【これでバッチリ。】
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本日ご紹介する一冊は、秀逸なコンセプトで売れている、話し方の本。
著者は、デロイトトーマツコンサルティング(現アビームコンサルティング)を経て、マーケティング会社「ティネクト株式会社」を経営する安達裕哉さんです。
話し方の本というと、いわゆる「型」を示すものや、ちょっとしたTipsを述べる本が多いのですが、弱点は、相手や状況が変われば、通用しないこと。
逆に言えば、相手のニーズや人間性、置かれた状況を正しく把握できないで「型」を使えば、思わぬトラブルを引き起こすこともある、ということです。
そうならないために大事なのは、相手のニーズや想いを想像すること、よく聞くこと。
本書では、『頭のいい人が話す前に考えていること』を整理し、知的人間になるための思考法と行動習慣を伝えています。
なかでも、話を深くするふたつのコツ、言葉の定義や成り立ちを考える、整理しながら聞く技術などは、知的活動の基礎ともいうべきもの。
本書を読んで、ぜひマスターしておきたいところです。
通常、この手の本は、心構えで終わることが多いのですが、本書はノウハウの細部化がよくできている上に、事例がじつにわかりやすい。
3連休前に食器棚を新しくしたかったお客様のニーズを汲んで、見事クレームを解決したやりとりや、子どもの七五三の衣装をどうするかで悩む奥様に著者がしたアドバイスなどは、驚くほど実践的で、すべての職場・家庭に貼っておきたいほどです。
小手先の会話術を学ぶのではなく、きちんと相手に寄り添う、感情的にならず知的態度を貫く、そんな作法を学ぶことができます。
さっそく本文のなかから、気になった部分を赤ペンチェックしてみましょう。
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考えていない人間はいない。あなたは本来、考える力がある。必要なのは話す前に立ち止まる勇気だ
どれだけ話し方がうまくなっても、自分の言葉で話せないと人の心を動かすことはできません
賢いふりをするな、賢くふるまえ
信頼が生まれる瞬間の心情はこうです。“この人、我々のためにちゃんと考えてくれてるな”
人と闘うな、議題と闘え
頭のいい人は、議論の勝ち負けではなく、議論の奥にある、本質的な課題を見極めようとします
ちゃんと考えて話すというのは、“相手の言っていることから、その奥に潜む想いを想像して話す”ということ
簡単にアドバイスするな、意見を言うな、とにかく相手に話してもらえ
知識は披露するのではなく、だれかのために使って初めて知性となる
人はどのようなときに、他者を承認したくなるのでしょうか? それは、“親切にされたとき”です
話が浅くなる3つの理由
1.根拠が薄い
2.言葉の「意味・定義」をよく考えずに使う
3.成り立ちを知らない
少ない情報を信じ切るとバカに見える
話を深くするふたつのコツ
(1)自分の意見と真逆の意見も調べる
(2)統計データを調べる
成り立ちを知ることで人と違うアイデアも深い議論も生まれる
「結論から言え」というのは、本質的には、自分がしたい話ではなく、相手が聞きたい話を最初にしろということ
人は、出された質問が難しいと、それを簡単な質問に置き換えてしまう
・事実を求められているときに、意見を述べない
・意見を事実のように言わない
整理しながら聞く技術
1.ゴールの確認
2.考えていることを聞く
3.話を整理して相手の意思決定を助ける
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できる人がやっている思考・対話・言語化のコツを、ここまで明確に示した本は、かつてなかったのではないでしょうか。
できる人の思考を学ぶために、また部下をできる人に育てるために、ぜひ読んでおきたい、おすすめの一冊です。
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『人生の道しるべになる 座右の寓話』戸田智弘・著 ディスカヴァー・トゥエンティワン
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◆目次◆
はじめに
第1部 頭のいい人が話す前に考えていること
その1 頭が悪くなる瞬間、頭がよくなる時間
その2 頭のよさを決めるのは「だれ」だ?
その3 なぜ、コンサルは入社1年目でもその道30年の社長にアドバイスできるのか?
その4 頭のいい人は、論破しない
その5 「話し方」だけうまくなるな
その6 知識が「知性」に変わるとき
その7 承認欲求をコントロールできる者がコミュニケーションの強者になれる
第2部 一気に頭のいい人になる思考の深め方
第1章 まずは、バカな話し方をやめる
第2章 なぜ、頭のいい人の話はわかりやすいのか?
第3章 ちゃんと考える前に、ちゃんと聞こう
第4章 深く聞く技術と教わる技術
第5章 最後に言葉にしてインパクトを残す
おわりに
賢くあり続けるための読書リスト
参考文献
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