【「離職」でうまくいく。】
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転職では、次の職場を決めずに辞めちゃダメ、という掟がありますが、それに対して違った見方を示したのが、本日ご紹介する一冊。
あえて一時的に雇用から離れる離職・休職を指す、「キャリアブレイク」という概念を紹介しています。
著者は、一般社団法人キャリアブレイク研究所代表理事の北野貴大さんです。
面白かったのは、本書を手掛けた編集者のNさんが、2022年に前の出版社を辞め、アイルランドで語学留学をするなどして自由に過ごしていたこと。
編集者が一度無職になったこの時期に出合った言葉が、タイトルにもなっている「キャリアブレイク」という言葉だったようです。
じつは土井も、新卒で入ったゲーム会社を辞めた時は、次を決めておらず、まさにこの「キャリアブレイク」を経験しました。
有休消化中とはいえ、いわゆる「失業」状態ですから、精神的には応えたのですが、情緒不安になったおかげで、それまであり得なかったほどたくさん映画を観て、おかげで人生の軸が定まりました。
「キャリアブレイク」には、確かに意味があるのです。
とはいえ、「採用の際、人事はネガティブに受け取るのでは?」という疑問が残るのですが、本書では、そこに対しても人事に直接インタビューすることで、ポジティブ/ネガティブ両方の意見を紹介しています。
500人のキャリアブレイク経験者の声からわかったことと、人事の本音。
ざっと眺めるだけで、未来のキャリアのヒントが湧いてくる、そんな一冊です。
さっそく本文のなかから、気になった部分を赤ペンチェックしてみましょう。
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転職先を決めずに退職したのは、5年間前だけを見て突っ走って、生き急いでしまった感覚に違和感を覚えたこと、組織内でしか通用しない価値観に染まっていた自分に気持ち悪くなってしまい、立ち止まって人生を見つめ直したくなったから
絶対に人材業界は(営業も)嫌だと思って退職したのに、やっぱり人材業界で働きたいという思いに至った
20代半ばから、写真の道を志すのは遅咲きである。でも、あの写真展で何か勘違いしてしまったのだろうか、上京し、制作会社への転職を決めた。そして、この春にはついにフォトグラファーとして独立をしてしまった
実は、転職者全体の73.9%の人が離職期間ありで、大なり小なりキャリアブレイクをつくっています
転機にある人は「足したい人」と「手放したい人」がいる
自分の違和感に気付くのが早かった人は、早々に転職するなど、自分の感性を守る選択をしています
実は意外と多い復職
「思いつき」で訪問したのが大学時代の恩師のところ
「そういえば絵、描くの好きだったな」と、軽い気持ちからスマホにお絵描きアプリをダウンロードしたことがきっかけとなりました
キャリアブレイクの5段階
「解放」「虚無」「実は」「現実」「接続」
「どこにお金を使うのか」という目線は、「人生で何を大切にするか」という問いに似ている
人事等の管理部門はミスマッチでの離職を一番危惧しているため、離職数や理由は特に注意深く見ていて引っかかりやすいポイントになると思います。ただ、近年は人事主導ではなく現場主導の採用が多いため、人事部の懸念がある=採用されないということは少ないように思います
「年齢に対して転職回数が多い」「1社あたりの就業期間が短い」「現在、離職中である」という3つで、上層部が履歴書を不合格と判定していた傾向
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本書で解説されている「キャリアブレイクの5段階」を経験することで、人は単に「食うために」「好き」以上の何かをキャリアに発見できるのだと思います。
「いますぐやる気にはなれない」という方も、ぜひ本書を読んで、キャリアブレイクを疑似体験してみてください。
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『仕事のモヤモヤに効くキャリアブレイクという選択肢』北野貴大・著 KADOKAWA
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◆目次◆
1章 キャリアブレイクという第3の選択肢
2章 キャリアブレイクした人は、どうしてわざわざ辞めたのか
3章 キャリアブレイクした人は、どんな再就職をしたのか
4章 キャリアブレイク中、どう過ごしたのか
5章 企業は、キャリアブレイクした人をどう見ているのか
6章 キャリアに正解はない
あとがき トランプで一番強いのはジョーカー
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