【あの『ヤバい経済学』に続編登場!】
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本日の一冊は、人間の「インセンティブ」と、それが経済・社会に及ぼす影響を取り上げ、一躍ベストセラーとなった『ヤバい経済学』、待望の最新刊。
※参考:『ヤバい経済学』
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アメリカにおいて中絶の合法化が犯罪を激減させたという話にはじまり、相撲の八百長をデータで証明するなど、刺激的なトピックが満載だった前作に引き続き、今回も過激なトピックがいくつも用意されています。
酔っぱらった時は、千鳥足で歩いて帰るよりも飲酒運転した方が安全、インドでHIV/AIDSの感染率が高いのは、インド人男性のペニスが小さいから、稼ぐ売春婦になる方法など、とんでもないトピックが続き、前回同様、刺激的な内容になっています。
また、社会心理学の教科書では決まって出てくる「ジェノヴェーゼ嬢殺害事件」の信憑性を疑うあたりは、さすが。
読めば、知的態度が叩き込まれる、そんな一冊に仕上がっています。
ただ、「人間理解」「洞察」という点で画期的だった前作に比べ、今回の作品は、「意外な事実」に終始している感があり、また紹介されている事例も、社会心理学の教科書などを読んでいる人には、既知の内容が多かったように思います。
とはいえ、ユーモアあふれる語り口と刺激的なトピックは、読んでみて損はありません。
ぜひ読んでみてください。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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酔っ払って車を運転すると、しらふのときの13倍も事故を起こしやすい。それなのに、いまだに酔っ払って車に乗る人がたくさんいる。アメリカでは、死亡事故全体のうち30%以上は少なくとも1人、酔っ払い運転が絡んでいる
酔っ払い運転2万7000マイル当たり、逮捕は1件だけだ
1マイル当たりでは、酔っ払って歩くと酔っ払って運転するのに比べて死ぬ可能性は8倍もの高さになる
インド人男性の約60%はペニスが小さく、世界保健機関の規格で作られたコンドームが合わない
人が数え切れないぐらいいろんな点で非典型的である複雑な世界であっても、基本を見つけることには大きな価値がある。それに、平均的に起きることを知っておくといい出発点になる
政府はだいたい、モノやサービスを消費する人たちよりも供給する人たちを罰するのを好む。でも、供給する側を牢屋に放り込めば希少性が生じ、必然的に価格は高くなり、供給する側になろうという人がもっと市場に参入してくる
毎年の夏、7月4日の独立記念日の前後になると、ワシントンパークはピクニックやパーティに集まった親族一同やなんかの大人数のグループでいっぱいになる(中略)ワシントンパークの売春婦の需要は毎年この時期になるとロケットみたいにすっ飛ぶ。そして、売春婦たちは、いい事業家なら誰だってやることをするのだ。料金を約30%引き上げ、残業として取れるだけ客を取るのである。とても興味深いのは、そんなふうに需要が跳ね上がるせいで、特殊な種類の労働者が現れたことだ。1年の間ずっと売春とは無縁の生活を送り、この売春婦が引っ張りだこの時期だけ他の仕事をほっぽって春売りに精を出すのである
女性は男性より、受講するファイナンスの講座数が少ない。他の条件が全部同じ場合、ファイナンスの知識があるかないかは生涯賃金と強い相関を持つ
断食月にお母さんのおなかにいた赤ん坊は、発育に影響が出る可能性が高いのがわかった
ある要因一つがあればメジャーの選手になる可能性はそこらにいる男の子の800倍にもなるのを知っておいたほうがいい。こんなに強力に影響するものっていったいなんだろう? お父さんがメジャー・リーグの選手であることだ
近年、ゴミの回収代金をゴミの分量に基づいて決めるようになった政府があちこちにある。ゴミが1袋増えればその分回収代金が高くなるようにすれば、それがゴミを出さないようにするインセンティヴになるんじゃないか、そう考えたわけだ。でもこういう料金体系だと、ゴミを袋がパンパンになるだけ詰めこむとか、単純に森に捨てに行くとかといったインセンティヴも生まれる
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『超ヤバい経済学』スティーヴン・D・レヴィット、スティーヴン・J・ダブナー・著 東洋経済新報社
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◆目次◆
説明のためのノート 前の本でウソついてた件
序章 経済学が「ヤバい」とは
第1章 立ちんぼやってる売春婦、デパートのサンタ、どうしておんなじ?
第2章 自爆テロやるなら生命保険に入ったほうがいいのはどうして?
第3章 身勝手と思いやりの信じられない話
第4章 お悩み解決いたします―安く簡単に
第5章 アル・ゴアとかけてピナトゥボ火山と解く。そのこころは?
終章 サルだってヒトだもの
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