【宋文洲が説く会社員の哲学とは?】
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本日の一冊は、ソフトブレーンの創業者であり、ベストセラーとなった『やっぱり変だよ日本の営業』の著者でもある宋文洲さんが、ビジネスに役立つ考え方、哲学をまとめた一冊。
※参考:『やっぱり変だよ日本の営業』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532194873/
もともとは、「夕刊フジ」連載の「宋文洲の会社員の哲学」はじめ、「宋文洲のメールマガジン」、ウェブ連載の「宋文洲の『ちょっと違うよ、社長!』」をまとめた内容だそうですが、相変わらずシニカルな視点が冴えています。
日本の大企業で社長になることが、いかに割に合わないかを説いてみたり、「趣味を仕事にする」という主張に対し、反論してみたり、また日本人が美徳とする「真面目」に対しても、不寛容を招くといって否定する…。
一見、ただのひねくれ者ですが、その主張の軸には、経営の王道、働くことの本質が、きちんと含まれています。
雇用の安定は一企業だけで実現するものではなく、経済社会全体で実現する。そのために個人は常にニーズに沿う自己改革を成し遂げる、など、現在の日本人の考え方を根本から変えてくれる、ユニークな議論が満載です。
プロフェッショナルとして生きるために、また勝つ経営を行うために、そして何よりも充実した人生を歩むために、ぜひ読んでおきたい一冊です。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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若いうちに社長の苦労を経験すれば、その苦労は経営者としての苦労であり、財産になります。自分の会社を経営していくと、会社のオーナーになり財産が残ります。他人の会社を経営すると、プロとしての実績が残り、これも転職時の財産になります。ところが、大きな会社のサラリーマンを数十年やって体力がなくなった時に社長になると、大変な目に遭います
趣味だと思った瞬間、覚悟が薄れていきます。仕事とは好き嫌いを乗り越えて結果を出すことです
雇用の安定は、一個の企業によって実現するものではありません。経済社会全体の活発な経済活動によってのみ実現できます。そのために企業は改革を継続し、時代に沿う新しいビジネス(イノベーション)を作り出すことに専念すべきです。これに対して社員は、無意味に一個の企業による長期雇用にこだわるのではなく、常にニーズに沿う自己改革を成し遂げることが王道です
社員というものは、一定の数を超えれば、その良し悪しは必ず世間の平均に近づきます
極端な真面目は人の柔軟性を失わせ、発想を狭め、寛容性を奪う
リピート客に依存しないのが流しのタクシーですから、ドライバーは客に気を遣っても走賃は増えません。しかし、キャンディーを用意して親切に接客するドライバーは、例外なく平均より二割以上も多く収入を得ています(中略)彼らが二度と会わない乗客に親切をするのは自分のためです。自分の心の太鼓を叩き続け、プロとしてプライドを呼び覚ましているのです
「勝負強い」とは負けにも強いこと
「努力は報われる時もあれば報われない時もある」。この現実を前向きに受け入れる人こそ、信念の人であり、リスクを取り、変化に柔軟になり、他人と社会に寛容になれるのです
本当にマネジャーになりたいならば、まず自立心を磨くべきです
いつの時代も同じですが、戦う組織の愛情は勝利という形でしか表現できません。ついていく上司は優しい上司ではなく、自分を強くしてくれる上司でなければなりません
他人の話を参考にしながら、真実はほかのところにあることを知るほうがもっと重要
半分のワインボトルをうれしく見つめながら、愛している人とそれを分かち合う。そんな人間になりたいものです
人に一切の借りも作らない、人に何も求めない人間は、自立しているとは言えません。自立とは自分だけで成り立つという意味ではなく、人と世間に尽くすことで自分も生かされる状態です
批判精神は大切ですが、それには「批判する精神」以上に「批判される精神」も持ち合わせないと歪な批判精神となります
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『仕事ができる人は「負け方」がうまい』角川学芸出版 宋文洲・著
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◆目次◆
はじめに
第1章 負けに強い人こそ、本当に勝負強い人
第2章 「やる気」「人材」「愛社精神」だけでは、業績は良くならない
第3章 「人と違うこと」は、恥ずかしくない
第4章 幸せは「気付くこと」と「家族」から生まれる
第5章 「正義」とはなにか、「常識」とはなにか
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