【日本人の働き方を再考する】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4569823580
ベストセラー『チーズはどこへ消えた?』が話題になったのは、もうかれこれ15年前のことですが、日本人の多くは、15年経った今もアクションを起こしていないようです。
※参考:『チーズはどこへ消えた?』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/459403019X
ネズミは、チーズの在り処が変われば速やかに行動を起こすのに、人間はこれまでチーズがあったところに固執して、動こうとしない。
『お金持ち入門』で土井が書いた「はまぐり」の話と似ていますが、同じ所を掘ってばかりだと、報酬はどんどん減っていくのです。
(ちなみに、ナウル共和国では掘り続けた結果、資源が枯渇しました)
※参考:『お金持ち入門』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/440811099X
※参考:『アホウドリの糞でできた国』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4757223323
本日ご紹介する一冊は、そんなヤバい日本人の働き方を、データを元に検証し、これからの生き方・働き方を指南した一冊。
著者は、ツイッターの過激発言で知られる、May_Roma(メイロマ)こと谷本真由美さんです。
本書のなかで著者は、「生き残るための仕事を選ぶノウハウ」について言及しています。
これによると、今後伸びていく仕事は、以下の通りです。
1.数値やデータを扱う仕事
2.IT関連の仕事
3.医療関連の専門職
ほかにも、「自動化されない仕事」や「グローバル、もしくはローカルな市場で評価される技能やノウハウ」、「自分にしかできない仕事」が挙げられており、それぞれ解説が付されています。
本書のなかで気になった部分を、いくつか見て行きましょう。
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かつての日本では「働き方」の本は売れ筋ではなかった
景気が良かった頃の日本人は世界と未来を見ていた
本当は、「自分」がダメな理由、仕事で悩む理由は、今の自分が置かれた状況を作っている人や、それを支える「仕組み」なのです。つまり、自分ではどうにもならないこと=「外部要因」が、自分の悩みの原因なのです。それに気がついていない人が多すぎるのが、日本の問題です
日本人は、考え方自体は成熟した西欧州の国の人々に近いにもかかわらず、相変わらず労働時間が長く、長期休暇をほとんど取ることができません
日本企業における最大の問題は、年功序列と終身雇用により、生産性が低くなっていることです
日本企業の多くは、特定のスキルを持ったプロではなく、素人に仕事をさせることがあります。学びながらなんとか仕事をやってくれ、とすることがあります。これが、かなり名前の知れた大企業であっても、往々にして行われているのが、海外の先進国の人々に驚かれる点です
製造業が強かった時代は、周囲に合わせたり、グループで仕事をしたりする、協調性を重視したコミュニケーションが効率的でした。しかし、知識産業が重要性を増す世界では、人と異なることを考えつくことこそ強みになります
トップ10%は給料収入も増えているのですが、資産からの収入が増えているのが最近の特徴です
海外に仕事を外注して、海外や国内で売る人は儲かるようになり、それ以外の人は賃金が下がってしまう
日本ではエリートの仕事であり、憧れの仕事の一つである新聞記者は、低い報酬、仕事の不安定性、ストレス、成長性などの観点から見て、現在アメリカで最悪とされる仕事の一つです
日本では労働人口のたった4%しか起業に関わっていませんが、アメリカの場合は14%です
アメリカの富裕層の84%は一代で財を築いた人々であり、そのほとんどは、中小企業の経営者だった
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結論は普通ですが、提供されているデータが興味深く読めました。
なぜこのままだと「ヤバい」のか、確認する意味でチェックしておきたい一冊です。
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『日本人の働き方の9割がヤバい件について』谷本真由美・著 PHP研究所
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4569823580
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◆目次◆
第1章 「働き方」に悩みまくる日本のサラリーマン
第2章 あなたが悩むのはニッポンの「働く仕組み」がおかしいから
第3章 働き方の激変はグローバルな潮流
第4章 生き残りたければ「自分商店」を目指せ!
第5章 来るべき時代に備えよ
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