【使い方次第】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/476127672X
本日ご紹介する一冊は、ビジネスにおけるビジュアル戦略やプレゼンテーションなどの分野で活躍する、ダン・ローム氏によるプレゼン本。
著者の最初の本『The Back of the Napkin』は、ビジネスウィーク誌の「ベスト・イノベーションブック・オブ・ザ・イヤー」にも輝いています。
『The Back of the Napkin』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/1591842697
ピクサー・アニメーション・スタジオの共同設立者、エド・キャットマル、IDEOのパートナーであるトム・ケリー、ベストセラー作家のダニエル・ピンクがこぞって絶賛する内容で、プレゼン力を鍛えたい方は注目の一冊です。
著者が本書で紹介するのは、著者が「ポップアップピッチ」と呼ぶ、ビジュアルとストーリーテリングを駆使した手法。
ハリウッド流の10ページピッチを2時間で作成し、7分で聴き手をストーリーに巻き込み、プレゼンで成功する手法が、コンパクトにまとめられています。
著者は本書のCHAPTER1で、こんな予言をしています。
<かつてないスピードで進化を遂げるビジネスの現場において、クリックしながら話すスライドショー形式のプレゼンテーションは、この先、通用しなくなる>
その代わりに、著者が提案するのが、10ページに分かれたストーリー展開をする、「ポップアップピッチ」。
絵を描くのが苦手な人でも、自分の思考をビジュアル化し、聴き手を巻き込むストーリーに転換する手法が、上手に説明されています。
プレゼンの勘所や事例も捕捉されているので、誰でも無理なく学べる、シンプルな教材だと思います。
さっそく本文のなかから、気になった部分を赤ペンチェックしてみましょう。
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ポジティブ説得のコアとなる3つのメッセージ
(1)聞き手に関する話である
(2)聞き手自身がそれを望んでいる
(3)聞き手がそれを手にできる
どんなメッセージでも、相手が積極的に受け入れたくなる言い方は必ずある
実現までの道のりを小さなステップに分けて示す
1.情報を伝える会議でいちばん大事なのは「内容」
2.意思決定を行う会議でいちばん大事なのは「成果」
3.問題解決のための会議でいちばん大事なのは「過程」
4.アイデアを発表するための会議でいちばん大事なのは「理解」
5.売り込むための会議でいちばん大事なのは「アクション」を起こさせること
「視覚」とは1枚ずつ光が当たるスナップ写真が次々に現れることだと思えばいい
◆ビジュアル・デコーダーを作る
1.表紙/タイトル(言葉)
2.人(もの=象徴となるもの)
3.場所(位置=マップ)
4.数(数字=グラフ)
5.いつ(変化=時系列)
6.裏表紙/教訓となること
(言葉か絵、または両方)
混乱はあっても最後は上がるストーリーは時代を超える
◆10ページピッチ
1.タイトル:誰と何についての話か
2.状況の共有
3.問題点
4.解決できるという感情
5.誤った期待
6.かなり大胆な提案
7.本当にやればできる
8.行動の呼びかけ
9.すぐに得られるメリット
10.長い目で見たメリット
聞き手を前向きな気持ちにさせるピッチのタイトルの登場する「人」は、プレゼンターではなく聞き手
怖すぎて直視しなくない事実や数字を提示する
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「かなり大胆な提案」のあたりは、アメリカならではで、日本でやると微妙なケースもありそうです。
とはいえ、この手法が広まれば、退屈なビジネスプレゼンテーションが、もっとエキサイティングなものに変わって行きそうですね。
(願わくは、日本企業がこういう提案を受け入れられるようになることを)
センスのいい人は今でもやっていることですが、それをきっちり可視化・言語化してくれたという意味で、価値のある一冊だと思います。
ぜひ読んでみてください。
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『最もシンプルな心をつかむプレゼン』ダン・ローム・著 花塚恵・訳 かんき出版
<Amazon.co.jpで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/476127672X
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◆目次◆
CHAPTER1 ポップアップピッチの世界へようこそ
CHAPTER2 ポップアップピッチは会議で説得力を高めるメソッド
CHAPTER3 ビジュアル・デコーダーを使って自分の思考を可視化する
CHAPTER4 ビジュアル・デコーダーを作成しあなたが描いた絵に語らせよう
CHAPTER5 休憩して描いた絵をしばし寝かせよう
CHAPTER6 10ページピッチを理解しストーリーを語る準備をする
CHAPTER7 10ページピッチを1ページずつ作成する
CHAPTER8 ポップアップピッチを使ってプレゼンする個人、中小企業、世界的企業の例
CHAPTER9 一世一代のプレゼンになるよう十分な準備で磨きをかける
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