【flier編集者の言語化する技術】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4866802782
最近、SNSで情報発信する人が増えたせいか、「言語化力」が話題となっています。
長年取材記者、著者、書評家をやっていますが、「言語化力」の肝って、じつは要約力だと思うんですよね。
自分が取材や体験で得た膨大な情報を、「要するに」でシンプルにまとめる。
この力が身につけば、言語化力は自ずと身に付くと思うのです。
そういえば、ベストセラーとなった『1分で話せ』の骨子も、「結論→根拠→たとえば」でしたね。
『1分で話せ』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4797395230
本日ご紹介する一冊は、本の要約サービス「flier」の編集者が、この要約する技術、言語化する技術を詳しく解説した一冊。
前半は、情報発信を仕事にする人なら当たり前のことが書かれていますが、92ページ<話や言葉ではなく「想い」を聞き出す>あたりから、俄然面白くなってきます。
ちょっと多くなりますが、
・想いを引き出す3つの「問い」
・相手の言葉において「どこにエネルギーを一番注いでいるのか」に注目
・伝わる図にする5つのフレーム
・「伝わる論理」を組み立てる3ステップ
・納得感と共感を生むための3つのポイント
あたりは、ぜひ読んでおくといいと思います。
土井のライター時代の師匠もそうでしたが、デキる人は、取材する前から原稿の流れやイメージを作り、効率化を図っています。
本書でも、そんな上手いやり方(「箇条書き」+「あと整理」)が提示されているので、これから書く仕事に携わりたい方は、学んでおくといいでしょう。
著者のインタビューにおける人間関係構築のスキルは、ビジネスでの人脈作りや営業にも役立つので、ビジネスパーソンはここだけでも読んでおくといいと思います。
さっそく、本文の中から気になる部分を赤ペンチェックしてみましょう。
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言語化力とはある意味で、「解釈の力」です。
自分が人から話を聞いたとき。
自分が美しい映画を観たとき。
自分が最高の旅行体験をしたとき。
そのとき自分がどのような視点で物事を捉え、その本質を抜き出したか、つまり自分の「解釈」によって、どの部分をどう言語化するのかが変わってきます
読む・聞く・観る・体験する……といったインプットの質自体が良いものでないと、どれだけ「まとめる」段階の解釈で工夫しようとも、良い言語化にはなりにくい
シミュレーションメモを書いておくと、「もし時間が限られていたら、この部分は優先して聞こう」などと、時間配分の強弱も見えてきます
相手のことを知り、相手と仲良くなることは相手から良い話を引き出すための常套手段
「褒められる」と思っていないところを褒める
良い質問よりも大事なのは、「この人になら話したい、話してもいい」と思ってもらうこと
ロジャーズの「傾聴の3原則」
(1)共感的理解
(2)無条件の肯定的関心
(3)自己一致
想いを引き出す3つの「問い」
(1)「時期」の問い
(2)「影響を受けたもの」の問い
(3)「行動・意思決定」の問い
相手の言葉において「どこにエネルギーを一番注いでいるのか」に注目する
「話を覚えている」というだけで、相手は心を開いてくれる
「箇条書き」+「あと整理」で気軽に書ける
伝わる図にする5つのフレーム
(1)Before、After
(2)因果関係
(3)マトリックス分布
(4)時系列
(5)サイクル(PDCAなど)
「伝わる論理」を組み立てる3ステップ
(1)伝わる順序をつくる~「結論」を核にして論理を展開する
(2)論理関係を明確化する~箇条書き同士を接続詞で結ぶ~
(3)納得感や共感を生む「流れ」になっているかを確認する
納得感と共感を生むための3つのポイント
(1)「効用」(メリット)を打ち出す
(2)信頼性を高める
(3)親近感を高める
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出版、YouTube、ブログ、SNS…。
どんなメディアで情報発信する際にも必要となる要約の技術、言語化の技術が書かれています。
ぜひ、読んでみてください。
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『flier編集者の「まとめて言語化する技術」』松尾美里・著 フォレスト出版
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http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4866802782
<Kindleで購入する>
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◆目次◆
はじめに
第1章 良い言語化の秘密
第2章 インプットの習慣
第3章 メモする習慣
第4章 まとめる習慣
第5章 言語化する習慣
おわりに
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