【これから有望な市場はやっぱりコレ】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4799331159
カリスママーケター神田昌典さんが、『これからの10年 団塊ジュニア1400万人がコア市場になる!』を勧めていたのが2002年。
『これからの10年 団塊ジュニア1400万人がコア市場になる!』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4806117293
あれから22年が経ち、ついに団塊ジュニア世代が50代を迎えたのが、現在の日本です。
少子高齢化に関しては、ネガティブなニュースばかりが飛び交っていますが、じつはこの高齢化は世界的なトレンドであり、これからの時代はこの「超長寿マーケット」に大きなビジネスチャンスがあります。
本書の著者のスーザン・ウィルナー・ゴールデン氏は、スタンフォード大学経営大学院の講師であり、ベンチャーキャピタルのテックスターズの長寿部門のメンター、ピボタル・ベンチャーズの介護イノベーション部門のパートナー、一般企業の長寿戦略のアドバイザーを務める人物。
長寿マーケットに詳しく、本書でもその知見を余すところなく披露しています。
神田昌典さんがオビに推薦文を書いていることからも、本書の注目度が伺えると思います。
本書によると、急拡大を遂げる「長寿マーケット」の規模は22兆ドル。本書制作時点で、3200兆円に及ぶそうです。
人が高齢になるとどんな需要が発生するのか、どんな企業がどんなニーズに対応しようとしているのか、どんなビジネスモデルが考えられるかなど、長寿マーケットの可能性と現状に触れています。
著者が提案する「5四半期(5Q)」ライフステージのフレームワークを見ても、これからは団塊ジュニア世代(これからルネッサンス期)向けのビジネスが有望であることがよくわかります。
国もここに向けてビジネス支援をしており、よく読めば大きなチャンスが眠っていることがわかると思います。
答えを教えてくれる本ではありませんが、起業家なら読んでいるうちにいろいろと事業アイデアが浮かんでくると思います。
さっそく、本文の中から気になる部分を赤ペンチェックしてみましょう。
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新たに生まれる「長寿経済」の市場規模は、全世界で22兆ドル超と予測されている(米国単体で8.3兆ドル)
終活や終末期のサポートをする企業は続々と誕生しており、そうした事業へのニーズは確実に存在する
重要なのは、「教育・仕事・引退」という3ステージの人生モデルがもはや成り立たないこと、そして、健康寿命が延びたことでビジネスにおける年齢の重要性が低下していること
組織として多世代人材を確保することで、若手社員がメンター業務を行う「リバース・メンタリング」も可能になり、世代を超えたつながりが活性化できる
家庭に集中する、復学する、人生の次のステージを考える、といった理由で、何度かキャリアを離れる時間を人生設計に組み入れてもいい
長寿センターが問いかけているのは、「新たに得た人生の時間(願わくは健康な時間)30年分を、一生のうち、どの時期に、どのように組み込めばいいのか」という重要な問いだ
「サイドプレナー」の定義は、「週20時間以下を自分のビジネスに投下する女性起業家」
5四半期(5Q)ライフステージ
Q1 スタート期(0~30歳)
Q2 グロース期(25~55歳)
Q3 ルネッサンス期(55~85歳)
Q4 レガシー期(75~100歳)
Q5 エクストラ期(100歳以上)
ナイキは「ウォーキングをする高齢者」をターゲットにはしなかった。狙いはあくまで、「ウォーキングをする高年齢のアスリート」である
起業家2人がつくったWider Circle(ワイダー・サークル)は、近所に住む10~12人が集まって運動や社交を行い、ウェルビーイングを高めるための団体だ
Cake(ケイク)などのプラットフォーム型企業は、葬儀の事前手配から喪主の指名、遺言書や終活プランの保管など、終末期のほぼ全側面に取り組んでいる
キッチン用品・調理器具のOXO(オクソー)を例に考えてみよう。OXOの製品は関節炎があっても使いやすい
起業チャンスとして注目の新領域
※一部紹介
(1)デジタルリテラシーとデジタル格差対策
(3)移行プランニング
(8)フィットネスとモビリティ
(9)生涯学習
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紹介されている企業事例を詳しく知るために、いちいちネットで調べなくてはいけないのが面倒ですが、確実に他の本では手に入らない長寿ビジネス情報が手に入ります。
これは、ひさびさにワクワクするマーケティング書の登場ですね。
ぜひ、読んでみてください。
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『超長寿化時代の市場地図』スーザン・ウィルナー・ゴールデン・著 佐々木寛子・訳 ディスカヴァー・トゥエンティワン
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◆目次◆
はじめに 人口動態の新たな現実
第1部 長寿化を理解する
第1章 寿命から健康寿命へ
第2章 年齢いろいろ、ステージはそれぞれ
第3章 ステージでマーケティングする
第2部 ビジネスチャンスと課題
第4章 長寿ビジネスのチャンスを見つけよう
第5章 カスタマーの実像を見極める
第6章 チャネルの課題に取り組む
第7章 起業家のチャンス
第8章 長寿化への投資と「配当」
結び 「これから期」を生きる
付録
謝辞
巻末注
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