2023年8月22日

『スタートアップで働く』志水雄一郎・著 vol.6300


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本日ご紹介する一冊は、転職サイトの「DODA」(現doda)立ち上げを経て、2016年に株式会社ネットジンザイバンク(現フォースタートアップス株式会社)を創業、スタートアップ界隈で知られるヘッドハンター、志水雄一郎さんによる初の著書です。

タイトル通り、スタートアップへの転職、キャリア形成を勧める内容で、キャリアを大きく変化させたい人、将来企業を視野に入れて転職したい人には、刺さる内容だと思います。

土井はそれこそスタートアップに入ってキャリアを作ったクチですが、その経験から言っても、本書が掲げるベンチャー転職のメリットは納得できます。

また、どのステージで入社するかが重要という点も同意で、入ったタイミングによっては、ストックオプションや多様な経験、経営者との距離の近さなど、スタートアップ転職の旨みを享受できない可能性もあります。

内容のほとんどは、啓発的な内容ですが、スタートアップ転職がどんなものかイメージを掴んでおきたい方には、役立つ内容だと思います。

なぜ大企業の新規事業ではダメなのか、インセンティブ設計の面から論じたのはさすがで、確かにこの視点がないと思わぬところで躓きます。(現に知人は、大手企業で新規事業を成功させたにも関わらず、大企業を去ることになりました)

大企業に勤めていて、能力のある方には、ぜひ読んでいただきたい内容です。

既にスタートアップ転職を検討している方には、第4章「スタートアップ転職の成功事例」が参考になるでしょう。

ハイスペックな方が多い印象はありますが、メガバンク出身でシナモンの執行役員を務める山村萌さん、40代でスタートアップに入り、LabBase執行役員CFOになった後藤洋平さんなど、興味深い事例が集められています。

さっそく本文のなかから、気になった部分を赤ペンチェックしてみましょう。

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すでに有名大企業で働くほとんどの人ですら、十分な資産を築くことはできなくなってきている。むしろ、株式上場前のスタートアップに早い段階から参画して、ストックオプションをもらうほうがよほど勝算が高いように僕には思える

Googleといった一大企業で平均年収2500万円で働くよりも、「Googleをつくった社員」になれれば、個人資産が今や数百億円にもなる。発行株式の0.1%を取得し、企業価値が100兆円ならば、理論上では1000億円の個人資産を持つことになるからだ。この例が数社しかなければ夢物語だが、アメリカには企業価値約1400億円超えのユニコーン企業が600社あり、SPAC上場も含むIPOが年間ベースで1000社近くもあることを踏まえれば、それだけたくさんの億万長者が生まれているというのが事実なのだ

日本ではユニコーン企業数が直近のデータでは世界18番目といわれるが、GDP世界3位の国家がユニコーン企業数では18位ということ

僕らには世の中でいろいろなものを制限なく選択できるチャンスがあるのに、それを自己分析の名のもとに自分の過去の価値観のみで人生を選択してしまうのは、実にもったいないこと

コンサルタントからの転職先やポジションは様々だ。リーダーシップがあれば、CxOの職に就けるが、リーダーシップがなければ、いくら賢くて偏差値が高くてもCxOの職は無理である。何より重要なのは、リーダーシップなのだ

スタートアップ向けのコミュニティに参加したり、カンファレンスでサポーターとして携わってみたりすること

上場前の企業、特にシリーズA、Bあたりのスタートアップを狙うのが、最も賢明

日本であれば、グロービス・キャピタル・パートナーズという国内最高峰のベンチャーキャピタルが注力領域として投資を仕掛けてきたら、キャピタリスト業界では「見立てられた」と言われるくらいの影響力がある

自分が「普通」だと感じる人にこそ、果敢に「旬」の市場を狙って、勝ち馬に乗りに行くことをすすめたい

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成功するかどうかは保証できませんが、スタートアップに入ると、経験はもちろん、スピード感、問題解決能力、レジリエンスなど、あらゆる点で個人の能力が上がる気がします。

退屈な毎日に終止符を打ち、挑戦したいと思う方には、まずは読むことをお勧めします。

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『スタートアップで働く』志水雄一郎・著 ディスカヴァー・トゥエンティワン

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◆目次◆

第1章 なぜ、今、スタートアップなのか
第2章 スタートアップへ転職する「前」に知っておくべきこと
第3章 どのスタートアップに転職すべきか
第4章 スタートアップ転職の成功事例

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