【新人コンサルタントの心得書】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4815625034
本日ご紹介する一冊は、プロミュージシャンからコンサルティング業界に転身し、アクセンチュア、野村総合研究所、日本IBM、デロイトトーマツコンサルティング、PwCコンサルティングなどを渡り歩いた著者が、若手コンサルタントに向けて書いた、付加価値を出す思考法。
著者のことは、NewsPicks、Forbesなどを通じてご存じの方も多いのではないでしょうか。
内容のほとんどは、心構えと自己研鑽方法、仕事のTipsであり、バリューの創出法を期待して読むと肩透かしを喰らいますが、やる気の湧く本だと思います。
コンサルタントの処世術として読んでも面白いのではないでしょうか。
興味深かったのは、議事録の書き方とタスク管理のヒント、クライアントのケア方法、フレームワークへの理解度の話。
「どんな些細な仕事でもバリューを意識しろ」なら、どんな本にも書かれていますが、具体的にクライアントへの説明や交渉を意識して議事録を作れ、というのは斬新な視点でした。
また、自分の性格やモチベーションを意識してタスク管理をしろというのも素晴らしい指摘で、頑張り過ぎている若手は、ぜひ意識すると良いと思います。
クライアントケアについては、相手をリスペクトするための会話の具体的方法が述べられており、参考になります。
若手コンサルタントのなかには、勘違いする人も多いので、ぜひ読んでおくといいと思います。
フレームワークについても、どんなシーンでどのフレームワークを使うか、原書を読んでフレームワークが生まれた背景を理解することの大切さが説かれており、勉強になりました。
そしてすべてのビジネスパーソンにとって、タイトルの『バリューのことだけ考えろ』は、良いアドバイスだと思います。
目先の仕事に追われて、仕事のゴールイメージが湧かない、いまいちモチベーションが湧かない、という人に読んで欲しい仕事術と心構えの本です。
さっそく、気になるポイントを赤ペンチェックしてみましょう。
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「バリュー」の定義を突き詰めて考えると、「対価に値するか」に尽きる
単価を上げたければ、より一層のバリューを出さなければならない
業界内には存在しない視点を外から注入し、イノベーションの種を提供するのが経営コンサルの出発点である
コンサルビジネスを考える際、利益率を大きく左右する要素として「不稼働時間」を考慮に入れる必要がある
システム開発案件は2年以上続くことも珍しくないため、不稼働時間がほとんどなく、利益率が非常に高くなる
「あなたの会社はダメです」と相手を否定したところで、やる気は引き出せない。むしろ、「この環境でよく今まで頑張ってきましたね。価値を出せば絶対に広がるはずです」と後押しされた方が、クライアントも俄然やる気が出る
一度でいいから死に物狂いでクライアントのためだけに仕事に取り組んでみてほしい。そこで成功体験を得られたのなら、あなたのコンサル人生は確実に上向いていくはずだ
なぜ私が20年間コンサルにいて、メディアに出続けられているのか。その考えの根底にもバリューがある。理由はシンプル。毎回、自分自身に貼るタグを変え続けてきたのだ
バイネームで仕事ができることによって、仕事のスケールも大きく変わってくる
客観性を失うことなく、あらゆる視点から自分の価値を見つめ直そう。自分の価値が発揮しやすい領域で努力を重ねることで成果が出る
会議の背景では、関係者間の思惑がうごめいている。ミーティングを単なる会議ではなく、誰かが誰かを説得しようとしている「交渉」と捉える
メッセージ(目的)を明示しない議事録はただのメモである
人間の集中力は長く続かない。そのため思考を要する仕事を連続でスケジューリングするのは間違っている
そもそもクライアントさえも気づいていない課題を提示することにこそコンサルの価値はある。ヒアリングを完了した上で、すべてを無視し、ゼロベースで思考する
原書まで読み込み、徹底的にフレームワークを理解する
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一般企業の若手が読んでも勉強になると思いますが、ど真ん中はやはりコンサルタントやシンクタンクにお勤めの方、公務員ではないかと思います。
知識プロフェッショナルが若い頃、どんな心構えで仕事に臨めばいいのかを教えてくれる、自己啓発的な一冊です。
ぜひチェックしてみてください。
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『バリューのことだけ考えろ』松永エリック・匡史・著 SBクリエイティブ
<Amazon.co.jpで購入する>
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◆目次◆
はじめに
序章 プロフェッショナルならバリューにこだわれ
1章 クライアントのニーズに応えるための基本作法
2章 プロジェクトを成功させられる人の思考法
3章 市場価値を高めるための自己研鑽
4章 ハードワークに負けないコンディショニング
5章 バリューを出し続けた先に見えてくるもの
おわりに
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