【ジブリ鈴木敏夫が新人に教えたこと】
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人間に学習能力というものがあるとしたら、それは自分をまっさらにする技術、つまり「素直さ」なんだと思います。
素直な人が、一流の方から学べば、能力は必ず伸びる。
にもかかわらず、多くの人が一流か二流かではなく、好き嫌いで学ぶべき対象を選び、選んだ後も素直に学べないまま、学習適齢期を過ぎてしまうのです。
本日ご紹介する一冊は、働き始めたばかりでまだ何も持っていない若いみなさんへ、ぜひおすすめしたい仕事本。
スタジオジブリで鈴木敏夫さんに「3年間、俺のマネだけしてろ!」と言われたアニメプロデューサー、石井朋彦さんが、どうやってデキる人に変わったのか、エピソードと鈴木氏の教訓が書かれています。
一生懸命抵抗する著者に、鈴木氏が浴びせる理不尽な教訓が面白く、ブラック企業でいままさに苦しんでいる最中の読者でなければ、きっと笑いながら読めると思います。
いろいろと勉強になりますが、とりわけ面白かったのは、鈴木氏のセリフの部分。
「自分の意見を捨てろ」
「人を肩書きで判断しろ!」
など、一見理不尽な言葉が並んでいますが、その意図するところは、なるほどと納得させられます。
さっそく、いくつか気になる部分を見て行きましょう。
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「若いっていうのは、まわりからは何も期待されていないということなんだ。それを自覚することがいちばん大事。若いときにしかできない仕事というものがある。それは、自分の意見を持たないこと。だれも君がいいことを言うなんて期待していないし、若い人の意見が必要なときは、おれが聞くから」
「何か言おう、言おうって思っていると、人の話が聞けなくなる」
「宮崎駿という人は、高畑勲という人の下で20年間、真似をし続けた人なんだ。考え方や立ち振る舞い、話し方。字まで真似たんだよ」
「そんなのは関係ないの。自分にとっていい人か、悪い人かっていうのはどうでもいい。大事なのは、相手が『どういう立場にいて、何ができる人なのか』ということなんだ。だから肩書きを見る。そして、その人と、これからどのような仕事ができるのかを客観的に判断する」
「よく、同世代で飲み会をやって、将来の夢を語っているのがいるでしょ。ああいうのがいちばんくだらない。決定権がない人間同士が愚痴を言っているだけ。おれは昔から、同世代とはほとんど仕事をしてこなかった。同世代とできる仕事なんてたかがしれてるんだよ!」
小さなプライドのために心を閉ざし、自分にしがみつきそうになっているとき、自分にこう問うようにしています。
「そのプライドを守って、自分が停滞している時間に、相手はどれくらい先を走ることになるのだろうか?」
「いまの自分のやり方の先に、劇的に状況を変える可能性が、どれくらい残されているのか?」
「求められたとおり、やってみる」
これが、「自分を捨てる仕事術」の基本の考え方なのです
本題に入る前に必ず「枕」から話し始める
自分がいまつくろうとしている作品の「大義名分」に重なる部分が見えてきた瞬間を見極めて、「いまおっしゃった御社の目標と、ぼくたちがつくろうとしている作品とは、大きな関わりがあるように思います」と、切り出すようにしています
いいことほど、「相手が言ったこと」にする
「急がなければならないことほど、ゆっくりやれ」
「急がなくていいことほど、早くやれ」
「自分から遠いスタッフほど、大事にしろ」
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映画『千と千尋の神隠し』で、鈴木氏がどうやって宣伝コピーを作ったかなど、裏舞台も書かれており、マーケティングの視点からも興味深く読めます。
鈴木氏の書き方・話し方の秘密なども書かれているので、こちらはぜひ、読んでいただきたいところです。
立川談春さんの『赤めだか』が好きな人は、きっと気に入る内容だと思います。
※参考:『赤めだか』
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ぜひチェックしてみてください。
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『自分を捨てる仕事術』石井朋彦・著 WAVE出版
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◆目次◆
第1章 自分を捨てて他者を真似る
第2章 鈴木敏夫が教えたエゴを手放す仕事のメソッド
第3章 自分を捨てると人が見える
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