2023年4月26日

『田坂広志人類の未来を語る』田坂広志・著 vol.6225

【ジャック・アタリ絶賛】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0BY88Q4P3

多くの人は「未来なんて予測できない」と言いますが、世の中にはある程度不可逆なことがあり、大まかな方向性というのは、予見できるものだと思っています。

誰もが予測できなかったと思っているコロナショックでさえ、専門家は、グローバリゼーションに伴いパンデミックのリスクが広がる、と言っていたのですから。

本日ご紹介する一冊は、シンクタンク・ソフィアバンクの代表であり、2008年ダボス会議のGlobal Agenda Councilメンバー、2010年世界賢人会議ブダペスト・クラブの日本代表を務めた田坂広志さんが、未来を語った一冊。

「欧州最高の知性」と呼ばれるジャック・アタリ氏が絶賛した内容で、約400ページに渡り、未来を予見するためのシンプルなヒントが書かれています。

内容の一部は、過去に出された本の再録であり(第二部「未来を予見する『五つの法則』」)、既に実現しているものもありますが、それ以外はこれから世界で起きそうな本質的な話が書かれています。

われわれの社会がどこへ向かうのか、ビジネスや個人はどう変容していくのか、不透明な時代を予見するための考え方が説かれています。

・「宗教」と「科学」が手を結ぶ時代
・「貧富の差」が「能力の差」になる社会
・ただ、「懐かしいもの」が復活するのではない。「便利になった、懐かしいもの」が、復活する
・「合理化」と「効率化」のためにひとたび消えた機能は、必ず、復活する
・「価格競争」は、ある段階で、必ず、「付加価値競争」に反転する

ちょっと読むだけで、これから何が起こるのか、どんなビジネスに可能性があるのか、インスピレーションが得られます。

商品開発者や経営者が本書を読みながら未来を考えると、きっとすごいビジネスのアイデアが湧いてくるはずです。

さっそく本文のなかから、気になった部分を赤ペンチェックしてみましょう。

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物事の変化や発展、進歩や進化は、あたかも螺旋階段を登るように起こる

対立し、競っているもの同士は、互いに、似てくる

技術とは、意識進化のアクセラレータ(加速器)である

AIでは代替できない「三つの能力」
第一 ホスピタリティ
第二 マネジメント
第三 クリエイティビティ

「貧富の差」が「能力の差」になる社会

「マネタリー経済」と「ボランタリー経済」の相互浸透

参加型民主主義の「参加」とは、実は、「社会の変革」に参加すること

科学が、宗教の「神秘主義」の領域に踏み込んでいく動き

これからの時代、「労働」というものが「アート」へと深化していく

最先端の科学と医学によって「超長寿の命」や「永遠の命」が実現できる状況においては、我々は、そうした事故の危険性のある行動を、神経質なほど慎重に避けるようになる

「永遠の命」が与えられた状況においては、我々は、「時間」というものに価値を感じなくなり、目の前の時間を大切に使い、日々を充実して生きるという姿勢を失ってしまう

未来予測の「方法」を学ぶより、世界発展の「法則」を学べ

「集団・一律・他律」から「個別・自由・自律」への教育システムの回帰が起こる

合理化と効率化が進むと、ひとたび消えていった「古いシステム」が復活する

社会観察においては、何が「懐かしい」のか、何が「便利になった」のかを考える

「価格競争」は、ある段階で、必ず、「付加価値競争」に反転する

「シェア」が一定の水準を超えると、自然に「事実上の標準」が生まれる

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未来の社会変化と、それに伴い発生する問題、そして人類の変わらぬ原理原則が書かれており、とても勉強になりました。

現在のテクノロジーが進んで行くと、どんな未来になり、人類がどんな悩みを新たに抱えるのかが書かれていて、いろいろと考えさせられる内容でした。

ぜひ、読んでみてください。

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『田坂広志人類の未来を語る』田坂広志・著 光文社

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◆目次◆

人類の未来を予見する、驚異的な一冊 ジャック・アタリ
はじめに 本書の生い立ちと読み方
第一部 未来を予見する「十二の洞察」
第二部 未来を予見する「五つの法則」
第三部 人類が直面する「五つの危機」
謝辞
さらに学びを深めたい読者のために

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