【荒木飛呂彦の創作術】
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本日ご紹介する一冊は、『ジョジョの奇妙な冒険』ファンのためのファンブック第3弾。
特集に、『荒木飛呂彦の取材術』と、『続・荒木飛呂彦の漫画術』があったので、創作のヒントに読んでみたのですが、大正解でした。
デビューから40年以上、現役を続ける人気漫画家が、どうやって創作しているのか、どんな取材をしているのか、どんな心構えで仕事に向かっているのか。
いち仕事人として読んで、本当にためになる内容だと思います。
途中、池田エライザさんが『ジョジョの奇妙な冒険』のファッションやビジュアル、キャラクターについて語るインタビューもあり、ファッション・映像に興味のある方も必読。
巻末には、『ジョジョの奇妙な冒険』初代担当だった椛島良介さんとの葉山加地邸での「打ち合わせ」もあり(葉山加地邸は、ドラマ『岸辺露伴は動かない』のロケ地)、こちらも興味深く読ませていただきました。
勉強になったのは、著者が主人公と悪役を必ずセットで作るということと、キャラクターを立てるために、キャラクターの「身上調査書」を作っているということ。
本書には、手書きの「身上調査書」も紹介されているので、イメージが湧くと思います。
奥行きのある創作、キャラクターには、やはり奥行きのある思索、工夫があるのだということを理解しました。
著者、編集者、クリエイティブに関わる人は、ぜひ読んでおくといいと思います。
また、コミュニティがビジネスの鍵を握る時代に、著者がどうやってファンの心を掴んでいるか、という点でも勉強になりました。
さっそく本文のなかから、気になった部分を赤ペンチェックしてみましょう。
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荒木の取材の基本は人々の行動を「よく見る」こと。若者の服の着こなし方などもよく見ていたという(さらに「見たことをすごく覚えている」のだという)
<観察しろというのは……/見るんじゃあなくて観ることだ…/聞くんじゃあなく聴くことだ>(空条承太郎のセリフ)
荒木は、全体像をおさえつつも細部を撮ることが多い。例えばフェンスなら、網目はどう編まれているのか、ボルトはどう止まっているのか、など細かな部分を撮影していくのだ
<今はネットでなんでも見られると多くの人が思っているかもしれませんが、例えばパトカーのデザインやポストの形、郵便配達人の服装、トイレがどうなっているかなど、自分の目で見ないとわからないこともたくさんあるのです>(『荒木飛呂彦の漫画術』より)
土地に愛着を持つ
レストランなど食事の場所に、荒木は取材中に着ていた短パンからきちんとした服装に着替えてから出向くのだという。「お店への敬意を感じました」と編集者が言うように、荒木飛呂彦の人間性が感じられる
編集者が「この漫画、なんか足りないんだよね」と言うときは、90%以上の確率で「悪役が立っていない」
主人公と悪役は必ずセットで作る
キャラクターを作るときは、まず履歴書を参考に作成したオリジナルの「身上調査書」を書いて、そのキャラクターの輪郭を浮かび上がらせていきます
ビジュアル、育った家庭環境、性格など、身上調査書の項目を対照的にし、ふたりの「光」と「影」を強くした
主人公対悪役の戦いがおもしろくなるためには、「主人公はこいつに勝てないんじゃないか?」と、読者に思われるくらい、悪役は強くなければいけません
悪役には「哲学」が必要
漫画の「基本四大構造」
「キャラクター」
「ストーリー」
「世界観」
「テーマ」
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世界観のある作品がどうやって生まれるのか、知りたくて読んだ本ですが、買って本当に良かったと思います。
創作で考慮すべき点や、作品鑑賞の視点がわかる、貴重な読み物だと思います。
ぜひ、読んでみてください。
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『ジョジョマガジン2023WINTER』荒木飛呂彦・著 集英社
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◆目次◆
『荒木飛呂彦の取材術』
What’s『The JOJOLands』
『続・荒木飛呂彦の漫画術』
ほか
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