【空き家だらけの商店街、奇跡の復活の理由】
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どこかで聞いたことのあるタイトル、と思ったら、やはり『キリンビール高知支店の奇跡』の著者による、取材モノでした。(前作では著者は取材・構成を担当)
※参考:『キリンビール高知支店の奇跡』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062729245/
本日ご紹介する一冊は、名古屋にある、空き家だらけの商店街「円頓寺(えんどうじ)商店街」の奇跡の復活を追ったルポ。
かつては「野良猫さえいない」と言われた寂れた商店街が、なぜオシャレで活気ある商店街に変わったのか、その秘密がわかる内容です。
ニューヨークのベッドフォードや、パリのマレ地区、土井が住むことになる大阪の中崎町など、世界中を旅した経験から、今、若い人たちが訪れる街には共通点があると確信していますが、この円頓寺商店街も、まさに「成功のポイント」を押さえていると感じています。
地域を愛する、一人の建築家を中心に始まった一大ムーブメント。
そして、経営に役立つ視点。
さっそく、ポイントをチェックして行きましょう。
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今を生きるということは「今の時代に間に合う仕事」をせにゃいかん。お客さんや時代が求めることはどんどん変わっていく。商店街の商売も時代に間に合う仕事になっていなけりゃだめだったんだ、ってね
まず誰かがエンジンになって動く。するとその車体になっているみんなが一緒になって動いてくるんだ
古い建物を見てきとる人たちというのは、やっぱりその建築の歴史に愛着がある。古い建物に住んで、柱の傷とかもこれが人生だね、ということを感じる人は簡単に建物を壊せえへん。僕自身も簡単に壊せん。どんなふうになっとってももう一回起こしてあげたりたいな、と思ってしまうんです。その気持ちがあることが、空き店舗を持っている大家さんと話すときはプラスになったかもしれません
プランを考えるときに留意したのは次の二点である。
・新しい店が、今ある老舗の営業の邪魔にならないこと
・客が近隣の大きな商業地である名古屋駅を飛び越えても来たいと思う店であること
貸せるようにするにはどのぐらいの改修やそのための投資が必要か、それは家賃でどのように回収できるのか、ということも説明した
「名古屋で『ここ行ったら面白いよ。ここにぜひ行ってみてね』と自慢できるところが数少なかったんです。だから円頓寺商店街を友達に自慢できる、友達を誘いたくなる場所にしたかったんです」
江戸時代の米蔵が日本酒バーに
駅近でないことがハードルになるような店では成り立たない
◆重要視していた4つのこと
・老舗 今まで長くここで商売をしてきた店
・名物 商品だけでなく、名物商店主も含む
・街並み 歴史ある街並みだけでなく「残したい」と感じる街並み
・お祭り この街ならではの祭りで人が集まる
◆秋のパリ祭
航空会社のエールフランスには、タブロイドの冊子に名前を載せさせてもらった。もちろん広告料などなしで、ただ載せさせてもらっただけである。そして、自動車メーカーのシトロエンには、会場に車を並べてもらうことになった
◆クラウドファンディング
受けられるリターンは円頓寺に通うことが前提の内容
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正直、『キリンビール高知支店の奇跡』に比べると、ビジネス要素が少なく、学びという意味ではイマイチです。
もっとビジネス視点で分析できていれば面白かったのですが、安易にヒューマンドキュメンタリーに走った感じがして、そこがマイナス要素です。
とはいえ、この手のケーススタディは希少。次回名古屋に行った時は、バッチリ視察して来ようと思います。
ぜひチェックしてみてください。
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『名古屋円頓寺商店街の奇跡』山口あゆみ・著 講談社
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◆目次◆
プロローグ シャッター街はなぜ甦った?
第一章 過去の栄光が目を曇らせる
第二章 空き家はいかにして話題の店に変身したか
第三章 祭りとアーケード、ふたつの挑戦が街を変えた
第四章 一〇年がかりの復活のドラマ
エピローグ~オリジナリティが活路を拓く
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