【カリスマ編集者・作家による人生バイブル】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062197103
仕事がら、たくさん自己啓発書を読んできましたが、ざっくり言って自己啓発書には2つのタイプがあります。
ひとつは、言葉が立っていて、思わず感動してしまうタイプ。もうひとつは、何気ない言葉なのに、妙に行動につながるタイプです。
本日ご紹介する一冊は、どちらかと言えば後者のタイプ。
16年間、親交を絶っていたという幻冬舎・見城徹氏と林真理子氏の共著による、『過剰な二人』です。
秋元康氏はじめ数多くの著名人に絶賛された、「週刊朝日」の対談を冒頭に収録し、後半は二人が交互に成功や人生、執筆について語って行くという内容で、ちょっと変わった自己啓発書です。
お二人のこれまでの作品と比べると、言葉の力は弱いのですが、具体的アドバイス、エピソードがキャリアの参考になります。
<成功したいと思ったら、どこが空いているかをまず考えるべき>という林真理子氏のアドバイス、<会ったことのない人に手紙を書くときの鉄則は、相手に刺激や発見をもたらすこと>という見城徹氏のアドバイスは、下手なビジネス書より役立つと思います。
既出の内容が多いため、お二人のファンにとっては不満なところもあるようですが、個人的にはヒントの多い作品でした。
いくつか、ポイントとなる部分を見て行きましょう。
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傍らにいた、林真理子と親交のある男性に、「見城がどうしてもお詫びをしたいので、そちらに出向くのを受けて頂けませんか」という伝言を託した。その男性が、彼女の答えを持って帰ってくるより先に、僕の目の前に林真理子が立っていた。「私が来るべきだと思いました、見城さん」その瞬間から、16年の時を経て、また、二人の関係は始まった(見城)
自分の人生を、より高いステージに引き上げてくれる人物がいます。人間一人の力には限界があります。これからという時期に、有能な人物や強いエネルギーを与えてくれる人物といい関係を結べれば、能力は何倍にもなり、将来は大きく広がります(林)
林さんの文章は、過剰なものを抱えている人のものだった。過剰とは、普通に生きているところから、はみ出してしまうという意味だ。自分と折り合いがつかないということでもある。それを表現することにより、自分と折り合いをつけるのが、作家などの表現者なのだ(見城)
僕は初対面の場合、必ず30分前に到着するようにする。人を待たせるのが嫌だからというだけではない。その真剣さが相手に伝わることで、ビジネスにプラスの結果をもたらすと思うからだ(見城)
仕事にとって一番大事なものは、他者への想像力だと僕は思う(見城)
自己顕示と自己嫌悪の間を揺れ動くから、風と熱が起きる。それがその人のエロスであり、オーラなのだ(見城)
化ける時は必ず悪口を言われるものだ(林)
プロとアマチュアの違いとは、無駄の差だと思います。プロはとにかく無駄がありません(林)
売れるコンテンツには4つのポイントがある。オリジナリティ、明快、極端、そして癒着である(見城)
成功したいと思ったら、どこが空いているかをまず考えるべきでしょう。どんな分野でも、人がまだ注目していなかったり、忘れたりしている隙があるはず(林)
会ったことのない人に手紙を書くときの鉄則は、相手に刺激や発見をもたらすこと。それのない手紙など、出す意味はない(見城)
「身の程」は知らないほうが、間違いなく得るものは大きい(林)
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見城氏が師事した角川春樹氏や、林氏が師事した糸井重里氏など、著者二人の周辺の人間関係・エピソードも登場し、意外なところで「拾い物」がある一冊です。
出版ビジネスを手掛ける方、作家として成功したい方、これからキャリアを築いて行きたい方には、おすすめの内容だと思います。
ぜひチェックしてみてください。
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『過剰な二人』林真理子、見城徹・著 講談社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062197103
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◆目次◆
第一章 人生を挽回する方法
第二章 人は仕事で成長する
第三章 最後に勝つための作戦
第四章 「運」をつかむために必要なこと
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