【大人も子どもも読みたいエネルギーの教養本】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4046833602
本日ご紹介する一冊は、エネルギー・エバンジェリストを名乗る著者が、若い世代に向け、ストーリー形式でエネルギーの教養を語った一冊。
著者の関口美奈さんは、テキサス州立大学アーリントン校大学院にてMBAを取得後、アーサーアンダーセン会計事務所ダラス事務所に入所。帰国後は、アーサーアンダーセン会計事務所東京事務所(現KPMGあずさ監査法人)にてエネルギー・インフラ関連のM&Aを多数手掛け、2012年からKPMGジャパンでエネルギー・インフラストラクチャーセクター統括責任者、2013年からはアジア・パシフィックのエネルギーセクター統括責任者を兼務した人物です。
現在は独立し、「13歳以上の全ての日本国民のエネルギーリテラシーを上げる!」を目標に、講演活動をしているそうです。
本書は、そんな著者が書いた、じつにわかりやすいエネルギーの入門書。
中学1年生のカイト、モコ、ラミの前に、日本人の母とスペイン人の父を持つ旅人エナジーが現れ、エネルギーの基本を解説するという、受験マンガのような無理な設定ですが、内容は充実しています。
人類がエネルギーを利用してきた歴史と、エネルギーの基礎知識、世界のエネルギー分布とそれを取り巻く情勢など、社会人の必須教養がまとめられています。
わが国のエネルギー事情や再生エネルギーの現状、今後のエネルギー活用の方向性などが書かれており、投資・ビジネスの視点で見ても有用です。
本書で基礎知識を叩き込めば、日経新聞の記事がもっとよくわかるようになること、請け合いです。
エネルギーやその周辺ビジネスに投資している方は、ぜひ読んでおくといいでしょう。
さっそく本文のなかから、気になった部分を赤ペンチェックしてみましょう。
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火は人類の暮らし方を大きく変えたの。そして人類は、火という道具を使って他のいろんな道具を作ったわ。土器を作って文明を起こし、また、高熱によって青銅や鉄を加工する技術を生み出した。それだけじゃないわ。すごく大変な思いをしておこした火を消さないように守っていくには、集団で生活する方が都合が良かったのよね
実はエジソンより前にイギリスのジョゼフ・スワンが白熱電球を発明していた
地中に埋まっている原油を精製すると、沸点の違いで軽油や重油、灯油、ガソリンなどに分かれるのよ
自動車の動力エネルギーとして石油を使うことでエンジンを小さくできて、自動車の中のスペースを広く使えるようにすることができたし、出力を増やすことも調整することも可能になった
中東全体で世界の石油埋蔵量の48%強が確認されているわ
そう、ロシアね。この広大な大地の下に、世界の天然ガス埋蔵量の約20%が埋まっているの。次に多いのは、イランで17%強
「(略)石炭にアンモニアを混ぜて二酸化炭素の排出量を減らしながら火力発電を使い続けることを考えている会社もあるわ」エナジーは仁王立ちになって、誇らしげに言った。「この技術、実は今、日本が先端で行っている技術革新の1つよ!」
この充電器を作る時の重要な資源をリチウムというの。リチウムは、どこかで発電した電気をためておくための蓄電池を作るのにも、とても大事な資源なのよ
チリには世界のリチウム埋蔵量の約44%があると言われているわ
船に積める堆積には制限があるでしょ。だからLNGタンカーで輸送する時は、天然ガスを液体にするの。これを“液化”っていうのよ
地球上にどんどん増えている二酸化炭素を回収するには、現存する森林では間に合わないから、人工的に同じ機能をDACにやらせよう、という発想よ※DAC:直接空気回収技術
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ストーリーは荒削りですが、内容はじつに勉強になります。
前にご紹介した『13歳からの地政学』と併せて読ませれば、世界情勢に詳しい、すごい子どもが生まれそうですね
『13歳からの地政学』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4492444688
ぜひ、読んでみてくださいor読ませてください。
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『13歳からのエネルギーを知る旅』関口美奈・著 KADOKAWA
<Amazon.co.jpで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4046833602
<Kindleで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0CV3P6NP9
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◆目次◆
プロローグ エナジーとの出会い。エネルギーって何?
対話1 エネルギーはどんどん変化する
対話2 エネルギー資源のあるラッキーな国々
対話3 エネルギー資源がないのに世界一停電しない日本
対話4 化石燃料はワルモノか?
対話5 人類の危機、地球温暖化を食い止めろ
対話6 チャレンジ! 再生可能エネルギー
対話7 サステナブルな原子力発電とは?
エピローグ エナジーからのメッセージ。そしてまた旅が始まる
あとがき
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