【オラクル、セールスフォースで磨かれた科学的販売法】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/479815816X
今、ビジネスの世界では、サブスクリプションモデルが盛んになっていますが、サブスクリプションを売るには、それに合ったセールスシステムが必要です。
本日ご紹介する一冊は、マーク・ベニオフがオラクルから継承し、セールスフォース・ドットコムで磨き上げた科学的マーケティングと営業のプロセスを、セールスフォース・ドットコム日本法人で実践した著者が、明らかにした一冊。
昔、『ザ・ゴール』『ザ・キャッシュマシーン』を読んだ時は、根性論に寄らない、その科学的な売上増大のアプローチに感動したものですが、ひさびさに同様の感動をもたらしてくれる内容です。
※参考:『ザ・ゴール』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478420408/
※参考:『ザ・キャッシュマシーン』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478530394/
このセールスシステムで目からウロコだったのは、セールスの過程で、「今は商談にはつながらない」と判断されたリード、失注したリードを再度検討プロセスに戻すラインが確立されていること。
また、<マーケティングコミュニケーションの目的は、見込客を次のステージに進めることである>と喝破した部分、さらにデジタルならではのセールスプロセス管理を説いたあたりは、お見事だと思いました。
ストレスフルな営業を今すぐ止め、科学的プロセスに置き換える。
営業マネジャー、経営者にこそ、読んでいただきたい一冊です。
さっそく、ポイントをチェックしてみましょう。
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「ヤス、なぜ日本人はあれほど細かく生産管理をやるのに、営業については何もしないんだ?」
アメリカとヨーロッパではSMB(中小規模)企業が先行してサービスを導入して成功事例を作り、それをもとに大手企業へビジネスを伸ばそうとしている
研修で学んだのは、マーケティング、インサイドセールス、フィールドセールスの分業体制による営業だった
営業活動をしていると、どうしても今売れそうな顧客の対応や提案書の作成に多くの時間を割いてしまう。一方、パイプラインを作成するためにはコツコツ新規の顧客にアプローチすることも欠かせない。しかし、目の前の案件と新規顧客の開拓、この両方を1人でこなすのは時間がないことに加え、短距離と長距離を交互に走るようなもので、リズムが違う仕事なのでなかなか作業の効率が上がらない。分業すれば、同じリズムの仕事に集中することができる
新規リードはいつか頭打ちになる
そもそもB2Bの検討型・高額商材では、リード獲得段階で具体的に検討しているのは全体の10%程度。25%はパートナー、学生、競合など将来的にも購買に至らない層、そして残りの65%は、「将来購買の可能性はあるが、今すぐではない」という人たちだ。裏を返すと、65%のリードは時間がかかっても戻ってくる可能性がある
ビジネスを続ければ続けるほど、このような商談に至らないリード、失注、未フォローの既存顧客の数は増えていく。ここから再び商談化へのプロセスへとリサイクル(循環)させる流れを作り、再度見込客にできれば、劇的な効果が見込めるはずだと考えた
各部門に業績評価の指標を設定すると、チームのメンバーはその目標値を達成することを優先する(中略)短期間で数を稼ごうとすると、展示会など直接自社には関心がないかもしれないが、一気に大量の名刺が確保できる施策に走りがちだ
協力せざるを得ない目標を与えよ
マーケティングコミュニケーションの目的は、見込客を次のステージに進めることである
インサイドセールスがフォローしきれない量のリードを持っている場合には、強制的に他のメンバーに割り振るなど、負荷分散の指標として活用する
「商談」というステージの中は、さらに細分化してフェーズ管理を行い、パイプラインやフォーキャスト(予測)の管理を行う
◆マネジメントが見るべき商談の7項目
受注予定日 金額 フェーズ 競合 商談日数・フェーズ滞留日数ネクストステップ(次のフェーズに進めるために何が必要か)
ボトルネックは1つであり、それを見つけ出すためにパフォーマンス指標を管理する
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本書が普及すれば、営業マンのストレスが減り、タバコと缶コーヒーの売上が激減すること、間違いなしです。
あなたがタバコ会社、あるいは缶コーヒーメーカーの方であれば、絶対に本書を読ませないように。
営業マンのストレスを減らし、営業成績を向上させたいマネジャーならば、今すぐ読むことをおすすめします。
これは、ひさびさに出た、注目の営業本ですね。
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『ザ・モデル』福田康隆・著 翔泳社
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◆目次◆
序文 アレン・マイナー
はじめに
第1部 アメリカで見た新しい営業のスタイル
第2部 分業から共業へ
第3部 プロセス 第4部 3つの基本戦略
第5部 人材・組織・リーダーシップ
おわりに
参考文献
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