『戦略的休息術 TIME OFF タイム・オフ』ジョン・フィッチ、マックス・フレンゼル・著 Mariya Suzuki・絵 ローリングホフ育未・訳 vol.6237
【休息を豊さと生産性につなげる考え方】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4295408115
金曜日は、なるべく週末にふさわしい本をセレクトしようと思っていますが、本日ご紹介する一冊は、まさに週末に読みたい、ドンピシャの一冊。
ビジネスコーチ、エンジェル投資家、ライターのジョン・フィッチ氏と、AI研究者のマックス・フレンゼル氏が書いた、休息の取り方の本です。
高齢化と働き方改革、コロナ禍などにより、ビジネス書でも随分休息に関する本が出ましたが、本書はその中でも後発の一冊です。
アメリカで出版されたのが2020年ですから、ちょうどコロナ禍に突入したあたりでしょうか。
本書が類書と違うのは、世界の賢人35人から、休息の取り方や、休息を仕事に生かす方法を学ぶ、という視点。
アリストテレス、トマス・アクィナス、ベートーベン、キルケゴール、アンリ・ポアンカレ、ヘルマン・ヘッセなど、歴史上の偉人とともに、ブルネロ・クチネリやこんまりさんなど、最近の人物も紹介されています。
偉人たちの時間の考え方、タイムスケジュール、休息の取り方が学べるのは、じつに意義深い。
なかでも、アリストテレスが述べた内容が強烈で、仕事にかまけて他の意義ある活動ができていない現代人に、痛烈なメッセージが示されています。
<仕事の忙しさに現を抜かし、仕事を行うための余暇になっているとすれば、実りある人生を送るためのひらめきも、文化や社会に貢献しようとするやる気も湧かない>
働いてどんなにお金を稼いだところで、意味ある活動ができなければ意味がない。
本書では、どうすればわれわれが仕事において創造性を発揮し、文化を残せるか、われわれの生活自体を文化的なものにできるか、そのヒントが示されています。
さっそく本文のなかから、気になった部分を赤ペンチェックしてみましょう。
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元来の意味で学校という場所は、文化的な、そして余暇としての人生の準備をするところだったのだ
カイロスは時間の量でなく、質だ。何時間も働いたのに、それに見合う質の仕事ができなかった経験はないだろうか
クロノスにどんなに執着しても、時間のすべてをコントロールするなんて無理だからストレスがたまってしまう
8時間労働は肉体労働のための基準であって、精神のための基準ではない
チャイコフスキーは、1日2時間以上散歩しないと悪いことが起きると信じていた。散歩をすることで、作曲に没頭した心と身体を落ち着けることができたのかもしれない
課題が複雑であるほど、無意識下での成果が大切(アーサー・ケストラー)
将来の世代は、狭くて(しばしば退屈な)専門性を武器にして生きなくてもいい
ちょうどアヤコは、地図の歴史についての本を読んだばかりで、マックスにこう言った。「面白いよね、昔の人って。大事な場所ほど大きく地図に描いたんだって」その瞬間、マックスは稲妻に打たれたようだった
彼は毎日、2時間×2回の計4時間を仕事の時間に当てていた。午前10時から正午までと、午後5時から7時までだ。それ以外は無意識を稼働することに費やし、アイデアを温めた(ポアンカレ)
本当に効果のある休息は、アクティブで、少しの努力が必要な活動なのだ
学習の前に眠ると、すでにある記憶を海馬から大脳皮質に移動させ、新しい情報を入れるためのスペースが脳内にできる。学習後の睡眠は、新しい情報を整えて「保存」のボタンをきちんと押してくれる
ゲーテはこう言っている。「社会で指図を受けることはできる。だが、ひらめくことができるのは、ひとりのときだけだ」
単純作業を続けて成功する人はいない。必要なのは、クリエイティビティとビッグアイデアだ
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カスタマーレビューの数などから判断するに、「米国Amazonベストセラー」は、ちょっと盛り過ぎな感じがしますが、内容は良いと思います。
古今東西の賢人が休息をどう捉え、活用していたか、その思想・哲学がわかる内容です。
ぜひ読んでみてください。
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『戦略的休息術 TIME OFF タイム・オフ』ジョン・フィッチ、マックス・フレンゼル・著
Mariya Suzuki・絵 ローリングホフ育未・訳 クロスメディア・パブリッシング
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◆目次◆
日本語版への序文
プロローグ タイムオフってなんだろう?
序 章 僕たちは、どこで間違えたのだろう?
第1章 創造する
第2章 休息する
第3章 睡眠をとる
第4章 運動する
第5章 ひとりになる
第6章 内省する
第7章 遊ぶ
第8章 旅をする
第9章 繋がりを断つ
第10章 これからの働き方
エピローグ 僕たちの物語
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