2024年11月28日

『STOIC 人生の教科書ストイシズム』ブリタニー・ポラット・著 花塚恵・訳 vol.6612

【シリコンバレーで爆発的人気】
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本日ご紹介する一冊は、シリコンバレーを始め世界に爆発的に広がっているという、「理性を鍛える」実践哲学。

著者は、ストイシズムの研究者で、ストイシズムの原則を推進する非営利団体ストイケア共同設立者、ブリタニー・ポラット氏です。

内容は、いわゆるストア哲学ですが、さまざまな著書から引用したストイックな生き方の原則を、90日プログラムに落とし込んでいます。

1日見開き2ページのシンプルな構成で、右ページにセネカやエピクテトス、マルクス・アウレリウスの名言、左ページに教えを実践するためのヒントやワークがまとめられています。

「○日で実践する」みたいな本は山ほどありますが、本書はワーク内容がやってみたいと思うものばかりで、本当に90日かけてやってみても面白いと思います。

持ち運ぶのは大変なので、毎日見開き2ページだけ写真を撮って、通勤途中にやってみてもいいと思います。

本書によると、ストイシズムは「論理学」「倫理学」「自然学」の3分野を通じて、自分自身の理解、他者との関係の理解、そして宇宙の理解を促すもの。

「倫理学」を学ぶことで、忍耐、思いやり、寛容を示すというアイデアや、「自然学」を学ぶことで畏怖の念を育むというアイデアは、今の日本にピッタリだと思いました。

また、25ページにはストイシズムの「4つの美徳」が示されており、これこそまさに今の日本に欠けている美徳だと思いました。

■ストイシズムの「4つの美徳」
1.知恵 うわべにとらわれない力
2.正義 他人に思いやりを持つ力
3.勇気 苦難に立ち向かう力
4.節制 衝動を抑える力

オビに佐藤優氏が推薦コメントを寄せていますが、このコメントがまたいい。

<大きな理想を獲得するには禁欲が必要だ。この逆説の神髄をつかんだ者が勝利する>

これを読んで、真っ先に松下幸之助が頭に浮かびました。

金銭的な成功や望む人生を手に入れるには、ストイシズムが効く。

さっそく、本文の中から気になる部分を赤ペンチェックしてみましょう。

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ストイシズムは「論理学」「倫理学」「自然学」という相互に関わりあう3つの分野を通じて、自分自身の理解、他者との関係の理解、そして宇宙の理解を促す

人は高潔であれば満ち足りた人生を送れる

哲学を実践する者が最初に取り組むべきことは何か? それは、「自分は知っている」という考えを捨て去ることだ。人は「知っている」と思っている何かについて学ぼうとすることは絶対にないからだ。(エピクテトス『語録』)

1.あなたに染みついた思考癖のなかで、もはや不要になったものはどれか?
2.変えたいと思う思考癖を3つあげよう

何が悪で、何が悪でないかを区別できる知力、それが勇気だ。(セネカ『ルキリウスに宛てた道徳書簡集』)

セネカは勇気を、「たとえつらくても正しい行いをする」ことだと定義する

自分を尊び敬う気持ちを妨げているものがあるとすれば、それは何か? 自分にもっと優しくなれるためにできることを5つあげよう

理想を羅針盤にする

「刺激」と「反応」は別のこと

もしそれが正しくないことであれば、するな。事実でないことであれば、口にするな。(マルクス・アウレリウス『自省録』)

よい人生を送りたいのであれば、場所ではなく意識を変えるべきだ

「内面の充実に意識を集中させる」ということは、尊敬する人や愛する人、恐れを抱く人による支持からも不支持からも自由になることなのだ

セネカによると、ストイックな生き方とは、自らの価値観や信条に合致する行動をとり、自らの美徳に従って生きることだ

人が大きな問題に陥る原因は、世間の噂に追従すること、もっとも広く受け入れられているものこそ最善だと思い込むこと、さまざまな紛いものを真に優れたものと見誤ること、理性に従うのではなく他者を模倣して生きることにある。(セネカ『幸福な人生について』)

自分にあってよかったと思う、目に見えない資質を10個リストアップする

他者をコントロールするのではなく、他者にプラスの影響を与える

ストイシズムは、すべてはかりそめにしか存在しないと受け入れることにより、喪失を恐れなくなることを目指す

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先に申し上げた通り、ストア哲学が書かれている本なので、既に学んだ方にとっては、既知の内容が多いと思います。

ストア哲学のエッセンスを知りたい方、実践するためのワークに興味がある方は、ぜひ、読んでみてください。

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『STOIC 人生の教科書ストイシズム』ブリタニー・ポラット・著
花塚恵・訳 ダイヤモンド社

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◆目次◆

INTRODUCTION 「毎日1つずつ」成長する
PART1 ストイシズムとは何か?
PART2 ストイックに生きる
第1章 心の声に耳を傾ける
第2章 受け入れる
第3章 美徳とともに生きる
最後に
謝辞
参考文献

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