2019年4月17日

『THE TEAM 5つの法則』麻野耕司・著 vol.5258

【これは体系的。】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4344034546

本日ご紹介する一冊は、株式会社リンクアンドモチベーション取締役、日本最大級の社員クチコミサイト「Vorkers」を運営する株式会社ヴォーカーズの取締役副社長を兼任する麻野耕司氏が、チーム作りのセオリーを紹介した注目の一冊。

幻冬舎箕輪さんの編集ということで、発売前から話題となっていた本ですが、中身もじつに読み応えがあります。

本書は、以下のABCDEの順に、話が進んで行きます。

第1章 Aim(目標設定)の法則【旗を立てろ!】
第2章 Boarding(人員選定)の法則【戦える仲間を選べ】
第3章 Communication(意思疎通)の法則【最高の空間をつくれ】
第4章 Decision(意思決定)の法則【進むべき道を示せ】
第5章 Engagement(共感創造)の法則【力を出しきれ】

どうやって目標設定するか、どうやって人員を選定するか、どうやって意思疎通するか、どうやって意思決定するか、どうやってエンゲージメントを高めるか。

それぞれ、Method(法則)、Episode(具体的事例)、Actionchecklist(チェックリスト)から構成されており、巻末にはこ
の『チームの法則』のもとになっている学術的背景も紹介しています。

チームのタイプを「サッカー型」「野球型」「柔道団体戦型」「駅伝型」の4つに分けて論じたことで、自社に求められるチーム作りが瞬時にわかるのが、秀逸です。

理路整然と書かれており、再現性も高そうなので、これはぜひ試してみたい内容。

さっそく、ポイントをチェックしてみましょう。

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人材の連携度合いが小さい活動は個人の責任範囲を明確にしやすいので、それぞれが担当領域に集中できるように、自分の担当領域の成果のみに責任を負っても問題はないでしょう。一方で、人材の連携度合いが大きい活動は個人の責任範囲をある程度までは明確にできても、完全には明確にできません。メンバーには自分の担当領域の成果のみならず、チーム全体の成果にも責任を負ってもらった方が良いでしょう

相手に自分は理解されていると感じてもらうために、チームメンバーは他のメンバーの「経験」「感覚」「志向」「能力」を理解する必要があります

「モチベーションタイプ」は、思考や行動に対する欲求を表していて、「アタックタイプ」(達成支配型欲求)、「レシーブタイプ」(貢献調停型欲求)、「シンキングタイプ」(論理探究型欲求)、「フィーリングタイプ」(審美創造型欲求)の4つに分けられます

「どうせ・しょせん・やっぱり」がアイデアを殺す

◆独裁者が持つべき「影響力の源泉」
「専門性」「返報性」「魅了性」「厳格性」「一貫性」

リー・クアンユーは「どの国も経済発展の後に民主主義があり、民主主義によって経済が発展することはない」という分析をしています。そして、野党を徹底的に弾圧して31年間独裁政権を維持し続けました

◆エンゲージメントを高めるための4P
Philosophy(理念・方針)
Profession(活動・成長)
People(人材・風土)
Privilege(待遇・特権)

エンゲージメントという観点から投資対効果を高めるためには、4Pのうちのどれをチームの一番の魅力にするかを定め、そのPをエンゲージメントの源泉とするメンバーを集め、そのPに絞って魅力を高めることが重要

エンゲージメント=報酬・目標の魅力(やりたい)×達成可能性(やれる)×危機感(やるべき)

今の人は「感情報酬」で動く

◆当事者意識を埋め込むためのポイント
1.人数(人数は少なければ少ないほど、当事者意識は高まる)
2.責任(責任の所在が曖昧だと当事者意識は低くなる)
3.参画感(意思決定が自分と関係ないところで進むと他人事に)

チームが「“あの人よりやっているから”という落し穴」に陥らないように、「基準」を明確に示す

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正直、ここまでシンプルかつ体系的にまとめられたチーム作りの本はなかったように思います。

変化の速い時代のチーム作り、タイプごとに違うチームについて書かれており、じつに良い勉強になりました。

経営者や人事関係者はもちろんですが、優れたクリエイティブチームを創りたい人にも、本書は必読の内容です。

ぜひ読んでみてください。

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『THE TEAM 5つの法則』麻野耕司・著 幻冬舎

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◆目次◆

はじめに 売上、時価総額を10倍にした「チームの法則」
第1章 Aim(目標設定)の法則【旗を立てろ!】
第2章 Boarding(人員選定)の法則【戦える仲間を選べ】
第3章 Communication(意思疎通)の法則【最高の空間をつくれ】
第4章 Decision(意思決定)の法則【進むべき道を示せ】
第5章 Engagement(共感創造)の法則【力を出しきれ】
特別収録 チームの落とし穴
最終章 私たちの運命を変えた「チームの法則」
終わりに チームから組織へ
巻末収録 『チームの法則』の学術的背景

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