【これでバッチリ】
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本日ご紹介する一冊は、『フランスの高校生が学んでいる10人の哲学者』に続く、第2弾。
『フランスの高校生が学んでいる10人の哲学者』
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パリ政治学院、HEC(高等商業学校)を卒業し、哲学の教鞭をとる一方、教科書、参考書、エッセイ、小説などを多数執筆するシャルル・ペパンさんが、日々の仕事や人間関係の悩みに効く、哲学的思考を説いた一冊です。
欧米のエリートにとって、哲学は必要不可欠な教養ですが、なぜか日本では丁寧に教えない。
そんな哲学を、自己啓発書感覚で学べるのが、本書の良いところです。
「本当になりたいものは何か、どうすればわかるのか」
「本当の友だちってどうしたらわかりますか」
「常に礼儀正しくあるべきでしょうか」
「選ぶのはどうしてこんなに難しいのか」
素朴な疑問に著者が答える形で書かれており、読んでいるうちに偉大な哲学者たちの理論・主張が学べるという、じつにありがたい一冊です。
個人的には、哲学の基本を学ぶなら、『ソフィーの世界』が最高だと思っているのですが、本書もまた、わかりやすく書かれており、おすすめできる一冊です。
『ソフィーの世界』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4140814780
後半には、「キーワード解説」や「バカロレア試験対策 実践編」が載っており、タイトル通り、これから哲学を学びたい高校生向けのコンテンツもまとめられています。
約190ページの薄い本ですが、哲学の基礎知識と、現代的な悩みへの応用が書かれた、良い本だと思います。
さっそく本文のなかから、気になった部分を赤ペンチェックしてみましょう。
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他者との関係によって、自分の考えや幸福の度合を「意識させられる」こともある。これが、サルトルやメルロ=ポンティが「相互主観性」と呼んだものである。つまり、主体は、独立して定義されるともいえるし、相対的なものであるともいえる
ヘーゲルによれば他者との関係があってはじめて、主体はその存在意義を客観的に意識することができる
抑圧があるから無意識が生まれる。社会的、道徳的な禁忌を押しつける他人(両親や社会)があるからこそ、抑圧が生じ、無意識が生まれるのだ
欲望を満たそうとするところまでは動物と同じだが、人間は、欲望が満たされるだけでは満足できない。人間はそれ以上のことを求める。欲望が満たされ、さらにその欲望が他者によって認められること、欲望にこめられた「意味」が理解されることを望むのだ
生きている限り、人は自由で、常に変化する。そして、死んではじめて「運命」が決まる。それが終わりであり、死なのだ
なぜ行動が推奨されるのか。すぐに浮かぶ理由は、考察だけですべての問題を解決できるわけではないからである
友人もまた、現働化の「機会」のひとつなのである
危険を承知で問うなら、友の条件は、「この人を信頼できるか」ではなく、「この人といることで自分に自信がもてるようになるか」で決まる
違いを尊重することで中立や無関心から踏み出す場合には、礼儀を無視してもかまわない
芸術作品をつくること、強い美意識をもつこと、知的な探求に熱中すること、こうした活動によって、私たちは、自分の奥底に眠る、抑圧された衝動と結びついたエネルギー、リビドーと向き合うことができる
法規というのは、特定の時代に相当数の人たちがともに生きるためにつくられたものでしかない。善と悪を区別する道徳は、すべての人、すべての時代にあてはまるものだ
道徳は善を目指し、倫理は「最善」を目指す。道徳は善と悪の間にはっきりと線を引こうとするが、倫理は、少しでも「まし」なやり方を選ぶ
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哲学を通じて、青年たちが人生で直面するさまざまな問題へのヒント・アドバイスを与えており、ちょっと知的な自己啓発書として読めます。
哲学の基礎知識のおさらいに、バカロレア対策に、また人生の転ばぬ先の杖として、ぜひ、読んでおきたい一冊です。
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『フランスの高校生が学んでいる哲学の教科書』シャルル・ペパン・著 永田千奈・訳 草思社
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◆目次◆
まえがき
プロローグ 自分で考え、自分で作り、自分で行動しよう
1 火をおこす
2 料理する
3 食べる
4 獲る
5 寝る
6 切る
7 結ぶ
8 歩く
9 伝える
10 測る
11 遊ぶ
12 救う
13 鍛える
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