2017年7月29日

『その企画、もっと面白くできますよ。』中尾孝年・著 vol.4756

【企画を面白くする技術】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4883354024

最近、大企業から企画の相談をされるため、ちょっと気になってBtoBの企画本を読んでみました。

本日ご紹介する一冊は、広告史に残る話題作となった、アイスの実「AKB48江口愛実登場」を手掛けた電通のクリエイティブ・ディレクター、中尾孝年さんによる一冊。

どう頭を使えば面白いものが考えつくのか、提案はどのようにするべきなのか、アイデアを伝播させるにはどのように仕掛ければ良いのか、著者の「勝利の方程式」が書かれています。

著者の目のつけどころはもちろん面白いのですが、それ以上に、情報の広め方が参考になりました。

各メディアにあえて同じ素材を提供しないやり方、「発信する情報」と「発見させる情報」の2種類を用意する、「欲求不満と解消の繰り返し」などは、さっそく試してみようと思います。

著者が実際に手掛けた事例も丁寧に紹介されており、とくにアイスの実「AKB48江口愛実登場」や、サノヤス造船「造船番長」の事例は興味深く読ませていただきました。

さっそく、気になった部分をチェックして行きましょう。

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「たった一つの答えを探す」、この頭の使い方がダメ!

99+1=?、こういう頭の使い方じゃなくて……
?+?=100、こういう頭の使い方!

◆「面白い」を実現するC・C・C型提案
C・C・C型提案とは、個々の案の守備範囲はたしかに広くないですが、各案に世の中を動かす企画力がある提案方法です。つまり、どれを採用されても成果が上がる可能性のある、まったく違う趣向性の3案になるのです

「面白い」を感覚で説明しないこと。何かにたとえてみたり、何かと比較してみたり、様々な方法を駆使して「面白い」をわかりやすく論理的に説明します。感覚ではなく論理として理解できれば相手の不安はなくなり、その「面白い」案は通ります

テレビと比較して無法地帯であるWebの世界にはきちんとした秩序が存在していません。と同時にWebの世界ではタブーとされることのハードルがテレビよりも遥かに高い。つまり、Webが急激に発展したことと、テレビを見ずにWebを見る世代が登場したことが、オモロイと感じるタブーの境界線をグンと引き上げてしまった

そしたら女の子の会話が聞こえてきたんです。
女子A:B子ちゃんの目ってパッチリしてて羨ましいな~
女子B:何言ってんの。A子の鼻もカワイイよ、私と交換してよ~
と。こ、これや!
【僕が考えた企画=アイデア】
AKB48メンバーの顔のパーツを組み合わせて新しいメンバーを作る。そして商品名でデビューさせる

各自の情報に差異がある方がその真意を確かめる為に情報交換が活発になる! この傾向を利用して、さらにダメ押しをしました。各メディアに同じ素材を提供せずにあえて情報格差を作って報道合戦を誘発したのです

フレンチの鉄人で有名な坂井宏行シェフを仕掛け人にして、スイーツだと言ってパピコをそのまま出してみると、みんなはどんな反応をするか? というドッキリ企画

リーゼント頭がタンカーになっているキャラクター「造船番長」を作ってコミュニケーションする。普通の広告じゃなくて、学生が大好きな漫画でコミュニケーション。しかも、工業高校のやんちゃな男子が大好きな学園番長モノ

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もちろん中小零細企業には、著者が行ったような芸能人を使った大がかりなキャンペーンは難しいですが、それでもアイデア創出、広めるための努力は学ぶべきところでしょう。

各プロモーションキャンペーンの写真も丁寧に掲載されているため、リアルタイムで広告を見れなかった方にも理解しやすいと思います。

ぜひチェックしてみてください。

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『その企画、もっと面白くできますよ。』中尾孝年・著 宣伝会議

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◆目次◆

はじめに 「面白い」は世の中を動かす無尽蔵のエネルギー
1.ビジネスにおける「面白い」とは何か
2.「面白い」を機能させる
3.面白くする技術・実践編~「面白い」で様々な課題を解決する~
4.面白くする技術・心構え編~みんなが陥りやすい罠~
5.そして、あなたが面白くなる!~これが「面白い」の最後の仕上げ~
おわりに 新しい「面白い」を創造する仕事

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