『ユニクロの仕組み化』宇佐美潤祐・著 vol.6626

【ユニクロ成長の仕組みがわかる。】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4815628246

本日ご紹介する一冊は、ユニクロの生産性を上げる仕組みを、元・ファーストリテイリンググループの執行役員が紹介した一冊。

「仕組み」本というと、かつてベストセラーとなった『「仕組み」仕事術』や『無印良品は、仕組みが９割』が有名ですが、これらは主に業務マニュアルを扱った内容。

本日ご紹介するユニクロの仕組みは、企業価値創出力で日本トップクラスのファーストリテイリングが、どうやって全員経営を実現しているか、その驚異の仕組みを公開したものです。

著者は、2012年から2016年の間、ファーストリテイリングの経営者育成機関FRMIC担当役員を務めた人物で、柳井さんがどうやって生産性のみならず、イノベーションや個人の成長までを仕組み化したのか、その全容が述べられています。

＜「経営理念」は抽象的すぎ、「マニュアル」は具体的すぎる＞と述べているように、ユニクロでは、経営理念とマニュアルをつなぐ「原理原則」が定められており、本書ではその原理原則の詳細が紹介されています。

また、かつてベストセラーとなった、ユニクロ幹部社員が使うノート『経営者になるためのノート』を、社内でどう使っていたのか、具体的なエピソードが書かれています。

これまで、超巨大グローバル企業で、全員が経営者意識を持つなんて無理だ、と思っていましたが、なるほどこれなら外国人相手でも、意識が高められる気がします。

ユニクロといえば、柳井さんのワンマンイメージがありますが、じつは仕組みによって成長してきたんだということが、よくわかる内容です。

また、かつて読んだ『経営者になるためのノート』の使い方がわかる内容で、持っている方は、再読しながら読むと理解が深まると思います。

感動エピソードも織り交ぜれられており、読み物としても秀逸でした。

経営者、マネジャーは、ぜひ読んでおくといいと思います。

さっそく、本文の中から気になる部分を赤ペンチェックしてみましょう。

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生産性を上げる仕組みのみならず、イノベーションを促す仕組みが、意識を高める仕組み、成長を促す仕組みと相まって、ROEとPERを高め、結果としてPBR（企業価値創出効率）を高める構造になっています

グローバルワン・全員経営は、ユニクロが事業を行うに当たり最も大切にしている考え方です。世界で一番良い方法を全員で実行する。それを通じて世界一を目指す最強の集団になる、という意味です

柳井さんは「自分で考えて、自分で行動する。これが商売の基本だ」と常々口にしています。そのマインドを役員や管理職だけでなく、店舗のスタッフも持つ仕組みをユニクロでは構築しています

リーダーの本質は「ビジョンをつくる」ことと「仕組みをつくる」こと（中略）ウェイトで言えば「ビジョンをつくる」こと１割、「仕組みをつくる」こと９割です

組織の成長とは結局、「メンバーの変革」の総和である

「経営理念」は抽象的すぎ、「マニュアル」は具体的すぎる

「教育の原理原則」
１．「現場と一緒になって、現場の課題解決に資する」
２．「『全員経営』の考え方に基づいて、ひとりひとりが経営者マインドを持った人を育成する」
３．「グローバルでよい取り組みの事例（ベストプラクティス）を共有して、グローバルで首尾一貫した高品質の教育を実践する」

重要になるのがキーフレーズ
・「前始末をせよ」
・「スピード、もっとスピード」

「ノート」をより細かく見ていくと、「経営者＝成果を上げる人」として、経営者として成果を上げるためにどんな能力が必要か書かれています。大きく分けて、４つの力が定義されています。「変革する力（イノベーター）」「儲ける力（商売人）」「チームを作る力（リーダー）」「理想を追求する力（使命感）」の４つです

５点ばかりつけている人には、「これ本当に全部できているんですか？」と問いかけます

３倍の法則－－「既存の延長では到底到達できない目標」を設定する

「週次PDCA」サイクルを回すことで成長をドライブ

日々のオペレーションの即断・即決・即実行は、企業を腐敗からも守ります

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内部にいた人でないと決して書けない仕組みと運用の話が書かれており、これは本当に勉強になりました。

経営者は、読むことを強くおすすめします。

現場のマネジャーにとっても、現在の仕組みを見直す良いきっかけになるのではないでしょうか。

ぜひ、読んでみてください。

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『ユニクロの仕組み化』宇佐美潤祐・著　SBクリエイティブ
＜Amazon.co.jpで購入する＞
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4815628246

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◆目次◆

はじめに
序　章　なぜ仕組み化こそ「最強の武器」なのか？
第１章　「生産性」を上げる仕組み
第２章　「意識」を高め、次世代リーダーを育成する仕組み
第３章　「イノベーション」を促す仕組み
第４章　経営スピードを高める仕組み
おわりに

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