【傑作です】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4295003387
本日ご紹介する一冊は、Amazon Kindleで驚異の1万ダウンロードを突破した異色作の、待望の書籍化です。
もともとは現役経済記者である著者が、娘のために書き下ろしたもので、この「金融・経済系学園ドラマ(?)」という珍妙なスタイルは、著者が飽きっぽい娘たちに読ませるための苦肉の策だったそうです。
中学校2年生になった主人公の「僕」が、まったくそろばんを使わず、経済やおカネの仕組みだけを教える謎のクラブ「そろばん勘定クラブ」に入部するところから、ストーリーが始まります。
クラブの顧問は、身長2メートルの大男で、金融機関のクオンツだったという、謎の人物。
そこに、町一番の大富豪の娘が加わり、おカネの授業が始まる…。
「あなたのお値段、おいくらですか?」から始まり、
かせぐ
ぬすむ
もらう
この3つ以外に、お金を手に入れる方法を3つ挙げなさい
など、知的好奇心を刺激する内容で、楽しいストーリーを読み進めていくうちに、おカネの原理から、職業の意義、正しいカネの借り方、ピケティの理論、信用創造まで学べてしまうという優れモノです。
中学生以上のお子さんがいらっしゃる方なら、ぜひ読ませてあげてください。きっとおカネの英才教育になること、間違いなしです。
さっそく、ポイントを見て行きましょう。
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サラリーマンは勤め先選びがすべてと言ってもいい。世界一の投資家と言われるバフェットというおじさんがこんなことを言っています。『やる価値のないことなら、うまくやる価値もない』。ダメな会社の中でいくらがんばっても、世の中の役には立たないってわけです
我々の社会は資本主義という仕組みを採用しています。そのもっとも大事な土台は、社会に貢献した企業や人が正当な評価を受けること、です
ATMを最後に、銀行の発明したものは人類に貢献していない
一人ひとりが生み出す富が増えるか、人口が増えれば、世界は豊かになる。だから、人間、フツーで十分なんです
持ち場を守る
稼ぐカネの多寡で人間の存在意義を測るなんて馬鹿げた話です。人間に対する冒涜です。GDPが増えるか減るかで人を切っちゃいけない
遅れてきたメンバーはひとまず合意済みとみなす。ひとまず、というのがミソです。不満ならルールを変えればいい。それが民主主義です
ビャッコさんの申し入れの態度は大変立派でした。借金という行為を支えるのは、突き詰めると借り手の信用です。信用してもらえる態度を示すのは借金の基本です
『借りる』と『ふやす』。裏表の関係のこの二つが成り立つには条件があります。借金に付きモノの金利というコストを吸収する『かせぐ』の裏付けです。それがない限り、カネなんて借りるもんじゃない
昔の偉い銀行家が『貸すも親切、貸さぬも親切』という名言を残しています。借りちゃいけない人には貸さないほうがその人のためになる。とても深いお言葉です
追いかけちゃいけない。自分の道を行くのです。遠回りにみえて、それが一番の近道です
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Kindleで1万ダウンロード突破というのは、電子書籍にしてはかなりすごい実績ですが、読んでみて、その理由が納得できました。
しっかり最後にオチまでついています。
ちなみに、お金を手に入れる「6つの方法」ですが、
かせぐ
ぬすむ
もらう
かりる
ふやす
???
最後の6つ目がわからない方は、ぜひ読むことをおすすめします。
これは、Kindleから出た、傑作ですね。
今後、電子書籍からこういう優れた作品が出てくれば、いよいよ本格的に電子が盛り上がるかもしれません。
出版関係のみなさんも、ぜひチェックしてみてください。
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『おカネの教室 僕らがおかしなクラブで学んだ秘密』
高井浩章・著 インプレス
<Amazon.co.jpで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4295003387/
<Kindleで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B07BHM3MMW/
<楽天ブックスで購入する>
http://bit.ly/2GKOvra
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◆目次◆
<4月>
1時間目 そろばん勘定クラブへようこそ
2時間目 お金を手に入れる6つの方法
3時間目 役に立つ仕事 立たない仕事
<5月>
4時間目 リーマンショックはなぜ起きた
放課後 図書室で会いましょう
5時間目 もうけは銀行家、損は国民に
放課後 先生とお父さんは同級生?
6時間目 いる? いらない? 最古の職業
7時間目 戦争と軍人
<6月>
放課後 似たもの親子 似てない親子
8時間目 「フツー」が世界を豊かにする
放課後 GDPとフツーの微妙な関係
9時間目 キーワードは「持ち場を守る」
放課後 健康で文化的な最低限度の家族団らん
10時間目 資本主義・社会主義・民主主義
<7月>
11時間目 働くということ
12時間目 「タマゴ」がわかれば世界がみえる
放課後 たかが500円、されど500円
13時間目 お金の借り方、教えます
放課後 宿題は借金100万円
14時間目 貸すも親切 貸さぬも親切
放課後 お金を「ふやす」は無理難題?
<8月>
15時間目 低金利の真犯人は「市場の力学」
16時間目 株式投資と「神の見えざる手」
17時間目 貧富の格差が広がる理由
放課後 福島家のいちばん長い日
放課後 アイスクリームのお返し
18時間目 6番目の方法
<9月>
課外授業
あとがき
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