2024年3月6日

『超・引用力』上野陽子・著 vol.6431

【良いスピーチのために。】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4413233441

直近のトーハン「ビジネス書」ランキングは、10タイトル中7タイトルが「お金本」(3月5日発表)。

残りの3つが、『頭のいい人が話す前に考えていること』『人は話し方が9割』などの、コミュニケーション本でした。

『頭のいい人が話す前に考えていること』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478116695

『人は話し方が9割』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4799108425

お金本は、株価が上がっている間ですが、コミュニケーションのニーズはしばらく続きそうですね。(今日は、Xで「会食恐怖症」なんて言葉もトレンドになっていました)

本日ご紹介する一冊は、ちょっとユニークな切り口の話し方本。コミュニケーション・アナリスト、翻訳家の上野陽子さんが、「引用」の技術を解説した一冊です。

いわく、「引用は、自分が伝えたいことや主張を補完し、拡張し、押し上げてくれる役割を果たすもの」。

スティーブ・ジョブズやデール・カーネギー、マキャベリを例に挙げながら、引用の技術を解説し、また引用で使えそうな言葉も紹介しています。

「引用力」はインプット力に比例するので、後半では、インプットのヒントについても書かれています。

人前で話す人、文章を書く機会の多い人は、読んでみるといいでしょう。

最近は、noteでちょっとした文章を書いたり、X(旧Twitter)でコメントしたりする人も多いと思いますが、大量にアウトプットすると、どうしてもネタ切れになりがち。

ネタ切れを防ぐためにも、本書のメソッドは役に立つと思います。

さっそく本文のなかから、気になった部分を赤ペンチェックしてみましょう。

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「(雑誌ホールアース・カタログの)最終版の裏表紙は朝の田舎道の写真で、冒険好きがヒッチハイクをしていそうな場面でした。その下にこんな言葉があります。『ハングリーであれ、愚かであれ』。これは、(編集長の)スチュアートたちが活動を終えるに当たっ
ての別れの言葉。(以下略)」(スティーブ・ジョブズのスタンフォード大学でのスピーチ)

刺さる話はただ情報をストレートに伝えるだけでなく、ストーリー性や意外性が盛り込まれています

引用力を高める方法
1.「言葉の引き出し」を作る
2.話に合った引用のパターンを作っておく

子どもの話題ならAの話。
新製品の話題ならBの話。
スポーツの話題ならCの話。
こんなふうに自分の中でパターンを作っておくことで、その場にピタリとくる引用ができるようになります

ジョブズの名言として有名な「実は引用」には、こんなものもあります。アップル社を作った初期のころから、私たちは「常にパックが向かう先に行く」ことを心がけてきた。これは、アメリカ人なら誰もが知っているナショナルホッケーリーグ歴代最高のスター選手ウェイン・グレツキーの言葉「パックがあったところではなく、パックが向かう先に滑っていくんだ」を引用したものです

「絵に浮かびやすいもの」を選ぶ

数字を小さくしてイメージしやすくする

決断に必要なのは、誰でもうなずける科学的な根拠である。(本田宗一郎)

今していることに、全神経を注ぎなさい。太陽の光も、焦点があわないと発火させられない。(アレクサンダー・グラハム・ベル)

幸せとは、健康で記憶力が悪いことである。(アルベルト・シュバイツアー)

大切なのは、変化できるかどうかではない。十分な速さで変化しているかだ。(アンジェラ・メルケル)

成功した人の苦労話は話の旨味になる

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素材が古今東西の著名人の言葉ということで、これが面白くないわけがない。

気に入った言い回しを見つけて、繰り返しトレーニングすると、「引用力」が身につくと思います。

ぜひ、読んでみてください。

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『超・引用力』上野陽子・著 青春出版社

<Amazon.co.jpで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4413233441

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◆目次◆

第1章 なぜ、「引用」は人を惹きつけるのか?
第2章 刺さる言葉を作る「引用レシピ」
第3章 深みを作る「言葉・名言」を引用する方法
第4章 心に残る「物語・エピソード」を引用する方法
第5章 「引用の引き出し」を作る習慣
第6章 今日から使える名言集

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