々木洋監督の教育論は必読です。
ぜひ読んでみてください。
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『道ひらく、海わたる』佐々木亨・著 扶桑社
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◆目次◆
はじめに
第1章 現場に行かずして何がわかるか
第2章 野次馬根性
第3章 こぼれ落ちそうなものにこそ宿る真実
第4章 バグダッド、最後の臨時便
第5章 現実は、ひとことでくくれない
第6章 ならぬことはならぬ
第7章 つねに、見えていない世界がある
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