【これで生産性アップ。】
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本日ご紹介する一冊は、物流のプロフェッショナルが、仕事の生産性アップのコツを説いた、異色の一冊。
著者は、物流エコノミスト、一般社団法人日本ロジスティクスシステム学会理事で日本大学教授の鈴木邦成さんです。
『ザ・ゴール』や『トヨタ生産方式』もそうですが、実際にモノを扱っている人が書いた生産性アップの方法論は、現実に機能することが多い。
※参考:『ザ・ゴール』
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※参考:『トヨタ生産方式』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478460019
反対に、デスクワーク系の著者が書いた生産性アップの方法論は、部分最適にはなっていても全体最適の視点を見落としていることがままあります。
本書のなかで著者は、仕事の「滞り」に着目します。(『ザ・ゴール』では、「ボトルネック」に着目していました)
いわく、「モノの流れに問題が生じるのは、そこに滞りが発生したとき」です。
さらに言うには、「わざわざピーク状態をつくり出すようなスタイルで行動すれば、大きな滞りが発生して非効率になるだけ」。
その例として、早朝の活用法と月曜日の会議を挙げ、批判を加えています。
<「朝は仕事の効率が上がる」と書いてある本はごまんとありますが、本当にそうでしょうか。早朝は1日の中で何をするにもピークが集中する時間帯です。滞りだらけなのです。それではいくらがんばっても成果なんか出ません>
<月曜の午前中は1週間でもっとも慌ただしい時間帯ともいえます。ルーティンの事務作業が多く、急なタスクが飛び込んでくる可能性も高い時間帯です。その一番忙しい時間帯に、これまでの業務のフィードバックをしたり、新企画の立案を検討する必要性はありません>
では、どうすれば滞りをなくし、仕事の生産性をアップできるのか。
著者は、<仕事が朝9時から始まり、夜6時に終わるならば、そのライフスタイルに合わせた時間の使い方が合理的>と説きます。
また、会議は金曜夕方がベストと説いています。
これまでの常識からしたら考えられない主張が数多くなされていますが、読めばなるほどと思うはずです。
さっそく、気になるポイントを赤ペンチェックしてみましょう。
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大切なのは滞りをなくすことで、スケジュールを隙間なく埋めることではありません
ピークとオフピークの落差が「滞り」になる
日常生活を滞りなく進めるにはまずは、「特定の曜日や時間帯に過度な期待を抱かない」ことが重要
自分にとって優先すべきタスクは何で、そのためにはそれ以外のタスクのピークにいかに対応していくか
仕事量などのムダ、ムラ、ムリをなくし、「必要なときに、必要なことを、必要な量だけ行う」ということを徹底していく
確かに朝早く起きてタスクをこなしていけば、一見効率的に時間を活用できるような気がします。けれども、それは睡眠時間を削って、1日のタスクの処理量を前倒ししているに過ぎない
金曜日が締め切りの仕事をその週の月曜日のうちにやってしまう人がいます。他の仕事もその調子で何でも前倒ししているかもしれません。しかし、締め切りの前に急な変更点が出てきた場合はどうするのでしょうか
朝や夜に期待せず、昼の2時間を集中しよう
整理整頓できない人は場所だけ決めておけばいい
物流の現場整理の考え方に“3定”というのがあります。3定とは整理の基本で、「定位・定品・定量」のことを指します。「決まった場所に、決まったモノを、決まった量だけ置いておく」ということです
タイパを良くしたいなら仕事とプライベートは切り替えるな
月曜の会議はナンセンス、一番効率が上がるのは金曜夕方
「効率的な会議のやり方」を説いた本はとても多いのですが、実は会議で発生する滞りは会議の前後に発生しています
そもそも真夜中に締め切りが設定されていると、「どうせ先方が確認するのは翌朝だろう」と考えられて締め切り破り、納期遅れを助長することになる
モジュールは塊とか部品とかいう意味ですが、あらかじめ「5分の隙間のときにはこれをする」「10分の隙間のときはあれをする」という具合に隙間の埋め方をパターン化しておく
「隙間の時間を使って、コンパクトに趣味を楽しんでいく」というのが令和のトレンド
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一見、地味な本ですが、日本人の生き方、働き方に革命を起こすほど、エキセントリックかつ合理的な主張がなされています。
従来の仕事術の常識を捨て、自分の仕事の見直しをする、良いきっかけになる本だと思います。
ぜひ読んでみてください。
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『はかどる技術』鈴木邦成・著 フォレスト出版
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◆目次◆
まえがき 最小限の努力で最大限の成果を
プロローグ 今日からあなたは「滞り」知らず
第1章 時間の滞りを解消する
第2章 仕事の滞りを解消する
第3章 勉強の滞りを解消する
第4章 人づきあいの滞りを解消する
第5章 人生設計とお金の滞りを解消する
あとがき 努力が空回りする人ほど伸びしろがある
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