2024年12月11日

『センスのよい考えには、「型」がある』 佐藤真木、阿佐見綾香・著 vol.6621

【結果を生み出すインサイト思考】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/476314183X

先日、マーケティング関連の名著として『ビジネスの結果が変わるN1分析』をご紹介したばかりですが、またまた名著が登場です。

『ビジネスの結果が変わるN1分析』西口一希・著 日本実業出版社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4534061501

本日ご紹介する一冊は、電通シニア・マーケティング・ディレクターの佐藤真木さんと、『「調べ方」の教科書』の著者で、電通マーケティング・コンサルタントの阿佐見綾香さんによる共著。

『「調べ方」の教科書』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4569849547

『ビジネスの結果が変わるN1分析』でも登場した、「インサイト」を得るための思考法について述べた一冊です。

世の中には、同じデータを見ても、全く違うアイデアや飛び抜けた発想をする人がいますが、本書では、そんな人がやっているインサイトを得るための思考術を解説しています。

消費者の「隠れたホンネ」にたどり着き、言語化してインサイトを育てる。さらにはそれを商品や広告、ビジネスに展開する。

そんなプロの「型」が、体系立てて紹介されている良書です。

機能するインサイトの「5つの条件」、著者らがプロのマーケターにインタビューして明らかになったインサイトの見つけ方、インサイトの「出世魚モデル」、出世魚モデルの短縮版である「逆説モデル」などは、ぜひ読んでおくといいでしょう。

インサイトを使って成功した「ガリガリ君の値上げCM」、「飲めない人」のための「スマドリバー渋谷」、コカ・コーラの「No Reason」、バーミキュラの「暮らしを変える鍋」など、事例も豊富で実践的な内容です。

先日ご紹介した『ビジネスの結果が変わるN1分析』もそうですが、N1をじっくり分析し、インサイトを探り、育てる作業が、結局多様性の時代においても正解だという気がしています。

単なる手法の本ではなく、マーケティングに必要な思考・思想を書いた力作だと思います。

さっそく、本文の中から気になる部分を赤ペンチェックしてみましょう。

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グラフからわかるのは、コカ・コーラは、他の飲み物よりも「わけもなく、急に無性に飲みたくなる」ユニークな存在だということです。そこで、実際に生み出されたのが、コカ・コーラの「わけもなく、急に無性に飲みたくなる」強い衝動を体感させる「No Reason(理由はない)」という広告です

「言ってほしい」を「言ってあげれば」相手は動く

「新しい何かを創り出すには、隠れた真実を見つけなければならない」(ピーター・ティール)

■機能するインサイト「5つの条件」
1 聞き手の内面に気づかせ、ハッとさせる新たな発見や驚きがあるか?(Surprise)
2 人の発想を拡げるインスピレーションを感じさせるか?(Inspiration)
3 自分が心から腑に落ちているか?(Commitment)
4 1行で言い表せて、誰もが理解できる明確な言葉にできているか?(Wording)
5 人間らしさ・人間の本質があるか?(Essential)

■インサイトの「出世魚モデル」
魚卵 気づき/違和感(どんな常識に対する気づき/違和感か)
稚魚 疑問/問い
幼魚 仮説/推論
成魚 インサイト

■「出世魚モデル」の5つのステップ
STEP1 日常の中の違和感に目を向ける
STEP2 違和感を抱いたのはどんな常識か?
STEP3 常識の裏には、どんなホンネが隠れているのか?
STEP4 隠れたホンネを、自分の納得いく言葉にする
STEP5 自分の言葉を、みんなに信じてもらう

■「人との会話や交流」で感情を動かされるモーメント
(1)「えっ!」と、自分が思っていること(=予測)と大きく違って、「びっくりした」とき(=誤差)
(2)「ん!?」と、スムーズに納得や理解ができずに、「引っかかった」とき

■「逆説モデル」
みんな/世の中は、○○だと思っているかもしれないけれど(常識/定説)
実は/本当は、■■ではないか?、と自分は思う。(仮説/推論)

行き詰まったときは「とにかく自分で体験してみるトレーニング」
(1)商品やサービスについて「自分自身」で“調べてみる”
(2)売り場やサイトで「自分自身」で“買ってみる”
(3)購入した商品を「自分自身」で“使ってみる”
(4)使った商品を「自分自身」で“保有/保存/処分してみる”
(5)上記(1)ー(4)の一連の体験をまわりに“話してみる”

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適宜、バックミンスター・フラーやスティーブ・ジョブズ、ピーター・ティールなどの思想が紹介されており、いかに隠された真実、インサイトを得ることがビジネスにおいて重要か、感じることができる内容です。

ぜひ、読んでみてください。

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『センスのよい考えには、「型」がある』佐藤真木、阿佐見綾香・著 サンマーク出版

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◆目次◆

はじめに インサイトを考えると、仕事や人生が楽しくなる
第1章 「インサイト」って何?
第2章 「インサイト」の見つけ方
第3章 実践「インサイト」の育て方
第4章 逆説モデル
第5章 「インサイト」を見つけるためのトレーニング
第6章 「インサイト」を使うときに本当に大切なこと
あとがき
謝辞
参考文献

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