【仕事術の良書。】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4163917683
本日の一冊は、米マイクロソフトAzure Functionsプロダクトチームシニアソフトウェアエンジニアの牛尾剛さんが、知的生産の秘訣をまとめたビジネス書。
著者がマイクロソフトで、世界一流のエンジニアたちから学んだ仕事の秘訣を公開しており、仕事術の本としては、かなり良書の部類に入ると思います。
読者がプログラマーなら、実際の仕事に「即」役立つアドバイスが載っていますが、そうでない人にも、思考スキル、仕事の生産性アップの考え方として、役に立つと思います。
社会人の勉強は、本で読むだけではダメで、学んだことが自分の現場でもそのまま当てはまるのか、検証する作業がMUSTです。
本書の中で著者は、まだまだ日本企業で導入が進まないアジャイルのメリットを挙げつつ、今でも採用されているウォーターフォールを否定。
また、ビジネスパーソンが参考にしがちなコンサルタントのやり方を、<プログラマの場合は、細かい技術の積み重ねが勝負であって、コンサルティングのように具体的なサービスを提供するさいの「アウトカム」勝負ではない>として、プログラマーならではの生産性の考え方を論じています。
ビジネスパーソン、プログラマー両方に役立つ考え方は、いわゆる仮説思考と、やることを減らすための4つの視点。
ここを読むだけでも、生産性が爆上がりすること、間違いなしです。
1.一つだけピックアップする
2.時間を固定して、できることを最大化する
3.「準備」「持ち帰り」をやめてその場で解決する
4.物理的にやることを減らす
他にも、他者とのコミュニケーションを改善して生産性アップにつなげるヒントなども書かれており、ひさびさに良い仕事術本に出合った気がします。
トム・デマルコの『ゆとりの法則』と併せて、ぜひ読んでいただきたい一冊です。
※参考:『ゆとりの法則』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822281116
さっそく本文のなかから、気になった部分を赤ペンチェックしてみましょう。
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いきなり手を動かさない。まずは、事実(データ)を一つ見つける→いくつかの仮説を立てる→その仮説を証明するための行動をとる
理解が十分でないまま手を動かして努力しても、空回りになるだけで身につかず、あやふやの試行錯誤は取り組んだことも忘れやすく頭に残らない。「何かを早くできるように急ぐ努力」がかえって本質的な理解を遠ざけてしまうのだ
「お客さんの言っていることは聞くけど、信用せずファクトを検証していくのがいいよ」(社内の人のアドバイス)
メンタルモデルとは、人々が世界を理解し、予測し、解釈し、新しい状況に適用するための、自己の心の中のイメージや理論
eXtreme Programmingを開発した、かのケント・ベックは言った。「私は偉大なプログラマではなく、偉大な習慣を身につけたプログラマだ」
時間や費やした努力より、アウトプットと生産性に重点を置く
我々日本人はすぐに「あれも、これも」やらないといけないと思いがちだが、「すべき」より、「実際にできるキャパ」を考えるほうが生産性には有用だ
一番重要な「一つだけ」をピックアップする
時間を固定して、できることを最大化
「準備」「持ち帰り」をやめてその場で解決する
物理的にやることを減らす
「検討」をやめて「検証」する
「納期は絶対」の神話は捨てよう
寛容になりたかったら自分自身へのルールも穏やかにしてしまったほうがいい
技術を徹底的に理解し、理解した情報の整理をして、すぐに取り出せるレベル1の状態(何もググらず即実装できる)にしてこそ、長い目で見たさいの生産性は上がる
情報を最小にし、「簡単なこと」をしっかり説明するようにした。つまり、理解してもらうことに丁寧に時間をかける
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問題解決のプロセスからトラブル対応、生産性アップ、仕事でのコミュニケーションまで、世界一流のエンジニアたちから学んだ秘訣が、惜しげもなく公開されています。
ぜひ、読んでみてください。
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『世界一流エンジニアの思考法』牛尾剛・著 文藝春秋
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◆目次◆
はじめに
第1章 世界一流エンジニアは何が違うのだろう?
第2章 アメリカで見つけたマインドセット
第3章 脳に余裕を生む情報整理・記憶術
第4章 コミュニケーションの極意
第5章 生産性を高めるチームビルディング
第6章 仕事と人生の質を高める生活習慣術
第7章 AI時代をどう生き残るか?
あとがき
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