2024年3月27日

『物の見方考え方』松下幸之助・著 vol.6445

【松下幸之助、もうひとつのベストセラー】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4344987233

本日ご紹介する一冊は、今年生誕130年を迎えた、松下幸之助のもうひとつのベストセラー。

昭和38年に実業之日本社から出され、現在はPHP研究所で文庫化されている、『物の見方考え方』です。

「100分de名著」でご紹介した、戦後歴代2位のベストセラー『道をひらく』ほど有名ではありませんが、松下幸之助の考え方や視点がよくわかる内容で、経営に活かしたい方には、こちらの方がおすすめです。

『100分de名著 for ユース 2024年3月』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4142231618

『道をひらく』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4569534074

松下幸之助の金銭哲学やマネジメント哲学、進歩的思想、ネゴシエーターとしてのすごさが伝わる内容で、この時代にこんな考え方を持っていたのかと驚きを禁じ得ませんでした。

昨今話題の美意識やコンプライアンス、不祥事の問題についてもコメントがあり、まるで最近書かれたかのような先進的な内容でした。

現在の日本の政治・経済の問題や、そこで苦しむ若者へのアドバイスもあり、まったく古さを感じさせません。

個人的には、長年疑問であった松下幸之助の父への思い、なぜ不遇な状態で頑張れたのかのヒントが書かれていて、志の立て方や生き方の指針が得られた気がしました。

40代、50代になり、体力・知力が衰えてもなお、活躍する人になるために、大事なヒントも書かれています。

人生や経営で迷っている人、これからの生き方の指針が欲しい人に、ぜひ読んでいただきたい内容だと思います。

さっそく、気になるポイントを赤ペンチェックしてみましょう。

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失敗すれば、そこに損害が生ずるが、そのとき責任感をもつということは大切なことである。失敗は常に失敗した人の一身上の問題にとどまらないのであって、それは会社、ひいては国家の繁栄に対して損害である

ただ利益だけのために事業を経営していくというのでは、意義がないと思う。もっと大きな生産の使命があるはずである

金銭を動かすことはあっても、金銭によって自分の節操を売らないような人間にならなければいけない

もし政府から、お前にはこれだけの利益をやるから、なんていわれたら、もう誰も勉強しなくなるにちがいない。競争は非常につらい。つらいけれども、そこに悔いなき発展がある

私がやれば必ず十成功してみせましょう。だから五しか成功しない人と比較した場合、わたしの会社から四・五パーセントとっても、実質は七パーセント以上になるわけである。そういう差を考えてもらいたい。(中略)だから四・五パーセントにしてもらいたいといって、結局この線で話がまとまったのである

もはや質本位だけで事足りるという時代は過ぎさっている。つまり実用の上に美を加えなければならない

失敗したので、父は責任を感じたのか何とか家運を挽回しようと考えていた。その憔悴した顔つきは今でもおぼえている。今から考えると、父の面影が私を今日あらしめたと言ってもいいと思う

自分一人ではどうしても視野がせまくなる。自分がわかっているのは世の中の一パーセントだけで、あとの九九パーセントはわからないと思えばいい

私はこわさを感じないで働けるような会社にしたいとつねづね思う

自分がいいものを作ろうと努力するのも必要だが、同時にいいものを要求する人もいなければならない

私が特に若い社員に肝に銘じてほしいことは次のことである。「よそへ行って愚痴をいわないで、うちでいってくれ」ということだ

悪を絶無にするようなことは考えない。悪を生かす。そうすると、善はさらに生きてくる

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松下幸之助の作品に関しては、自己啓発なら『道をひらく』、生い立ちなら『私の行き方考え方』がおすすめですが、働き方・生き方のヒントとしては本書がおすすめです。

『私の行き方考え方』
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行き詰まりを打破したい、すべての日本人に読んで欲しい一冊です。

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『物の見方考え方』松下幸之助・著 PHP研究所

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◆目次◆

会社経営のカンどころ
責任の持ち方
金だけが目的で仕事はできぬ
事業に失敗したらどうする!?
長期勤続のちから
伸びる会社・伸びる社員
難局を切り抜ける条件
事志に反す
私の軍師・加藤大観
私のアメリカ土産
物の見方・考え方
何事も結構
役に立つ人間
暖簾の精神
オランダに学ぶ
心の持ち方
私の学校教育論
お金のかからぬアメリカ
経営についての考え方
日本の経営者、アメリカの経営者
功ある人には禄を与える
人多くして人なし
「運」について考える

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