【相手を上げる技術】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4794226330
20代の頃、当時勤めていた日経ホーム出版社に、Tさんという先輩がいました。
社内政治や人間関係に疎い土井に、<何かを進言するときは、「釈迦に説法ですが」「ご存じだと思いますが」って添えるんだよ、と丁寧に教えてくれた方です。
おかげさまで、今でもその教えが役立っています。(知らなかったら、もっと酷かったという話かもしれませんが・笑)
若い頃は、なかなか受け入れられないものですが、人間関係を円滑にするためには、多少の気配りや「ヨイショ」は必要です。
本日ご紹介する一冊は、その「ヨイショ」の技術を、ライター、学者、臨床心理士、俳優などからなる「グループ・ニヒト」がまとめた一冊。
元々は、2009年に草思社から単行本として出されていたものを、文庫化したものです。
「文庫版の終わりに」に、著者らが書いている内容自体が「ヨイショ」の見本で面白かったので、ご紹介しましょう。
<奇跡が起きたのだといえるでしょう。出版当初から各方面に反響を巻き起こし、地上波のテレビにも取り上げられ、一部からは「ふざけるな!」と言われた『ヨイショの技法』が『銃・病原菌・鉄』といった名著燦然と並ぶ草思社文庫の一冊に加えられることになりました。ついに我々グループ・ニヒトはジャレド・ダイアモンドと肩を並べたわけです>
多少、テレビ的なネタじみたところはありますが、他人を褒めたり、気持ちよくコミュニケーションするための視点、ヒントにあふれた一冊です。
さっそく本文のなかから、気になった部分を赤ペンチェックしてみましょう。
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ヨイショは、次の三つの要素がそろったときに、もっとも効果的だといわれています。
(1)ほめる
(2)へりくだる
(3)好意・思いやりを示す
ヨイショをするときは、「服装のセンスがいい」「仕事に熱心である」など、できるだけ的確で具体的な事柄を対象にするようにしましょう
Y(ヨイショ)スポット
(1)相手の自覚しているプラスの要素
(2)相手の自覚していないプラスの要素
(3)相手の自覚しているマイナスの要素
まず、ヨイショは声のトーン(調子)が大事です。ヨイショのトーンを操ることを「トーン・コントロール」といいます。(中略)トーン・コントロールの基本は、相手の調子・テンション・気分に合わせることです
わかりにくい喩えフレーズをいう
ex 雨の中立っている人に
あなた「あなたは紫陽花みたいな人ですね」
相 手「どういうことですか?」
あなた「雨が似合うってことですよ」
相手が新しく着てきた服というのは、非常にわかりやすい「Yスポット」
仮に相手が「これ、10万したんだよ」などと具体的な数値つきで自慢をしてきた場合は、「すごーい!」でOKです。「高ーい!」はダメです。「そんなしょうもない服が……」という響きが出てしまいます
まわりの人の髪型が変わった場合は、すかさずヨイショ
へりくだることはヨイショの要素の一つですが、趣味の場面では、それがより重要になります。趣味の話を熱心にしたがる人の根底には、90%以上の確率で「お前は知るまい」という優越感があります
お茶を出してもらったとき
あなた「いやぁ、おいしいですねえ」
訪問先「わかりますか? じつはこれブラジルから送ってもらった特別なコーヒーなんですよ」
あなた「いいなぁ、こんなコーヒーを出す会社に勤めたい」
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親しい相手にしか使えない表現や、現在では微妙な表現があり、使い方には注意が必要ですが、褒めるタイミングや目の付け所は、勉強になります。
なかには、劇薬のように効きそうな表現もあり、いいとこ取りをすれば、使える本だと思います。
ぜひチェックしてみてください。
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『ヨイショの技法』グループ・ニヒト・著 草思社
<Amazon.co.jpで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4794226330
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◆目次◆
第1章 ヨイショ・ベーシック
第2章 ケーススタディ
日常編
趣味娯楽編
職場編
文書・メール編
恋愛編 男性向け
恋愛編 女性向け
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