【できる大人の雑学】
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チリといえばワイン、イギリスといえば紅茶、ハリウッドといえば映画と、世界には特定分野で広く知られる国や町がありますが、その由来についてはご存じでしょうか?
ちなみにチリでワイン製造が盛んになったのは、1850年代、ヨーロッパでフィロキセラというブドウの木に巣食う害虫が大量発生したのが原因。フィロキセラの被害を受けないチリにヨーロッパの醸造家たちが渡り、ワイン造りが盛んになったのだとか。
イギリスで紅茶が盛んになったのは、インドを植民地にしたことと、イギリスの地方では紅茶になじむ軟水が取水できたため。
そして、ハリウッドが映画で知られるようになったのは、晴天続きでロケが容易なためでした。
このように、世界の国や町には、知っておくべきストーリーがあり、これらのストーリーは、ビジネスパーソンにとっては必須教養と言ってもいいでしょう。
この必須教養が手軽に学べるのが、本日ご紹介する『地理の話大全』。
前半部分で世界の地理を、後半部分で日本の地理を学べるように構成しており、読めば出張の雑談ネタになること、うけあいです。
どんな内容が書かれているのか、さっそく見て行きましょう。
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全世界の人口に占める信者の割合でいうと、キリスト教徒が32.9%で、イスラム教徒が19.9%、それに対して仏教徒は5.9%しかいない。意外に思われるかもしれないが、仏教徒は、13.3%のヒンドゥー教徒よりも少なく、世界で4番目となる
寒冷地ではアルコールは生活必需品。昔からアルコール度数の強い酒を飲んで、体を中から温めて寒さをしのぐ習慣が広まっていた。
(中略)
豚肉のタブーには耐えられても、禁酒には耐えられない。それが、イスラム教が寒冷地に広まらなかった大きな理由ではないか
「ウォレス線」は、イギリスの博物学者アルフレッド・ウォレス(1823~1913)の名前にちなんでつけられた境界線のこと(中略)彼は、現在のインドネシア西部にある島には、アジア系のゾウやトラが見られるのに対し、マカッサル海峡(カリマンタン島とスラウェシ島間の海峡)と、ロンボク海峡(バリ島とロンボク島間の海峡)とを結ぶ線の東側には、オーストラリア系の有袋類が見られることを発見した。動物相が異なるこの二つの地域をへだてるのがウォレス線である
シルドンは石炭の集散地として知られた町で、その9マイル南にあるダーリントンは織物を中心とする工業の町。ストックトンはディーズ川下流にある港町だ。最初の鉄道はこれらの町を結んで石炭を運び、イギリスの産業革命の一端を担ったのである
北回り航路への挑戦は、17世紀初頭まで何度も続くが、その都度多数の犠牲者が出ている。結局、第3の航路探索プロジェクトは失敗に終わったのだ。ところが近年、新たな状況が生まれつつある。地球温暖化によって海氷が減ったことで北極海航路が現実のものとなりつつあるのだ。今後は北極海が太平洋と大西洋をつなぐことになるかもしれない
(ベトナムでは)「グエン」姓の人が、国民全体のじつに40%を占めている。「グエン」姓が圧倒的に多いのは、19世紀から第二次世界大戦後までのグエン朝時代に、王室と同じ姓を名乗ることが許されたからである
その銅を背景に、キプロス島は、紀元前1600年から1050年にかけて、オリエントの商業中心地として発展していった。その時代、周辺の島や国にとっては、銅といえばキプロスであり、いつしか銅を指すとき、「キプロス」と呼ぶようになった。キプロスは、ギリシャ語では「Kypros」だが、英語では「Cyprus」と綴る。その「Cyprus」から「コパー(copper)」という単語が派生したのだ
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地理のランキングや数字は毎年変わるため、昔学校で学んだ常識が変わっていることがしばしばあります。(ちなみに現在、カカオ生産量世界一はガーナではありません。コートジボワールです)
本書を読んで最新数字をアップデートすると同時に、各国の歴史、文化について学び直してみてはいかがでしょうか。
週末、手軽に読みたいビジネスパーソンのための雑学本です。
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『地理の話大全』おもしろ地理学会・編 青春出版社
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◆目次◆
第一部 裏のウラまでよくわかる世界地理
1.世界地理
2.アジア・中東
3.南・北アメリカ
4.ヨーロッパ
5.アフリカ・オセアニア
第二部 裏のウラまでよくわかる日本地理
1.日本地理
2.北海道・東北
3.関東
4.中部・北陸・近畿
5.中国・四国・九州・沖縄
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