2023年4月7日

『世界の一流は「雑談」で何を話しているのか』ピョートル・フェリクス・グジバチ・著 vol.6212

【スモールトークのススメ】
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本日ご紹介する一冊は、Googleで人材開発・組織改革・リーダーシップマネジメントに従事したピョートル・フェリクス・グジバチさんが、世界レベルの雑談=スモールトークを論じた一冊。

日本では、雑談というとつい天気の話などになりがちですが、本書で紹介する「スモールトーク」や「ダイアローグ」はそれとは一線を画したもの。

明確な目的意識を持って、「その人に特化した」トークをする、質問をする、自己開示をする、そんなやり方が紹介されています。

以前、外国人とのパーティやイベントを主催してわかったことですが、日本人は、英語ができる方でも、なかなか会話が弾まないことが多い。

なぜなのかずっと疑問に思っていたのですが、本書を読んでその謎が氷解しました。

いわく、<日本人の雑談は、「社交辞令」と「演技」と「決まり文句」の3つで構成されている>。

なるほど、これでは会話で信頼を得ることはできませんよね。

これから、日本は成長する世界と付き合っていくことでしか成長を実現できなくなると思いますが、そのためには、日本人特有のコミュニケーションではなく、世界標準のコミュニケーションを身につける必要がある。

最低限、第4章で書かれた「6つのNGポイント」はクリアしておくべきですが、それ以上を目指して、実りあるスモールトークにしたい。

大人だけでなく、子どもの教育でもこういうことを教えるべきだと思いました。

Google社内の雑談文化についても言及があり、社内コミュニケーションを改善したい上司や経営者にとっても、興味深い視点が示されています。

さっそく本文のなかから、気になった部分を赤ペンチェックしてみましょう。

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雑談に近い意味の英語となると、
「smalltalk」や「chat」、「chitchat」などかもしれませんが、そのニュアンスは日本語の雑談とは大きく異なります

世界のビジネスシーンで、一流のビジネスマンが交わしているのは、日本的な雑談ではなく、「dialogue」に近いもの

ダイアローグの5つの意図
(1)状況を「確認する」
(2)情報を「伝える」
(3)情報を「得る」
(4)信用を「作る」
(5)意思を「決める」

日本の雑談は定番のフレーズの後ろに隠れることで、自己開示をしない、あるいは自己開示をしなくて済む雑談が多いのですが、ヨーロッパの国々では、決まったフレーズはなく、「その人」に特化した雑談になることがほとんど

無条件の肯定的関心とは、相手の話を良し悪しや好き嫌いで判断せず、「なぜそのように考えているのか?」を肯定的に知ろうとすること

欧米の一流のビジネスマンは、しっかりと事前準備をして雑談に臨んでいます。IRレポートなどを読み込んで相手先の会社の経営状態や業績の実績、今後の見通しを知っておくことは当然ですが、SNSで近況を検索したり、同僚や友人、知人を通じて、「相手はどんな人なのか?」という情報を徹底的に調べた上で対峙しています

世界のビジネスマンは、雑談を学びの場と考え、お互いの人生を豊かにするための知識や情報を「やりとり」する時間と捉えています

意図的に雑談の機会を作るオフィス設計

異業種の相手には「サイクル→トレンド→パターン」を聞く

6つの雑談のNGポイント
01 相手のプライベートに、いきなり踏み込まない
02 「ファクト」ベースの質問は意外に危険
03 ビジネスの場で「収入」の話はしない
04 「シチュエーション」を考えた雑談を心がける
05 「宗教」の話は無理に避ける必要はない
06 「下ネタ」で距離感が縮まることはない

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昔、外資系企業で飲み会をやった際、上司が女性にNGトークをして場が冷め、その空気を感じ取った外国人上司から、「EIJI、彼はさっき何と言ったんだ」と深刻な表情で詰められたことがありますが、この辺の感覚は、持っておかないと今後、トラブルになる可能性もあると思います。

社内研修の教材として、また個人のコミュニケーションスキルを上げるヒントとして、ぜひ、読んでおきたい一冊です。

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『世界の一流は「雑談」で何を話しているのか』ピョートル・フェリクス・グジバチ・著 クロスメディア・パブリッシング

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◆目次◆

はじめに 日本人は「雑談」を世間話や無駄話と考えている
第1章 ここが違う! 「世界」の雑談と「日本」の雑談
第2章 グーグルの強さの秘密を知る! 強いチームをつくる「社内雑談力」の極意
第3章 どうすれば結果が出せるのか? 武器としてのビジネスの雑談
第4章 何を話すべきではないのか? こんな雑談は危ない! 6つのNGポイント
おわりに リモートワークの増加が雑談の重要性を浮き彫りにした

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