【「余白」が大事。】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4296001779
本日ご紹介する一冊は、TBS「情報7daysニュースキャスター」、日本テレビ「真相報道バンキシャ!」にコメンテーターとして出演する、アートディレクターで経営者の山崎晴太郎さんが、これからの時代に求められる思考スキルを説いた一冊。
不確実性の時代かつ、定型業務をAIがかっさらおうとしている時代に必要なのは、常識・前例にとらわれない発想ですが、それを行うには「余白」が必要と著者は言います。
ではどうすればその余白を作り出せるのか? どう余白を作れば面白い結果が生み出せるのか?
本書には、そのヒントが書かれています。
単に発想法としての余白思考を説くのではなく、人生哲学としての余白思考、人間関係を良くするコミュニケーションのヒントとしての余白思考を説いており、自己啓発書として読んでも面白いと思います。
各章末に、「今すぐできる余白思考」というのがあるのですが、これが具体的行動指針を書いていて、とても良い。
スケジュールの組み方や他人との距離の取り方、カバンの荷物の減らし方など、面白いヒントが書かれています。(個人的には「お風呂に潜る」を実践してみようと思いました)
昔、母に「優しさとは何か」と尋ねた時、「余裕…だべな」と返され、妙に腑に落ちた記憶がありますが、本書でいう「余白」にも、同様の効果があるようです。
異質なものを受け入れ、新しいものを生み出す人になりたいなら、この「余白思考」をマスターすること。
本書は、そのための最適なテキストです。
さっそく本文のなかから、気になった部分を赤ペンチェックしてみましょう。
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論理を積み重ねれば、たしかに「正しい答え」にたどり着く。でも、「心を動かす答え」には届かない
余白は「今の自分」を映す鏡。自信がないと埋め尽くしたくなり 余裕がないと扱いが雑になる
「たからもの」をぎゅうぎゅうに詰め込む人はいない。クッションがなければ、大事なものが、別の大事なものを傷つけ始める
自分自身の中にある大切な「コア(核)」の部分と外の世界の間にある自由なスペース。これが「余白」です。そこでは何をしてもいい。中の延長として扱ってもいいし、外から来た人やものをいったん受け入れることもできる。そんな場所。リアルなイメージで考えるなら、昔は多くの家にあった「縁側」「土間」のようなもの。いわゆる内と外の概念が曖昧になる、中間領域と呼ばれる部分です
余白を上手につくれれば、忙しくてやらなくてはいけないことがあっても、毎日を今より「ラクに」「楽しく」「前向きに」生きられるはず
余白を持つことで、誰もが生まれながらに持っている絶対軸を明らかにすることができます
大事なのは、外から迫りくる相対軸から適度な距離を置くことです。「あ、あなたはそういうところを見ているんですね。でも私はこうします」と言える余裕を持つのです
ロジックだけを積み上げたり、テクニックだけに頼ったりすると、その先に待っているのは「決まったゴール」
スペックを伝えるには数字やロジックが有効ですが、「なんとなくいいでしょう?」を伝えるためにはそれだけでは足りない
他人と一緒につくるときに起こる「イレギュラー」、つまり偶発性が、事前に予想できなかった効果を生み、結果的にクオリティを上げてくれる
「自分じゃないもの」という要素が、実はすごく大事
「うまくいくかどうかなんてわからなくても、自分がしたいことをする」というマインドが、人生を楽しみ余白を楽しむ秘訣
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読んでいて、これがマスターできれば、AI含め、あらゆるテクノロジーが怖くなくなると思いました。
本書で言及されていた「聞き方」もそうですが、心構えが変われば、テクノロジーやノウハウは単なる手段に変わるのだと思いました。
未来を創るために、ぜひ今、読んでおきたい一冊です。
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『余白思考』山崎晴太郎・著 日経BP
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◆目次◆
はじめに なぜ今、積極的に「余白」を考えることが大切なのか?
第1章 なぜ「余白」が大切なのか?
第2章 仕事の余白
第3章 人間関係の余白
第4章 コミュニケーションの余白
第5章 自分の頭の中に余白を持て
おわりに 「余白のあり方」は自分で決める
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