【博報堂のアイデアが出る雑談術】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4815628386
本日ご紹介する一冊は、広告代理店として知られる博報堂のアイデア出しの技術を、「雑談」という切り口で紹介した一冊。
もともと2017年に『博報堂のすごい打ち合わせ』として出されていたものを、改題し、大幅加筆修正して出された一冊です。
著者は、博報堂ブランドコンサルティング局の岡田庄生さん。
現在は、武蔵野大学客員教授や法政大学イノベーション・マネジメント研究センター客員研究員、日本マーケティング学会常任理事なども務められている方のようです。
前半は、雑談のメリットや雑談のコツをゆるっと解説したやや退屈な内容ですが、後半に入ると、俄然面白くなります。
創造力を発揮するためのプロのアイデア、行き詰まった議論を打開するための金のフレーズ、心理的安全性を確保し、良い場を作るためのルール作りや心構えが書かれており、クリエイティブに関わる人、会議を進行する立場にある人は、ぜひ読んでおくといいと思います。
良い場を作り、議論を活性化するためのノウハウとしては、こんなのが役に立つと思います。
・「最近、ハマっているもの」を聞く
・「スゴイ話」よりも「ちょっとした失敗談」
・いかなる場合も「でも……」は絶対NG
実際に会議をしている時、状況を打開したい時には、こんな声掛けが役立つと思います。
・「全然関係ないんだけど……」
・「それって起源は何?」
・「それって、10年後どうやって使われている?」
・「それって○○に似てない?」
なるほど、プロはこうやって拡散・収束をやるのか、と勉強になる内容でした。
特に商品開発の現場、マーケティング会議などでは重宝する雑談の作法ではないかと思いました。
さっそく、本文の中から気になる部分を赤ペンチェックしてみましょう。
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■新しい発想を生み出す4つのプロセス
1.共有
2.拡散
3.収束
4.統一
雑談で「予定調和」を打破する
雑談で自分の「立場」や「役割」を捨てる
「○○としてはこうあるべきで……」と言った時点で、自由な発想とはかけ離れてしまう
「最近、ハマっているもの」を聞く
「人から聞いた話」や「ニュース」よりも「自分の体験談」
「真面目」なのはいい。けれど、「真面目くさる」のはダメ
いかなる場合も「でも……」は絶対NG
4つの案が出たときに、「解決策は本当にこの4つしかないのか? E案、F案は本当にないのか?」という問いからスタートして、アイデアをどんどんと拡散させていく
「全然関係ないんだけど……」で本題の「周辺」を探る
拡散のプロセスでもっとも大切なことは、「混沌を恐れない」こと
テーマに「コモディティ」のようなカタカナ言葉がある場合、お互いの共通認識がズレていて、その後の議論がまったくかみ合わないという事態になることもよくあります
先に「アイデアとして、どこまではアリで、どこからはナシか」を明確にすることで、アイデアを出しやすくすることができます
「原則論」や「べき論」をしない
「肩書き」で話をしない
「それって起源は何?」で点を線で考える
「それって、10年後どうやって使われている?」で視点を切り替える
ライバルを同業他社だけに限らず、「同じ目的で買われているもの」や「同じ財布から支払われているもの「限られた時間を奪い合っているもの」まで視点を広げることで、アイデアが広がることもあります
「身近に使っている人はいる?」でユーザーの「リアルな場面」をイメージする
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第5章には、「ひとりブレスト法」のテクニックがいくつか紹介されており、個人的には、このパートで紹介されている2つのメソッド(ナイン・スリー、マンダラート)が勉強になりました。
サクッと読んで、明日から会議に応用できる、実践的なヒントが書かれています。
アイデア出しで詰まった時にも、重宝する一冊だと思います。
ぜひ、読んでみてください。
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『博報堂のすごい雑談』岡田庄生・著 SBクリエイティブ
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◆目次◆
はじめに 最高のアウトプットが生まれる博報堂の雑談術
第1章 なぜ、博報堂は雑談にこだわるのか?
第2章 最初の10分で相手との距離が一気に縮まる雑談のコツ
第3章 「最高のアイデアを生み出す」武器としての雑談の使い方
第4章 会話からアイデアが次々と生まれる!博報堂の「話し方」「聞き方」のコツ
第5章 短時間でアイデアを量産できる「ひとりブレスト法」
おわりに
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