【即興スピーチの練習】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4798183121
本日ご紹介する一冊は、スタンフォードの学生に戦略的コミュニケーションやプレゼンを教えるコミュニケーションの専門家、マット・エイブラハムズ氏が、即興スピーチの極意を語った一冊。
単なる「話し方」ではなく、心の持ちようや目的意識、傾聴、話の組み立てなど、幅広く触れている点に好感が持てます。
人前でついあがってしまう、という初歩のレベルの人でも、大胆な即興スピーチができるよう、必要な情報とサポートが提供されています。
心構えや理論・事例・テクニックがしっかりしているのはもちろんですが、驚いたのは、本書で紹介されている学習方法やワークがじつに的確なこと。
ただスキルやノウハウを求めて読んでもピンと来ないかもしれませんが、紹介されているワークを対人でこなせば、経験上、一定の効果があると確信しています。
想像上のプレゼントを交換し合い、そこからコミュニケーションを始めるワークや、最近参加した2つのイベントを「比較-対比-結論」形式で述べるワークなどは、特に効果的だと思いました。
使えるスピーチの「型」や、成功企業のメッセージ事例(アップルやグーグル)なども載っており、こちらはクライアントに対してプレゼンをする際、大きなヒントになると思います。
さすが、『スタンフォードの自分を変える教室』のケリー・マクゴニガル氏、『影響力の武器』のロバート・B・チャルディーニ氏、『習慣の力』のチャールズ・デュヒッグ氏、『THE POWER OF REGRET』のダニエル・ピンク氏、『自分を変える方法』のケイティ・ミルクマン氏が絶賛するだけのことはありますね。
『スタンフォードの自分を変える教室』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4479305580
『影響力の武器』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4414304296
『習慣の力』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/415050542X
『THE POWER OF REGRET』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/476127705X
『自分を変える方法』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478112991
さっそく、気になるポイントを赤ペンチェックしてみましょう。
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プレゼンのように完璧を目指すのではなく、不完全さを受け入れ、その都度ベストを尽くすことに集中しましょう
そこに自分がいて、その身体の中で不安という感情がうごめいているというぐらいの心理的な距離を持つと、不安を抱え込まずに観察できる(S・クリスチャン・ウィーラー教授)
ヒューリスティックは私たちの自発性を妨げ、その場で起きていることへの注意力を損ないます
ヒューリスティックに頼れば、とっさに発言を求められても即答できるかもしれませんが、個性あふれる受け答えで聞き手の意表を突いたり、心をつかんだりできる可能性は下がります
デザイン会社IDEOでは、新しいアイデアを探る際、関係が一見ないように思えても、条件や原則が類似している状況に目を向けます。救急処置室の効率化を目的とした設計変更を依頼された場合、一般的なやり方としては、他の優れた救急処置室の設計を分析してアイデアを学ぶでしょう。ただ、それでは既成概念にとらわれてしまいます。そこでIDEOは、救急処置室以外で緊急対応が求められる状況に着目しました。その一つに、自動車レース「フォーミュラ1(F1)」のピット作業があります
あなたはプレゼントを手に取って箱を開け、中を見るジェスチャーをしながら、「これはいいね。○○をくれてありがとう」と言います。○○の部分には、頭に浮かんだプレゼントを何でも入れて構いません。「サイの赤ちゃん」でも、「電球」でも、「石けん」でも、「くさいランニングシューズ」でも。何でも良いので、相手にお礼を言いましょう。今度は相手が、そのプレゼントを選んだ理由を即興で考えて言わなければなりません
「何が言われていないか」に注意することです。言わずに済まされている部分について質問すれば、聞いた内容を確かめ、話し手の意図をはっきりさせることができます
聞き手に「知ってほしいこと」は、コミュニケーションの目的の一部分でしかありません。私たちは聞き手に「感じてほしいこと」や「行ってほしいこと」も考える必要があります
次の人に花を持たせる
質疑応答の構成「これか」
・こ=答え まず、質問に対する答えを一文で明確に言い切る
・れ=例 次に、答えを裏付ける具体例を挙げる
・か=価値 最後に、自分の答えが質問者に提供する価値を説明する
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土井は30歳で始めて、33歳頃には即興スピーチができるようになったので断言しますが、即興スピーチは誰にでもできます。
そして、その実践のために、本書のメソッドが役立つことは間違いないと思います。
ぜひ、じっくり読んで試してみてください。
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『Think Fast, Talk Smart』マット・エイブラハムズ・著 見形プララットかおり・訳 翔泳社
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◆目次◆
PART1 理論編 即答力を鍛える6つのステップ
第1章 気持ちを落ち着ける–不安感を手なずけよう
第2章 自己を解き放つ–目指すは平均点
第3章 心構えを変える–マインドセットを意識しよう
第4章 耳を傾ける–「とにかく話す」が正解とは限らない
第5章 話を構成する–アドリブにも型はある
第6章 焦点を定める–聞き手の関心を引き込むように
PART2 応用編 6つのシチュエーション
シチュエーション1 雑談
シチュエーション2 祝辞・弔辞・紹介
シチュエーション3 売り込み・説得
シチュエーション4 質疑応答
シチュエーション5 フィードバック
シチュエーション6 謝罪
おわりに
付録1 シチュエーションごとに使える型の一覧
付録2 新着素材が見つかるウェブサイト
謝辞
原注
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