【1%の努力で済む、頭のいい生き方】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478108498
子供の頃、アリジゴクを見るのが好きでした。
何が好きって、彼の仕事ぶりが好きだったのです。
アリジゴクは、穴から出るとお尻からしか進めないし、どうにも弱っちい。
でも、穴を掘って待つことで、自分より大きな獲物も捉えて餌にしてしまうのです。
アリジゴクは飛び込みの営業マンのように、外に狩りに出掛けることはしません。
その代わりに慎重に場所を選定し、必死に穴を掘り、じっと獲物が来るのを待つのです。
ニコニコ大百科(仮)によると、<窪みは崩れやすいように精選された細かい砂が使われており、またかなりの急勾配(約60~80%)でありながらギリギリ崩壊しないバランスが保たれているため、一度そこに虫(アリ、ダンゴムシ、小型のクモや甲虫類など)が迷い込んだが最後、もがけばもがくほど砂が崩れて下に滑っていくという寸法である。さらにアリジゴク本体も巣の外へと砂を掻き出した巣作りの時に負けない勢いで獲物目掛けて砂を飛ばして追い討ちをかけていく。こうして穴の底に堕ちた犠牲者はフグ毒より100倍以上も強力な細菌毒を含んだ消化液を注入され、たちまち動きを奪われると同時に肉体の内部を溶かされて大アゴの先端から吸い取られてしまう>のだそうです。
人生で努力は必要ですが、それは意味のある努力に限る。
意味があるというのは、自分が意義を感じる(=本当にやりたい)、自分の才能に合致している、社会に求められている(ポジションが取れる)ということです。
本日ご紹介する一冊は、そんな意味のある努力の大切さを教えてくれる、元2ちゃんねる管理人、ひろゆきさんによる一冊。
著者は、2009年に2ちゃんねるを譲渡して以来、パリに住んで自由な人生を謳歌しつつ、英語圏最大の匿名掲示板「4chan」や「ペンギン村」などをリリースしていますが、その戦略的な人生論は、読み応えがあります。
子どものお受験やファーストクラス、大きい庭付きの家はすべてエッグスタンドだ(不要なもの)、という考え方に始まり、生真面目な日本人にはなかなかできない考え方が示されています。
さっそく、ポイントを赤ペンチェックして行きましょう。
—————————-
天才は「1%のひらめき」をして、凡人は「99%の努力」をする。そのあいだを取り持つ僕は、「1%の努力」で最大の成果を得てきた
「人類の努力は、ほぼ無意味だ」ということだ。いくら人間が頑張っても、大陸の形を変えることはできない
いくら世間体のいい銀行勤めでも、あなたが優秀で努力家だとしても、日本全体の銀行が少なくなっていく波には逆らえない。それなら、追い風が吹いている業界に移ったほうがいい。大事なのは、自分の感覚だ
生きていく限り、つねに「比較対象」に晒される。でも、比較対象がないほうが、人は幸せなんじゃないか。そう思うと、「自分はこうやって生きてきた」ということをちゃんと軸として持っておくことが必要だ。人を羨んでしまいそうなときに、この言葉を思い出して立ち戻ってほしい。「エッグスタンドなんて、いらなくない?」
子どものお受験=エッグスタンドファーストクラス=エッグスタンド
大きい庭付きの家=エッグスタンド
瞬時にそう置き換えるようにすればいい。さもエッグスタンドを持っていることを当たり前のように語るやつに、劣等感を抱く必要はない
僕は、若いうちの貧乏体験は、できるだけしておいたほうがいいと思っている。なぜなら、給料が下がったり、リストラに遭ったりしたときに、生活レベルを下げることが「感覚的に」できるからだ
モノを手にいれるということは、その後のメンテナンスを引き受けるということだ。そう考えると、モノがないことも豊かさだと捉えることができる
少なくとも片手は空けておかないと、チャンスを掴むことはできない
サッカー選手の本田圭佑さんは、こう言っている。「みんなシュートの練習ばかりをする。けれど、そのシュートにつなげるために、敵を抜いたり、いい位置にボールを持っていくことのほうが重要だ。それができて初めて、シュートを練習する意味がある」
大きな岩を先に入れない限り、それが入る余地は、その後二度とない
「それは修復可能か?」という判断軸だ。もし修復が可能だったら、後回しにしてもいいというルールである
「誰しもがひと言だけ言いたい」これは、場をつくる上で必要な要素だ
メインスキル(マクロな経営視点)とサブスキル(ミクロな現場視点)を両方持ち合わせることが強みになる
サブスキルがあれば、業界を移られることにも触れておこう。最近のライトノベルでうまくいっている人たちは、エロゲー出身の作家が多い
競争のいらないところに張る
遺伝子や環境がどうだったのか。一歩引いてみて、自分だけのせいにせず、「1%の努力」で変えられる部分はどこなのかを考えてみるのだ
世界中から頭脳が集まってきて高い給料を払うことのできるアメリカ。自分たちの利益のためなら、法律も変えるし、人件費も圧倒的な安さを誇る中国。この2つの国が攻めてこない部分を探りあてないといけない
—————————-
「お金を使わない生活をしながら、ワンチャン狙って生きる」という考え方は、何か面白いものに出会った時の瞬発力を高めると思いますし、クリエイティブのクオリティを上げたい人には、特に必要な考え方だと思います。
現在、日本経済が苦しんでいるのは、一生懸命回さないと回らない仕組みのなかで商売をしてきたから。
もっと少ない時間で同じ売上が稼げたり、半分の運営コストで商売が回っていたなら、そんなに慌てることはなかったのではないかと思います。
ビジネスで成功して上がった人が書いた本、と捉えるのではなく、あくまで「1%の努力」で勝てる領域は何かを発見する手掛かりとして読めば、実入りの多い本だと思います。
ぜひ読んでみてください。
———————————————–
『1%の努力』ひろゆき・著 ダイヤモンド社
<Amazon.co.jpで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478108498/
<Kindleで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B084MF2QDM/
———————————————–
◆目次◆
序文 「1%の努力」とは何か
エピソード1 団地の働かない大人たち ──「前提条件」の話
エピソード2 壺に何を入れるか ──「優先順位」の話
エピソード3 なくなったら困るもの ──「ニーズと価値」の話
エピソード4 どこにいるかが重要 ──「ポジション」の話
エピソード5 最後にトクをする人 ──「努力」の話
エピソード6 明日やれることは、今日やるな ──「パターン化」の話
エピソード7 働かないアリであれ ──「余生」の話
おわりに
ひろゆき・全思考まとめ
この書評に関連度が高い書評
この書籍に関するTwitterでのコメント
同じカテゴリーで売れている書籍(Amazon.co.jp)
お知らせはまだありません。