【科学との付き合い方】
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本日ご紹介する一冊は、ベストセラー『99.9%は仮説』の著者であり、サイエンス作家の竹内薫さんによる新刊。
『99.9%は仮説』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4334033415
元々、オーディオブックとしてAudibleで2024年6月に配信開始された『フェイクニュース時代の科学リテラシー超入門』を再編集し、携書化したもののようです。
タイトル通り、フェイクニュース時代にわれわれが科学とどう付き合えばいいのか、教えてくれる内容です。
最近、書籍でも「科学的に正しい」という言葉でベストセラーになっているものが増えていますが、著者によると、この「科学的に正しい」は、盲目的に信じて良いものではないようです。
著者は本書で、「科学的に正しい=最初から100%正しい」ではないことを述べ、また科学とそうでないものを区別する基準として、「反応可能性」を挙げています。
要するに、科学である以上、反証が可能であるということです。
著者は、読者の科学リテラシーを試す例として、「メキシコで宇宙人のミイラが発見された」という実際にあったニュースを挙げています。
このニュースを見て、「いやいや、ミイラはどうせ偽物だし、現実的に考えて、こんな宇宙人が地球で見つかるわけないでしょ」と思う人は、じつは科学的態度を持っていない。
むしろ、こう考えてしまう人の方が、うっかりフェイクニュースに騙されてしまうと指摘しています。
大事なことは、すぐに判断をしないで、情報を少しずつ確認していくこと。その上で、時間をかけて判断していくこと。
同じように、これまで正しいと思われてきたものが間違いだと証明する理論が出てきたら、自分の中で情報を修正する、アップデートする必要があることも述べています。
サイエンス作家の著者だけに、内容の面白さは折り紙付き。
巻末には、購入者限定特典として、「特別コラム ガリレオ裁判の裏側」のPDFダウンロードQRコードも付いています。
サイエンス読み物が好きな人はもちろん、そうでない人もぜひ、教養として読んでおくといいと思います。
さっそく、本文の中から気になる部分を赤ペンチェックしてみましょう。
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科学的に正しい=最初から100%正しい、ではない
絶対に反証できない理論があったとしたら、それは科学ではない
重要なのは、それが間違いだと証明する理論が出てきたときに、自分の中で情報を修正すること。アップデートしていくこと
科学的思考力、すなわち「ものごとを深掘りして考えるくせ」も同時に必要
科学の根っこには哲学があることが、おそらく日本ではあまり認識されていない
科学はつねに仮説である
仮説がないと、高額な実験なんてできない
「100%安全です」はあり得ない
ワクチンの場合、実際にそのワクチンができた段階では、どのくらい効果があるのかも完全にはわかっておらず、その後の臨床試験で効果を確かめます
効果のある子宮頸がんワクチンを、なぜ日本だけ打たない時期があったのか。それは副反応をマスコミが大々的に報道し、100%を求める国民の気持ちを煽り立ててしまったからです
「生命の起源」はわからないことだらけ
「意識の正体」も謎に包まれています
発想の転換が必要な仮説は、なかなか受け入れられない
メカニズムを解明するのが科学、うまくいくなら使ってみるのが医学
「0か100か」の思考は人間社会を崩壊させる
データにすぐに飛びつかない
医者だからといって、本当に専門家とは限らない
科学論文では、何本も何本も論文が出た後で捏造が発覚するパターンがかなり多い
健康食品で使われる「波動」はすべてインチキ
水素水は典型的なグレーゾーン
事故による死者数がもっとも多いのは、実は水力発電
相関関係はあるけれども単なる偶然で、何の因果関係もないのはよくあること
現代社会は安全すぎて、判断力が身につかない
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SNSのフェイクニュースやマスコミ報道を見ているうちに、何が正しいのかわからなくなったという人に、ぜひ読んで欲しい一冊です。
AI時代になると、ますますこういう教養が問われるようになりそうですね。
ぜひ、読んでみてください。
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『フェイクニュース時代の科学リテラシー超入門』竹内薫・著 ディスカヴァー・トゥエンティワン
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◆目次◆
はじめに
第1章 科学にまつわる「思い込み」の罠
第2章 あなたのまわりにひそむ「非科学的」思考
第3章 科学リテラシーを鍛える習慣
おわりに
参考文献
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