【超おすすめ。飲食店経営の成功法則】
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成功する起業家を研究していると、どの方も以下の2つがきちんとできていると感じます。
・戦略がユニークである(他者とは違う考え方)
・ビジネスを考える際の手順がしっかりしている(成功する王道)
戦略のユニークさは、現在の市場を観察することで生まれると思いますが、手順は、経済学あるいは数学が教えてくれます。
実際には、経済学的な観点で、どうすれば独占状態を作ってプライスリーダーになれるのかを考える。そのために市場を観察し、計算し、戦略を立てる、というステップを踏むべきでしょう。
ユニークさは、おそらくそこから生まれてきます。
最近は、「俺のイタリアン」「俺のフレンチ」や「いきなりステーキ」など、食材費を上げて回転率を上げる業態がブームですが、以前からこの食材費を上げるアプローチに言及していた飲食コンサルタントがいました。
それが、本日ご紹介する『飲食店開業・経営の成功メソッド』の著者、鬼頭宏昌さんです。
鬼頭さんは、25歳の時からわずか6年間で年商20億円の外食チェーン店を築き上げ、31歳で事業を売却、その後外食関連のフランチャイズ本部として、とんかつや中華の宅配事業を立ち上げたほか、結婚相談所、トレーニングジム、福祉事業なども幅広く手掛けています。
いままでに出された本も、素晴らしいものが多いですが、この『飲食店開業・経営の成功メソッド』は、なかでも飲食店開業・出店の戦略がよく書かれていて、すべての起業家に読んでほしい中身のある一冊です。
それでは、さっそくポイントを見て行きましょう。
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市場規模が大きくて大手企業の寡占の緩い市場は参入先としては有望
業界最安値圏の市場が大手チェーンの進出によって成熟してくると、必ずもう1ランク上の価格帯の市場が成長を始めます
市場規模の小さいニッチな業態の場合は、商圏人口の多い町に出店することが絶対条件
居酒屋の集積地から駅に向かう道に店がないと、二次会の需要を取り込むことはできない
市場規模が3億円未満の小さな市場には大手企業は参入してこないので、断トツでナンバーワンの独占状態を作ることができます
市場規模が大きく大手の寡占が緩い市場の代表は、居酒屋、ラーメン店、そば店あたりですが、その市場を細分化していく必要がある
お店として本当に来てほしい優良顧客が同席を嫌がるような客層は極力排除すべき
競争力をメニューに求めて成功した飲食店は他店舗化が可能ですが、競争力をサービスに求めて成功してきた飲食店は、他店舗化の段階で失敗します。それは、サービス力は属人性が高すぎるからです
気に入った料理人を見つけたら商品開発員としてスカウトする
メニューの数はいくつ増えてもいいのですが、食材の数は増えると困ります
現代の飲食店経営においてベンチマークをする際の視点は、SNSでの拡散が見込める商品かどうか
飲食店において、最も大きな経費は原価ですが、原価率を管理するときに重要なのは、ロスをなくすことです。ロスが出る要因は、廃棄ロスとオーバーポーションです。ロスをなくすには、この二つをなくしていけばいいのですが、それは適切な発注作業とレシピの順守によって実現が可能です
私が店長の勤務姿勢を見るときに観察するポイントは、仕込み時間に電気や音楽がつけっぱなしかどうかです。つけっぱなしの店長はコスト意識が低いので、赤字店舗から移動させます
◆飲食店の広告の反応を高めるポイント
・流行に乗っているメニューを打ち出すこと
・おいしそうな写真を使うこと
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どの市場を狙うかから始まり、小さなニッチを独占する、差別化する、コストを管理する、集客する、他店舗化する、組織化するまで、起業家が学ぶべきすべてが、飲食店を例に書かれています。
「飲食店経営の本だから、自分には関係ない」ではなく、ぜひ戦略思考のトレーニングと思って、学んでほしい。
サラリーマンでも、これがわかれば、社内ベンチャー、新規事業立ち上げできっと貢献できる人材になるはずです。
ひさびさに、興奮した一冊です。ぜひ読んでみてください。
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『飲食店開業・経営の成功メソッド』鬼頭宏昌・著 かんき出版
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◆目次◆
CHAPTER1 リスクの少ない市場と立地を選ぶ
CHAPTER2 差別化戦略の基本を知る
CHAPTER3 メニュー開発で強い店を作る
CHAPTER4 集客と販売戦略を立てる
CHAPTER5 店の数字を管理する
CHAPTER6 赤字店舗を再生する
CHAPTER7 多店舗展開を成功させる
CHAPTER8 成長する組織を作る
CHAPTER9 経営スキルを磨く
CHAPTER10 飲食店を取り巻く新潮流を知る
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