2015年10月17日

『ストックビジネスの教科書』大竹啓裕・著 vol.4106

【継続するビジネスを作るコツ】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4591146944

起業してわかることは、ビジネスには「継続する仕組み」が必要だということ。

一見優れたビジネスが次々と倒れるなか、なぜ近所のお米屋さんが生き残っているかというと、米は必ず消費されるものであり、ビジネス自体に「継続する仕組み」が備わっているからです。

画期的アイデアがあれば、ビジネスは立ち上がりますが、継続するには、固定収入を上げる仕組みが必要です。

その点にフォーカスしてまとめられたのが、本日ご紹介する『ストックビジネスの教科書』です。

著者は、貸会議室「アットビジネスセンター」やレンタルオフィス「インスクエア」などを手掛ける起業家で、現在の年商は約10億円。

本書は、これまでに18の事業を立ち上げてきたという著者が、ビジネスをストック化するノウハウを提供したもので、なかでも注目したいのは、73ページ以降にまとめられている「17のビジネスモデル」と「8つの課金モデル」です。

「レンタル・リース型」「会員制型(特別待遇)」「定期メンテナンス型」「教室型」「消耗品購入型」など、計17のビジネスモデルと、「固定課金」「ロイヤリティ課金」「認定料課金」「定期購読」など計8つの課金モデルが示されており、これだけでも買う価値のある内容です。

さっそく、そのエッセンスを見て行きましょう。

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「ストック化」が完成しない限り、企業や個人の収入は安定せずに、自分が働き続けないと存続ができない、いわゆる自転車操業を余儀なくされます

ソフトバンクの成長の歴史は「ストック化」の歴史である

出版大手のKADOKAWAと合併したドワンゴのビジネスモデルは非常に「ストック性」の高いビジネスです。プレミアム会員を月額540円(税込)の定額制にすることで、これが大きな「ストック」になっています

ずばり、究極のストックビジネスは不動産です。もっと言ってしまえば、無借金の不動産を所有することです

◆ストックビジネスの定義
・継続的にお金が入る
・売ることができる

実は弁護士よりも税理士のほうが、継続率が高い仕事の割合が多いので「ストック性」が高い

彼(ウォーレン・バフェット)の投資のスタイルには、特徴がありました。それは、長期間保有すること。そして、投資先に選んでいたのが、カミソリのジレットやコカ・コーラなど、ストック性の高いビジネスであることです

◆17のビジネスモデル ※一部紹介
1.インフラ提供型
2.賃貸契約型
3.レンタル・リース型(機器使用)
4.ASP(アプリケーション・サービス・プロバイダ=インター
  ネットを通じてアプリを提供する)型
7.定期購入型
9.協会認定型
10.消耗品購入型
15.会員制型(特別待遇)

◆8つの課金モデル ※一部紹介
1.固定課金
3.ロイヤリティ課金
5.消耗品購入
6.利用分課金
7.定期購読

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正直、前半の充実度に比べ、後半は思いっ切りトーンダウンしており、読み応えはいまいちですが、先に述べたように、前半だけでも買う価値のある一冊です。

これでビジネスをストック化できれば、1600円は安い投資といえるのではないでしょうか。

著者は、かつてセコムに勤めており、<「ストックビジネス」という言葉がセコムでは飛び交っていた>と述べていますが、じつはそのセコムの創業者、飯田亮さんが「人間はストックで食べると腐る」と述べたことはご存じないかもしれません。

売上のすべてをストックで賄うことはおすすめしませんが、経営の安定のために、ぜひ本書のノウハウは知っておくべきでしょう。

これはおすすめの一冊です。

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『ストックビジネスの教科書』大竹啓裕・著 ポプラ社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4591146944

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◆目次◆

はじめに ビジネスがうまくいかないたった一つの理由
第1講 「ストックビジネス」とは何か?
第2講 ストックビジネスへの道
第3講 ストックビジネスの収益構造を理解する~「収益ユニット」を極める~
第4講 ストックビジネスを極める=「チューニング」が9割~
おわりに 今日からストックビジネスを始めよう

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