2017年3月9日

『「週刊文春」編集長の仕事術』新谷学・著 vol.4614

【当然「買い」です。】
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本日ご紹介する一冊は、連続スクープで快進撃を続ける「週刊文春」の名物編集長が、そのスクープの秘訣、企画術、仕事術を綴った一冊。

明日発売だというのに少々フライング気味ですが、多くの書評家が同じことを考えているらしく(笑)、アマゾンのランキングも上がってきています。

本書には、編集長・新谷学氏に影響を与えた「黒幕」や、「伝説の編集長」からの教え、そしてこれまでに取材した著名人の裏エピソードが次々と登場し、読んでいて退屈することがありません。

メディアや企画に携わる人であれば、そのヒットの手法、取材法から多くを学ぶでしょうし、ビジネスパーソンであれば、その人心掌握術、人脈術に引き込まれるでしょう。

とはいえ、本書の中心はノウハウやスキルではありません。

成果の影に努力あり。

安易なノウハウを期待していた人にとっては、仕事の原点を見直す、良いヒントになるに違いありません。

土井も、なぜこの業界に入ったのか、何のためにビジネス書に携わっているのか、その理由を見直すきっかけとなりました。

読めば読むほどテンションが上がる一冊。

さっそく、ポイントをご紹介しましょう。

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企画を考える上で大切なのは、常に「ベストの選択」をすることだ。「この人を落としたらすごいぞ」「このネタが形になったら世の中ひっくり返るぞ」と思ったら、そのベストの選択肢から絶対に逃げないことだ

週刊誌に限らず、あらゆるビジネスにおいて「自分でリングを設定し、主導権を握ったところ」が勝つ

私は、小学生の頃からあだ名をつけるのが得意だった。あだ名をつけるには、少し残酷な言い方だが、みんなが何となく感じているけど、相手にとっては触れられたくないところをピンポイントで突いて、極大化することだ。そういうあだ名は定着するのだ

多くの人を代表して聞くのだから、やはり聞くべきことはきちんと聞かなければならない。その場で相手を気持ちよくさせて、迎合することが仕事ではない

菅義偉さんが官房長官としてあれだけ高い評価を受けているのはなぜか。菅さんのもとで働いている人たちに話を聞くと、共通して返ってくる答えがある。「菅さんの指示にはゴールがある」と言うのだ

私にとっての目標は「週刊文春としての勝利」であり「現場に好かれること」ではない

依怙贔屓をしてしまうと、それ以外の人のモチベーションが下がる。「自分だって来週はヒーローになれるかもしれない」と思うからみんな頑張れるのだ

リーダーの首は組織を守るためにある

タブーを撃つ。それこそが週刊文春が読者の信頼を得る方法なのだ

私が判断を下すとき、大切にしている三要件がある。正当性、合理性、リアリズムである

「ジャーナリストは『ことあれかし』だ」というのは立花隆さんの名言である。「ことあれかし」とは、「何かが起きないかな」と期待する気持ちだ。逆に「ことなかれ」はジャーナリストの敵だ

幹を太くするものに関しては積極果敢に取り組むが、幹を細くする恐れのあるものは徹底的に排除する

強いコンテンツがあれば主導権を握ることができる

なんでもPV数でランキング化してしまう「ネット民主主義」には、悪貨が良貨を駆逐するリスクが常にともなう

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話のネタが、日本中を騒がせたスキャンダルだったり、「超大物」だったりするので、読み応えが半端ない。

週刊誌の編集長なので、当然文章も上手く、ぐいぐい引き込まれるように完読しました。

ぜひおすすめしたい一冊です。

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『「週刊文春」編集長の仕事術』新谷学・著 ダイヤモンド社

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◆目次◆

はじめに 私が「仕事術」よりも大切にしていること
第1章 全てのビジネスは「人」から始まる 情報/人脈
第2章 予定調和はおもしろさの敵である 企画/発想
第3章 難攻不落の相手から「YES」を引き出す 依頼/交渉
第4章 ヒットを生み続けるチームはこう作る 組織/統率
第5章 リスクを恐れず壁を突破する 決断/覚悟
第6章 「売れない」時代のマーケティング 戦略/本質
おわりに フルスイング主義で行こう

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