2023年9月15日

『怪獣人間の手懐け方』箕輪厚介・著 vol.6318

【やばい編集者、箕輪厚介の処世術】
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本日ご紹介する一冊は、与沢翼、見城徹、堀江貴文、落合陽一、前田裕二、ガーシーなど、名だたる「怪獣人間」たちの本をベストセラーにしてきたカリスマ編集者、箕輪厚介氏による対人関係術。

ベストセラー『死ぬこと以外かすり傷』の続演『かすり傷も痛かった』と同時発売ということで、話題となっています。

『かすり傷も痛かった』
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いわゆる一般向けの対人関係術ではなく、相手は常識はずれの「怪獣人間」。

<遠くにいれば、やさしく温かい存在だが、近づき過ぎると、焼き殺されてしまう>と著者が言う、大変な人たちです。

そんな怪獣人間となぜ付き合わなければいけないのか。著者はその理由を、丁寧に紙幅を割いて、述べています。

<食い殺されるリスクを冒してまで怪獣人間に近づくメリットは何か。極めて打算的に言えば、「イイ案件にイチ早く出会える」のだ>

また、こうも述べています。

<最先端を追う人の言っていることは早過ぎて理解できない。原液は濃過ぎて飲めないが、その原液に価値がある。それは水割りになったり、ソーダ割りになったりして、いずれ世間に広がっていく>

<この人をスターになる前から知っていた>というポジションにいることは大きな差を生む。ニュースになる人、騒ぎになることに、早い段階で何かしら関わっていることが大事だ>

では、一体こんな厄介な人たちをどうやって見つけ、どう付き合えばいいのか。

3章以降は、著者がどうやってこの怪獣人間たちと付き合ってきたのか、濃厚なエピソードとノウハウが語られています。

ホリエモンに企画提案した時の言葉、漫画村を作った星野ロミ氏に会いに行った話、ガーシーとのやり取り、エイベックス松浦氏に呼び出されて氷結ストロング3缶一気飲みして対峙した話…。

処世術、仕事術として秀逸ですが、それ以上に読み物として面白いと思います。

さっそく本文のなかから、気になった部分を赤ペンチェックしてみましょう。

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僕は世の中の「こうあらねばならない」、「こうしないといけない」という空気をただ壊したい

怪獣人間は「いまの世の中はおかしなことばかりだ」と常にイライラしている。なんでふらっと月に行けないのだ? おかしいじゃないか? と考えるからイーロン・マスクはロケットを開発する。前澤友作はそれに乗ろうとする。怪獣人間とは、世界を前に進め、新しい景色を見せようとする存在だ

見城さんがよく使う表現だと、オリジナリティのある作家は「原色」をつくることができる人。赤とか黒とか緑とか原色を生み出す

スキャンダルや炎上というのは、怪獣人間における通過儀礼であり、最初の自己紹介のようなものだ

名カメラマンの篠山紀信さんが言っていたのだが、いいカメラマンとは、写真がうまい人ではない。撮るべき人の前でシャッターを押せる人である

評価されてからでは遅い場合もある。「なんだかあの人はおかしい」と怪しまれている段階で、近くへ行って自分の目でよく見たほうがいい

たしかに、出版界の敵であり、裁判中の人間と飲みに行くなという意見はわかる。でも僕にとっては、寿司職人が市場に魚を見にいくようなものなのだ

僕は簡単に出版オファーを受けてもらえると思われるが、「断られ中」の案件は30以上ある

怪獣人間が1番嫌いなのは「時間を奪われることだ」

「手紙で自分の話を書くやつは終わっている。相手のことをどれだけ書けるかがすべてだ」(見城氏)

相手の目も見ず名刺を投げるように置くホリエモン。会話どころではない。僕はその惨状を見て「編集者をやってるんですけど、2冊の本を堀江さんの稼働が0でつくれます」とだけ伝えた

怪獣人間と付き合うためには、こちらが怪獣である必要はないが、牙はあると思われないといけない。牙とは、自分なりの覚悟であり、自分なりのスジだ

僕は常に怪獣人間を頭の中で30人近く飼っていて、時代と交わるここぞというタイミングで一気に引き揚げて世の中に出しているだけ

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本当に突き抜けた人たちが、何を大事にして人と付き合っているか、その原理がわかる、希少な一冊だと思います。

常識的な人間とどう付き合うかについては、CHAPTER7[人間対策編]プチ怪獣との付き合い方で書いてあるので、こちらを参照するといいでしょう。

著者の良いところが生きた、素晴らしい一冊だと思います。

ぜひ、読んでみてください。

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『怪獣人間の手懐け方』箕輪厚介・著 クロスメディア・パブリッシング

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◆目次◆

PROLOGUE 人生は人との出会いで驚くほど変わる
CHAPTER1 [生態編]怪獣人間とは何か
CHAPTER2 [獲得目的編]怪獣人間と付き合うメリット
CHAPTER3 [発見編]怪獣人間はどこにいる?
CHAPTER4 [接触編]怪獣人間は初対面が9割
CHAPTER5 [捕獲編]怪獣人間と渡り合うための掟
CHAPTER6 [手懐け編]人間関係の三角形
CHAPTER7 [人間対策編]プチ怪獣との付き合い方
CHAPTER8 [怪獣人間図鑑編]怪獣人間はあまりにも魅力的だ
EPILOGUE 人間の歪さを面白がれると人生は面白くなる

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