2023年1月23日

『頭のいい人の対人関係』犬塚壮志・著 vol.6160

【対人関係大全。】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4801401147

本日ご紹介する一冊は、元駿台予備学校の人気講師で、現在は教育コンテンツ・プロデューサーとして活動する著者が、対人関係、交渉で使える学術理論を紹介した一冊。

著者が東京大学大学院で学んだ認知科学や心理学の理論・知識がベースになっており、さながら『対人関係大全』とでも呼ぶべき内容です。

対人コミュニケーションで使えるテクニックを収めた辞書的な本で、パラパラめくりながら必要な理論・テクニックが学べる、分厚さとは裏腹に、とても手軽な一冊です。

既に社会心理学や交渉論を学んだ方には既知の内容が多いかもしれませんが、これから学ぶ方、営業などの実践で理論を使ってみたい方には、興味深い内容だと思います。

「交渉」というと、相手を論破したり、言いくるめたりする印象が強いかもしれませんが、本書が提唱する「頭のいい交渉術」は、「相手をあなたの提案に乗りたい状態に促していくテクニック」。

具体的には、以下の5つの特徴を持っています。

1 相手に交渉の開始と終了を気づかせない
2 相手とぶつからない
3 身を守ることを最優先にする
4 “All-Win”を目指している
5 目的にフォーカスして手段を選択する

本書では、これら5つの要素を満たすために、どう考え、どう振る舞えばいいのか、ビジネスシーンで使える法則が計55個示されています。

さっそく本文のなかから、気になった部分を赤ペンチェックしてみましょう。

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論破無用。交渉相手をファンにしてしまうのが、本当の交渉術

■交渉前の5つの準備
1 自分の譲れないものは何であるかを明確にしておく
2 その交渉で手に入るものの重要度を明確にしておく
3 敵は交渉相手ではなく、「生じている問題」である
4 交渉の余地や素材は、「ある」と思えば必ず見つかる
5 自分を「交渉の達人」であると思い込む

過去に費やしてきたじかん、お金、行動などの物事にこだわって何らかの判断や意思決定をしてしまうことを「サンクコスト理論」(サンクコストの誤謬)といいます

プロスペクト理論が証明した私たちの「損を回避したい」傾向を理解していると、交渉時の大きな武器となります。相手に条件を提示するとき、得られるメリット(利得)よりもデメリット(損失)が避けられることをアピールする

交渉時の動機になりやすい「4つの価値」
・興味価値
・達成価値
・利用価値
・コスト

相手の専門性を見抜く6つの質問
1 定義を尋ねる
2 具体を尋ねる
3 最先端を尋ねる
4 起源や歴史を尋ねる
5 その人の独自性を尋ねる
6 その人が発信した情報の矛盾やリスクについて尋ねる

覚えてもらいたい話は物語る

接触する頻度に関してははじめに接触してから3日、長くて3週間以上、間を空けない

「九州出身のキミならわかってくれると思うけど」「大企業で働いていて独立した人たちには共感してもらえるはず」のように、聞き手をなんらかのカテゴリーに入れたうえでメッセージを伝えると、相手を乗り気にさせることができます

購買意欲を高める「限定」のパターン
1 期日・時間
2 人数・資格
3 場所

所有権をいったん渡してしまうーー
保有効果で購買率を上げる

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昔、20冊ぐらい読破してやっと学んだ内容が、この一冊にコンパクトにまとめられています。

コミュニケーションを生業にする方は、読んでおいて損はないと思います。

ぜひ、読んでみてください。

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『頭のいい人の対人関係』犬塚壮志・著 サンクチュアリ出版

<Amazon.co.jpで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4801401147

<kindleで購入する>
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◆目次◆

第1部 「守るべき3つのルール」と「覚えておくべき5大セオリー」
第2部 対人関係構築のステップ別交渉術
第3部 交渉相手タイプ別の交渉術

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